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対岸の彼女 の商品レビュー

3.8

974件のお客様レビュー

  1. 5つ

    197

  2. 4つ

    357

  3. 3つ

    292

  4. 2つ

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  5. 1つ

    4

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2024/05/18

読めて良かった! 大切なものを自分から選び取れる行動力が備わったのが大人!確かに! 現実を生きる主婦と、現実逃避に生きる独身女社長がすれ違う海辺のシーンは、そのすれ違いがいつか自分の身にも起きそうだなって思うくらいリアルだった。 常に現実は辛いこととか思い通りにいかないこと...

読めて良かった! 大切なものを自分から選び取れる行動力が備わったのが大人!確かに! 現実を生きる主婦と、現実逃避に生きる独身女社長がすれ違う海辺のシーンは、そのすれ違いがいつか自分の身にも起きそうだなって思うくらいリアルだった。 常に現実は辛いこととか思い通りにいかないことがある。それはそう。ただ、大切にしたいものは見落とさずに生きれたらいいなって少しだけ前向きになれる一冊でした!

Posted byブクログ

2024/05/18

青って200種類以上あるらしい。それなら、隣の芝生が青く見える時も、実は今いる芝生も見方を変えると案外青く見えるのかも。 幸せになりたいなら、まずは自分の好きな青色を見つけないとだね〜 ✏「私はさ、まわりに子どもがいないから、成長過程に及ぼす影響とかそういうのはわかんない、けど...

青って200種類以上あるらしい。それなら、隣の芝生が青く見える時も、実は今いる芝生も見方を変えると案外青く見えるのかも。 幸せになりたいなら、まずは自分の好きな青色を見つけないとだね〜 ✏「私はさ、まわりに子どもがいないから、成長過程に及ぼす影響とかそういうのはわかんない、けどさ、ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよね」 ✏いつも笑っていて、おばさんのように人なつこく、肯定的なことを言い、嫌いより好きだという表現を用い、みんなに無視されたってこわくないと宣言し、校外でしか話しかけてこない葵を許し、三つ先の駅で待ち合わせようと葵を気遣い、毎日毎日言葉を交わし続けてきたナナコ。けれど本当のナナコの姿はそのどれでもなくて、今自分が感じたような深い深い空洞こそが彼女なのではないか──葵はぼんやりとそんなことを考えていた。

Posted byブクログ

2024/05/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

‣ 私たちの世代って、ひとりぼっち恐怖症だと思わない? ‣ お友達がいないと世界が終わるって、って感じない? 友達が多い子は明るい子、友達のいない子は暗い子、暗い子はいけない子。そんなふうに、だれかに思いこまされてんだよね ‣ ねえ、川が空みたいだと思わない? 足元に空が流れている感じがして、ここでずっと川を見下ろしていると、空に立っているみたいな、自分がどこにいるのかわからなくなるような感じ、してくるでしょ ‣ なんのために私たちは大人になるの? 大人になれば自分で何かを選べるようになるの? 大切だと思う人を失うことなく、いきたいと思う方向に、まっすぐ踏み出せるの? ‣ 人間なんだから同じはずとか、そういうのは嘘っぱちで、みんな違う。みんな違うってことに気づかないと、出会えない ‣ アニュアルがあるとさ、人って考えることを放棄すんの。考えないと何も見えない、何も心に残らない ‣ ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事な気が、今になってするんだよんね ‣ 私ができないのならできる人に頼めばいい。彼らのできないことで私にできることだってあるはずなのだから ‣ 自分がやりたかったのはこういうことだった。立ち止まる前にできることを捜し、へとへとになるまで働き続け、その日の終わりに疲れたねと笑顔でだれかと言い合うこと ‣ なぜ私たちは年齢を重ねるのか。生活に逃げこんでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ ✼••┈┈┈┈••✼••┈┈┈┈••✼ 自分にとって本当に大切なものが何か、わかっている人は強い。 その人のいる場所は、手は届かない対岸のようなところかもしれないけれど、 姿はちゃんと見えるから、たどり着けないこともない。 憧れ、共感、同調、嫉妬、別れ。 複雑な思いに絡まれながら、〝彼女たち〟は出会いと別れを繰り返しながら、 自分の人生を選んでいく。 儚く脆い、しかしながら現実味のある世界観にどんどん惹き込まれていきました。 〝みんな違う〟ということを受け入れることができれば、 世界はもう少しだけ生きやすくなるのかもしれません☺️

Posted byブクログ

2024/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

本屋さんで何度か山積みにされていて最近の本かと思ったら2007年、自分が女子高生の時に書かれたものだった。 でも内容は今の自分にドンピシャ。30過ぎて女性特有の悩みを各々が持ち、20代の時と人間関係が随分変わってきた。 態度が変わってしまったなと感じる時もあれば、自分も変わったなと感じる時もある。 子どもを産んで育てて、その中で文句や妬みを言われる事もあった。次第に疎遠になる子もいた。でも、何も変わらずそばに居てくれる子もいる。 人間無い物ねだり。なんで女性は歳を重ねると見えない壁が出てくるんだろう。 でも、この本を通して歳を重ねる意味を改めて考えさせられたと思う。 『なぜ私たちは年齢を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。選んだ場所に自分の足で歩いていくためだ。』321ページ 今ある関係ももちろん大事にしつつ、新しい出会いにも期待して人生歩んでいきたい。まだ、30代。

Posted byブクログ

2024/05/11

自分の心情ばかり慮って感情的に決断を下すわりに、まともとは言えない旦那に強く出られない主人公にモヤモヤした。 なんでもできる気にさせてくれる人は、境遇の違いで相互理解が難しい部分があっても、貴重な存在と思う。けれど現実はね。そんな葛藤がとてもリアルだった。

Posted byブクログ

2024/05/11

女としてこれまで生きてきたなかで、やっぱり共感というかちくりと胸を刺されるような痛みを感じるものがあった。多分、多くの読者が自分と小夜子、もしくは葵と姿を重ねたんじゃないかなと思う。何が正しい生き方なのかなんて、永遠に分からない気がするけれど、前に進むことはいつだってできる。角田...

女としてこれまで生きてきたなかで、やっぱり共感というかちくりと胸を刺されるような痛みを感じるものがあった。多分、多くの読者が自分と小夜子、もしくは葵と姿を重ねたんじゃないかなと思う。何が正しい生き方なのかなんて、永遠に分からない気がするけれど、前に進むことはいつだってできる。角田光代さんの作品はどれも、自分の人生と重ね合わせて色々考えさせてくれるから、また数年後もう一度読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2024/05/05

友人や仲間という関係を長くつづけることって難しい あんなにたくさん遊んで近況すべてを話してたのに、結婚して、子供ができて、引越して‥ 会わなくても平気なもんだと気づくことが会えないことよりかなしいものだと、読みながらそんなことを思い出してた 小夜子はあまり近づきたくないタイプの...

友人や仲間という関係を長くつづけることって難しい あんなにたくさん遊んで近況すべてを話してたのに、結婚して、子供ができて、引越して‥ 会わなくても平気なもんだと気づくことが会えないことよりかなしいものだと、読みながらそんなことを思い出してた 小夜子はあまり近づきたくないタイプの女性だけど、自分に幼いこどもがいて、あんな旦那と義母がいたら、小夜子とかわらない感情や言動をとってそうな自分が想像できてしまった(怖い) 近しくなると、見えているとこだけで相手をわかったような気持ちになったりすることってある でも自分以外の人の思いや歴史などわかるはずなんてないのだから、こんなふうにちょっとしたすれ違いや自分の憶測で大切な人を失わないようにしたい

Posted byブクログ

2024/05/05

自分の高校時代や、自分の子が保育園の頃を重ねながら読み進めた。 自分自身、普段仕事や近所の人との付き合いはそれなりにあるが、基本的には「誰かとからむことで傷つきたくない、1人がラク」と思っている。だが、「自分の救いになってくれるのは自分ではない誰か」とも思う。 勇気を出して踏み出...

自分の高校時代や、自分の子が保育園の頃を重ねながら読み進めた。 自分自身、普段仕事や近所の人との付き合いはそれなりにあるが、基本的には「誰かとからむことで傷つきたくない、1人がラク」と思っている。だが、「自分の救いになってくれるのは自分ではない誰か」とも思う。 勇気を出して踏み出そうと感じた。

Posted byブクログ

2024/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

専業主婦の小夜子が小さな会社で掃除業を始めるお話。社長の葵との出逢いでなんでもできるような気になっていくけど、、 隣の芝は青く見えるから、妬んで羨んであれこれ悪口を言いたくなる女のサガ。そんなわたしの心の中にもある他人への穿った目線が描かれてると思った。 河原で高校生の葵が「いいなあ、ナナコは。きっとナナコってさあ、すっごいしあわせに生きてきた人でしょ。」って言っているシーンが印象的。人は見かけじゃ分からないし、どんな思いでどんな苦労をしているかも分からない。それに対するナナコが否定もせず、葵がいじめられたら守ってあげると言い「そんなとこにあたしの大切なものはないし」と話すの、ナナコの境遇を思うと胸が苦しくなる。高校生の多感な時期をこんな風に考えることができたらもっと生きやすかったのかな。今も。 最後に小夜子が葵の元を訪れ後味の悪さを話すところ、こんな風に嫌な別れ方を清算して人と向き合っていける人でありたいと思った。 どこへでもいけるきがするけど、どこにもいけない。どこへいこうとしてたんだろう?子どものころはもちろん、大人になった今もこんな自問自答を繰り返してる自分がいてナナコにも葵にも小夜子にも重なって共感した。 平たい感想になるが、すっごく良かった。また読み返したい。

Posted byブクログ

2024/04/29

青年期と大人の葵に対する印象が違い過ぎて、最初は、??だったけど、小夜子と話す時はナナコを演じていたのか〜!そうか〜!ってなった。 印象的なセリフが多かった。 『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会う』 友達と...

青年期と大人の葵に対する印象が違い過ぎて、最初は、??だったけど、小夜子と話す時はナナコを演じていたのか〜!そうか〜!ってなった。 印象的なセリフが多かった。 『ひとりでいるのがこわくなるようなたくさんの友達よりも、ひとりでいてもこわくないと思わせてくれる何かと出会う』 友達と群れてると1人が異常に怖くなるよね〜とくに学生なんて、、 『こんなところにあたしの大切なものはない』 そう言い切るナナコ。自分の大切なものってなんだろう、ナナコは何を大切にしててそれはどこにあるんだろう、って考えてしまった。学校にもなくて家にもないものって何?? ナナコが帰りたくないって泣くシーンとか、初めてお金を脅し取ったシーン。情景についてよく書かれていて、思い浮かべやすかった。自分も切ない気持ちになったり自己嫌悪で胸が苦しくなった。葵がお金を騙し取られるシーンも。嫌なことがあった時頭の中でぐるぐる考え込んでしまう感じが文書に現れててすごい。 察しが悪すぎて、プラチナの指輪と社名がかかってるのに気づかなかった^_^ワラワラ 結局、なんでナナコ達は連絡を取らなくなったんだろう。友達、まだ出来ないの?って聞かれることが怖かったから?お互いに。

Posted byブクログ