はるかな国の兄弟 の商品レビュー
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「うん、そのときは、連中のつかまえたのはレヨンイェッタで、けちなごみくずじゃなかったろうよ。」 漫画家・鬼頭莫宏が影響を受けた本とのことで読んだ。 病弱で脚の悪い弟を火事から救うため、背負って窓から飛び降り死んだ兄。 死後の世界で兄と合流した弟は、冒険の果てで動けなくなった兄を背負い崖から飛び降りる。 始めと終わりで同じ構図を取ることで、自身の精神的弱さに引け目を感じていた弟が勇敢な兄と同じ行動ができるまで成長したことを表現しているが、この衝撃のラストには賛否両論なよう。 冒険の構成がうまかった。 決してぼくの思惑通りには運ばず、裏切りの目撃は見つかるし、伝書鳩は射落とされるし、けれどピンチは機転(と奇跡)によりチャンスに繋がって、伏線の無駄なく物語が進んでいった。 昔の小説、しかも訳文はやはり現代っ子には読みにくかった。差別用語もそのまま。 けど綺麗な表現・言い回しもあって、一番は兄ヨナタンの高潔さを表すこのセリフ。 「あれがほんとうによかったかどうか、ぼくにはわからない。だけど、人にはやらなければならないことがあって、それをしなければ、もう人間じゃなくて、けちなごみくずでしかなくなる」 ちなみに内容の要約はこのレビューが簡潔 https://blogs.yahoo.co.jp/alto0313k/56568790.html
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死に対するイメージが根本的に違うのだろう、と感じた。特に自死に対するそれが。尊厳死というワードが浮かんでくるような物語である。 1度読んだだけでは消化できない。
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すごい話だったよ。これは…。 めでたしめでたしと言うには、重石でも飲み込んだかのように胃の辺りがずーんと重くなる。 美しく優しい、誰からも好かれる兄ヨナタン。 臆病だけれど兄の為なら想像もつかない勇気をみせる弟カール。 ふたりの兄弟の絆の深さが凄まじいなと思った。ここまで支え合える、愛し合っている兄弟の物語を他に知らないかもしれない。 あと、あまり関係ないかもしれないけれど、カバーイラストでふたりが並んで石橋の上に座っている姿に、『ロミオの青い空』のアルフレドとロミオを思いだした。 形は少し違うかもしれないけれど、常にお互いの事を思いやり、信頼しあう。魂の結びつきのある関係。という点でも少し似たものを感じたのかも。 やさしくて、かなしいお話だった。
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