謝々!チャイニーズ の商品レビュー
単行本は1996年発行。ベトナム国境から上海までの旅行記である。改革開放に沸く中国を、長距離バスを乗り継いで北上する。16年前の中国なので状況に変化は感じる。日本の経済力が年々疲弊している昨今、日本へ違法な方法で入国することなど無くなっているのではないだろうか。それほど、今の中...
単行本は1996年発行。ベトナム国境から上海までの旅行記である。改革開放に沸く中国を、長距離バスを乗り継いで北上する。16年前の中国なので状況に変化は感じる。日本の経済力が年々疲弊している昨今、日本へ違法な方法で入国することなど無くなっているのではないだろうか。それほど、今の中国の成長は目覚しいのだ。今年、香港旅行で見たブランド店前の行列は、中国本土の人たちだった。過去の日本人の勢いはない。貧困差が拡大し、心の貧しさが広がると、この本に書かれている中国人の人情も希薄になってしまう。悲しいことだが日本を見るとうなずくしかない。
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解説に「米原万里さんの書評を読んで、手にとった方も多いのでは?」とあるように、そのまんま私です。 20年も前の旅行記なのに、陳腐化していないどころか、引き込まれて一気に読んでしまった。 改革解放後、中国には見なければ ならない夢が沢山あると表現されている… どの街にも一癖あるけど...
解説に「米原万里さんの書評を読んで、手にとった方も多いのでは?」とあるように、そのまんま私です。 20年も前の旅行記なのに、陳腐化していないどころか、引き込まれて一気に読んでしまった。 改革解放後、中国には見なければ ならない夢が沢山あると表現されている… どの街にも一癖あるけど人懐っこい愛すべき中国人が登場していて楽しい。 そして、著者が今の自分と同じくらいの歳に旅した記録ということもあり、目が離せなかった。
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旅は好きだし旅本もよく読むが、現地の人から見れば幻想と思い入れの入り混じった感傷に過ぎまい。人生が変わるとまで思った藤原信也『印度放浪』もインド人が読めば笑止であろう。でもそれで良い。旅は検証ではない。通り過ぎる者だけが持ち得る思いもある。「私は中国に恋していた~」で始まる本作は...
旅は好きだし旅本もよく読むが、現地の人から見れば幻想と思い入れの入り混じった感傷に過ぎまい。人生が変わるとまで思った藤原信也『印度放浪』もインド人が読めば笑止であろう。でもそれで良い。旅は検証ではない。通り過ぎる者だけが持ち得る思いもある。「私は中国に恋していた~」で始まる本作は韓国に恋していた当時を思い出させてくれる。見知らぬ国に恋するには若千の無知・無謀と充分な気力が必要である。だから、瑞々しい旅の記を読む度に~旅に疲れた自分に悔悟の念を抱きつつ~惹かれるのだと思う。もう一度、遠く旅立つ勇気がほしい。
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2011.11.6読了。 「転がる香港〜」に比べると、若いからかストレートで感情的。でもそれが全然いやな感じがしない。
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米原万里の『打ちのめされるようなすごい本』を通じて邂逅。わたしは普段から紀行文、旅行記のたぐいをよく読む。金と時間のかかる旅(とくに社会人になって以降は、後者がネック)を、確かな観察眼と柔軟な思考力を持つ文筆家に代行してもらえるからだ。本当は自分で旅に出かけたいけど。 しかし中...
米原万里の『打ちのめされるようなすごい本』を通じて邂逅。わたしは普段から紀行文、旅行記のたぐいをよく読む。金と時間のかかる旅(とくに社会人になって以降は、後者がネック)を、確かな観察眼と柔軟な思考力を持つ文筆家に代行してもらえるからだ。本当は自分で旅に出かけたいけど。 しかし中国の旅行記はこれが初めて。旅先で出会う、好奇心が旺盛で抜け目のなくて、商売上手な(つまり、人格的に脂ぎった)市井の中国人たちがこちらにぐいぐい迫ってきて、ちょっと気疲れする読書だった。でも読後は清々しく、生きる勇気がわいてくる。「生きるために食べる、寝る、商売をする。当たり前だろ?」と中国人たちにまくしたてらているみたいだ。「生きるってなんだろう」「働くってなんだろう」とおよそ生産性のない生半可な自問自答で「哲学」している気になっている2010年代末期の日本に暮らすわたしは、背筋を伸ばして立ち上がり、襟を正さざるを得ない。 内容に先立ってまず、処女作にして、筆者のこの細部のリアリティの再現力がすごい。かといって写実主義の一本調子ではなく、中国人たちとの交流を通じて筆者が感じたこと、その内面も豊かに、衒いのない筆致で描き出されていて、その文章力に目を見張る。 27歳の筆者が旅をするのは、90年代前半の華南。ベトナムの国境から北は上海まで、海岸沿いに北上していく(といっても旅は2回に分かれて行われたようだが)。 各々の街で筆者が直面するのは、鄧小平の「改革開放政策」の下に、瀑布のごとく資本主義が流入し、人心は猛々しくなり、ゴミによって街や山河は荒廃していく大国の姿。筆者が訪れるのは、「『地球の歩き方』にも載っていない」という無名のちいさな街や島だが、そこにも変化の余波は平等に襲ってくる。象徴的なのは、島の経済格差が広がり、年長者への敬意よりも、経済力で人間関係を決定づけられていく中で、力なく笑う老李(らおりー)だ。50を過ぎたこの貧しい元漁師は、若年の成功者からの侮辱に耐えながら、夜中にひとり懐中電灯を持って海岸に出かけ、真っ黒な海に潜る。筆者は、「いま、中国全土にどれだけの老李がいるだろう」と、いまこの大陸を襲う激動と、それに乗り遅れたものたちに思いを馳せる。 「国とは人である。わたしは人を見続けていこう」。文庫版あとがきを筆者はこう締めくくる。ひるがえって現代、日中摩擦が激化する中で、かの大陸でほんとうのところ何が起こっているのか、私たちは恐ろしいほど無知だ。新聞を読んでもテレビを見ても、そこには「人」がいない。いるのは巨大化したクラゲみたいにぶよぶよと抽象化された、顔のない怪物だ。 星野博美のような知性と度胸と語学力を兼ね備えた旅行家/文筆家はとても得難い存在だ。続編を強く強く、期待する。
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中国を知りたいなら実際に行って人と触れ合うことだ。 それをシンプルに教えてくれる本だと思う。著者の感性と行動力が凄い。本当に面白い中国ルポです。
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「転がる香港に苔は生えない」の著者のデビュー作。 こちらは中国大陸部の旅行記になるのだが、 「転がる香港に苔は生えない」を先に読んでしまっていたので 若干物足りなかった。 中国好きの人にとっては、やはり血が騒ぐ一冊だといえると思う。
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女性版「深夜特急」という感じ。 中国の海側を北上していく旅のエッセイ。 現地の人の懐に深く入り込めるのは凄いと思いました。
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長距離バスに乗って旅した華南地方で出会った人々。大宅壮一ノンフィクション 賞受賞『転がる台湾に苔は生えない』の著者の鮮烈なデビュー作。
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