トルストイの民話 の商品レビュー
小学生時代の『私』を形作った大切な物語たち。 全17編が収められているが、岩波文庫には無い作品も入っているのは貴重。「人はなにで生きるか」「人間にはどれだけの土地が必要か」「イワンのばか」など、暗記するほど繰り返し読んだ。ロシア文学やロシア文化、そしてロシア史への興味が掻き立てら...
小学生時代の『私』を形作った大切な物語たち。 全17編が収められているが、岩波文庫には無い作品も入っているのは貴重。「人はなにで生きるか」「人間にはどれだけの土地が必要か」「イワンのばか」など、暗記するほど繰り返し読んだ。ロシア文学やロシア文化、そしてロシア史への興味が掻き立てられた。 ロシアに古くから伝わる伝承などを下敷きに、"キリスト教的な人間哲学"を平易に語り伝える極上の文学作品だと思う。ほとんど哲学書と言って良いレベルの作品もある。だが、人間が人間らしく生きるとはどういうことなのかを克明に教えてくれる。そこではキリスト者であろうと非キリスト者であろうと関係ない。ぜひ多くの人に読んで欲しい。"民話"という平易な児童向け文学の形をした究極の一品なのだから。
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民話というと児童書の棚に並んでしまうのはなぜなのか、もったいないことだと思います。本書も「古典童話シリーズ」と銘打たれてはいますが、子どもにはピンとこないでしょう。大人にすら難解で、特にキリスト教国でない国の人には理解しがたい話もあります。 本書は、岩波文庫のトルストイ民話集には...
民話というと児童書の棚に並んでしまうのはなぜなのか、もったいないことだと思います。本書も「古典童話シリーズ」と銘打たれてはいますが、子どもにはピンとこないでしょう。大人にすら難解で、特にキリスト教国でない国の人には理解しがたい話もあります。 本書は、岩波文庫のトルストイ民話集には所載されていない数編が日本語で読める貴重な一冊です。なかでも「イリヤス」は感動的です。また、翻訳も岩波文庫(1932年初版)に比べると新しいです(1989年初版)。
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トルストイ(1828~1910年)の作品、ブクログ登録は3冊目。 本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 『戦争と平和』を書いたロシアの文豪トルストイによる珠玉の短編集。神は愛である??と喝破したトルストイならではの思想が、民話の装いを借りて、美しく力強く語られます。 ...
トルストイ(1828~1910年)の作品、ブクログ登録は3冊目。 本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 『戦争と平和』を書いたロシアの文豪トルストイによる珠玉の短編集。神は愛である??と喝破したトルストイならではの思想が、民話の装いを借りて、美しく力強く語られます。 ---引用終了 トルストイが書いた長編作品を大雑把に見ると、 ・36~49歳位の時に、 『戦争と平和』、『アンナ・カレーニア』 ・70歳位の時に、 『復活』 50歳以降は、キリスト教的な生活に重きをおき、その辺の作品を多く書かれている感じです。 今回手にとった、『トルストイの民話』が書かれた時のトルストイの年齢は、57歳位になります。 この作品集には、『イワンのばか』が収録されていますが、その『イワンのバカ』の原題は、『イワンのばかとその二人の兄、軍人のセミョーンとたいこ腹のタラスと、口のきけない妹マラーニャと大悪魔と三匹の小悪魔の話』という、長ったらしいものだったのですね。
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人間関係や人生に疲れたときに、心を洗われる思いがした。感謝の気持ちと、人の役に立つ生き方が自分を豊かにすることを思い出させてくれた。
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福音館書店/1989・6・30 作:トルストイ 画:ディオードロフ 訳:藤沼 貴 ・人はなにで生きるか ・ふたりの兄弟と金貨 ・イリヤス ・愛のあるところに、神もある ・火をほうっておくと、消せなくなる ・悪魔のしわざはみごとでも、神のしわざはゆるがない ・女の子のほうがおとな...
福音館書店/1989・6・30 作:トルストイ 画:ディオードロフ 訳:藤沼 貴 ・人はなにで生きるか ・ふたりの兄弟と金貨 ・イリヤス ・愛のあるところに、神もある ・火をほうっておくと、消せなくなる ・悪魔のしわざはみごとでも、神のしわざはゆるがない ・女の子のほうがおとなよりかしこい ・にわとりの卵ほどの麦粒 ・人間にはどれだけの土地がひつようか ・悔い改める罪人 ・ふたりの老人 ・三人の隠者 ・小さなろうそく ・イワンのばかとそのふたりの兄、軍人のセミョーンとたいこ腹のタラスと 口のきけない妹マラーニアと、大悪魔と三びきのちび悪魔の話 ・ちんぴら悪魔がパンの橋のつぐないをした話 ・父の教え ・作男エメリヤンとからっぽのたいこ
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■大人の鑑賞に堪える「童話」のフォーマット, 「やっぱほんとはこうじゃなくちゃね」という願い■ 一般的に「童話」とされているものは本質的には民話だ。子供に語ってやるものだから「童話」なのかもしれないが、大人だって「語る」という形で参加するものなのだ。小説との違いは何かといえば...
■大人の鑑賞に堪える「童話」のフォーマット, 「やっぱほんとはこうじゃなくちゃね」という願い■ 一般的に「童話」とされているものは本質的には民話だ。子供に語ってやるものだから「童話」なのかもしれないが、大人だって「語る」という形で参加するものなのだ。小説との違いは何かといえば(仕事として書いているとかは抜きにしても)修辞がほとんどないことだ。これがいい。実に爽快だ。子供たちだけに独占させておくのは勿体ない。 そう思って探してた時に見つけたのが本書。というか当シリーズ。大人の鑑賞に堪えます。福音館さんありがとう。 本当にこんなことがあったらいいな、本当はこうなんなきゃ、という想いがこれだけの物語をつくらせたのだろうか。そう、ホントはみんなそう思ってるんだよ。途切れる事なく受け継いできたのはこういう話なんだ。 人間の営みを、もう一度信頼するためのトリガー。 ■目次 ()内はメモ 1.人は何で生きるか(靴屋の話) 2.ふたりの兄弟と金貨 3.イリヤス(イスラム教徒が普通に出てくるのが面白い) 4.愛のあるところに、神もある 5.火をほうっておくと、消せなくなる(隣同士で喧嘩する話) 6.悪魔のしわざはみごとでも、神のしわざはゆるがない 7.女の子のほうがおとなよりかしこい 8.にわとりの卵ほどの麦粒 9.人間にはどれだけの土地が必要か(一日で歩いて帰ってきた内側が手に入る話。これもイスラム教徒が普通に出てくる。どちらにしても牧畜の文化らしく、財産は牧畜の頭数で表現されるのが面白かった。) 10.悔い改める罪人(天国の門番に「赦して下さいよ」とかけあう話) 11.ふたりの老人(二人の老人がエルサレムに旅する話) 12.三人の隠者 14.小さなろうそく 15.イワンのばかとそのふたりの兄、軍人のセミョーンと、たいこ腹のタラスと、口のきけない妹マラーニアと、大悪魔と三びきのちび悪魔の話 16.ちんぴら悪魔がパンの端のつぐないをした話 17.父の教え 18.作男エメリヤンとからっぽのたいこ
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進むべき方角に霧がかかっていて視界が悪くなった時などにね必ず読んでしまいます。 この本は字も大きいしね(笑)いいんですよ。お風呂場でなんて読んでますと、トルストイありがとな。オラ人生に感謝しながら頑張って身体洗うわ!!という気持ちになります。 多少なりともキリスト教の知識があれば...
進むべき方角に霧がかかっていて視界が悪くなった時などにね必ず読んでしまいます。 この本は字も大きいしね(笑)いいんですよ。お風呂場でなんて読んでますと、トルストイありがとな。オラ人生に感謝しながら頑張って身体洗うわ!!という気持ちになります。 多少なりともキリスト教の知識があれば、割と楽しめる筈です。
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