藁の楯 の商品レビュー
漫画『BE-BOP-HIGHSCHOOL』の作者が書いた小説。映画化もされている。 「この男を殺して下さい。名前・清丸国秀。お礼として10億円お支払いします。」という衝撃的な広告が 全国の主要な新聞に一斉に掲載された。掲載主は政財界の大物・蜷川で、自分の愛しい孫娘を殺した清丸の...
漫画『BE-BOP-HIGHSCHOOL』の作者が書いた小説。映画化もされている。 「この男を殺して下さい。名前・清丸国秀。お礼として10億円お支払いします。」という衝撃的な広告が 全国の主要な新聞に一斉に掲載された。掲載主は政財界の大物・蜷川で、自分の愛しい孫娘を殺した清丸の首に懸賞金をかけたのだ。 隠匿者にまで命を狙われた清丸は逃亡先の福岡で自首。 警視庁は清丸の身柄を48時間以内に東京に護送すべく、銘苅・白岩など5人の精鋭を護衛に付け、 更に機動隊員350人で高速道路を東京に向け出発する。 しかし清丸への憎悪と懸賞金に目がくらんだ一般市民だけでなく、警察官・機動隊員までもが清丸をつけ狙う。 いつ、どこで、誰が襲ってくるか予測のつかない中、福岡から東京までの移送を命じられた5人の警察官。 彼らは命を懸けて「人間の屑」の楯となる意味があるのか? 非常にスピーディで面白いというのが第一印象。 普通に考えれば殺人教唆であっという間に蜷川が逮捕されるべきであるが、 そういった「あり得なさ」を一つ乗り越えた設定によって、面白い作品になっている気がする。 主人公の銘苅は妻を亡くしており、金など全く必要ない人物であるという部分も 話に深みを与えている気がする。 しかし、どうしても考えてしまう事がある。 機動隊員350人態勢の“大名行列”を囮に、それ以前に夜間の貨物列車あたりで運んでしまえば良かったのでは?と。 確かに清丸の位置情報は蜷川側に筒抜けなので完全に安全ではないものの、 一般人の巻き込み具合は昼の比ではないと思うのだが。。。 文体に若干のクセがあり、もしかすると読む人を選ぶかもしれないが ラストの物哀しさなども含め、非常に楽しめる一冊かと。 が、「サライヤ」と呼ばれる謎の人物の設定が個人的には大嫌いである。 何でも出来る、全部想定通り。だって?そんなヤツいたら何でもアリになってしまう。 奥村を選べたのであれば、何故銘苅も選ばれたのか。一番邪魔しそうなのに。
Posted by
だいぶ昔に映像化作品を先に見てからの本書。 私がまだ可愛い可愛い少女だった頃、正義の職業の人達に憧れた時にふと考えた事だ。 消防士さんは悪い人の家が燃えても火の中に入って助けるのだろうか。警察官は悪い人が襲われていても身を呈して助けるのだろうか。弁護士さんは悪い人の事も全力で護っ...
だいぶ昔に映像化作品を先に見てからの本書。 私がまだ可愛い可愛い少女だった頃、正義の職業の人達に憧れた時にふと考えた事だ。 消防士さんは悪い人の家が燃えても火の中に入って助けるのだろうか。警察官は悪い人が襲われていても身を呈して助けるのだろうか。弁護士さんは悪い人の事も全力で護ってあげるのだろうか。 少女の好奇心はこの作品にてSPと性犯罪者に姿を変えアラサーの私の元に帰ってきた。 映像作品ではみんな大好き藤原竜也さんの影響もあり、最後のセリフのおぞましさに慄いた。 ただこちらの作品を読み、面白そうなものを面白くしたのがあの映画だったんだな、と感じた。 コンパクトとは言えないボリュームだが、想像された面白いのアイデア達を箇条書きで羅列した物を仮縫いで繋げてみた様な文。オチの弱さ含めどこか冷ややかな印象を受けた。 映画のあの最後の一言が無かった変わりに 「どうせ殺されるなら死刑になるくらいの事をしないと割に合わない」のセリフが恐ろしかった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
実写版の予告をみてから。 一度読み始めると、ジェットコースターのように最後まで運んでいく作品だと思いました。 あまりにも流れが早いため、一人一人を詳しく知らないまま、退場してしまう人もいました。 ヒューマンドラマテイストというよりは、短編映画を観るような感覚で読み。 ライトなエンタメと捉えたほうが、より面白く感じたのかもしれません。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前代未聞の展開!警視庁SPの銘苅が少女2人を惨殺した犯人清丸を福岡から東京警視庁へと護送する。清丸を殺害したら10億円のプレゼント!を全国広告で周知。10億円欲しさに警察を含め清丸を狙ってくる。新幹線、車、タクシーではジェットコースター感満載で一気読みしました。同行する警察関係者も清丸を狙う中、信じられるのが自分しかいない状況。木内さん2冊目ですが、このスピード感はたまらない。久しぶりに手に汗を握りました。絶体絶命の中で助けてくれたタクシー運転手の千賀子の最期には、なんとも・・遺憾の意を表します。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とりあえず、生死は微妙として、目的は達成できた最後。銘苅さんの苦悩、葛藤は読んでいてこちらも胸が痛くなった。理不尽に死んでいく人達。一番悪いのは清丸だけど、十億と言い出した蜷川にも相当な罪がある。身内に何かあった時の心情としては理解できてしまうけれど・・・。読んでいて楽しい内容ではないけれど、一気読みでした。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
あとがきまで読んで初めて著者が「ビーバップハイスクール」の作者だったことを知る。主人公も含め登場人物の背景描写が薄いので人物の輪郭がはっきりせず、事実だけが淡々と描写され話が進んでいく印象。
Posted by
映画化に惹かれて読んでみました。設定が上手く、ドキドキしながら次から次へとページをめくり一気に読んでしまいました。後半は主人公と一緒に、どの命も同じ重さか?とかうっかり考えてしまったほどです。読みやすく、上手くスピードに乗せられて読んでいたためか、一気にラストまでいってしまい、ち...
映画化に惹かれて読んでみました。設定が上手く、ドキドキしながら次から次へとページをめくり一気に読んでしまいました。後半は主人公と一緒に、どの命も同じ重さか?とかうっかり考えてしまったほどです。読みやすく、上手くスピードに乗せられて読んでいたためか、一気にラストまでいってしまい、ちょっと拍子抜けしてしまった感はありました。映画で見た方が楽しめるのかもしれないな、と思っていたら少々映像では設定が違うようですね。機会があったら見てみたいと思います。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2019/2/22 ようこんなん考え付いたな。徹底してるわ。 それにしても救いがなさすぎるよ。 タクシーのお姉ちゃんはいいやん。 ビンビンにフラグ立ってたけども。 あと白岩がかわいそうでかわいそうで。 気のいい若者をこんな状況に追い込んではいけないよ。 この人の本は全部「この後どうやって生きていくのよ」って呆然とさせられるね。 矢能さんだけは安心。 大事なものがあるからかな。 最初にこの本読んでたらこの人の本はもう読まなかったかもしれない。
Posted by
映画の方がよかった。^^ キャラクターに対する細かい演出やセリフの追加、原作から上手く掘り下げられている。
Posted by
後書きを読んで驚いたのは昔見たことのある漫画の作者がこの本を書いたこと。 漫画は「見た」ことがある程度。いや、どちらかと言うと好きではなかったから購入 した雑誌でも読み飛ばしていた。 だから先にこの事実を知っていたら買わなかっただろう。 後書きを後に読んで良かった。
Posted by