はてしない物語(上) の商品レビュー
アトレーユは勇敢で大好きで応援したいのですが、どうしてもバスチアンがヘタレすぎて好きになれませんでした…。
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本作の冒頭で、主人公の少年・バスチアンが「はてしない物語」をじっと見つめたときの彼のつぶやきは、本が好きな人なら誰でも一度は感じたことがあると思う。こんなに夢中になれる世界が、両手に収まるサイズに綴じられた「本」のなかに広がっているなんてすごいことだ。 物語の舞台となるファンタ...
本作の冒頭で、主人公の少年・バスチアンが「はてしない物語」をじっと見つめたときの彼のつぶやきは、本が好きな人なら誰でも一度は感じたことがあると思う。こんなに夢中になれる世界が、両手に収まるサイズに綴じられた「本」のなかに広がっているなんてすごいことだ。 物語の舞台となるファンタジーエン国を救うために選ばれた少年・アトレーユが、国をおかす「虚無」の原因をつきとめるべく、勇気と誠実な心をもって冒険をする。不思議であふれるファンタジーエンの景色や生き物が生き生きと、正体不明の虚無がじわりと迫る恐怖とともに描かれ、それを読み手であるバスチアンを通して私たちも物語の世界を体験する。 物語の世界と読み手の世界が交互に語られ、導かれるようにして世界が重なっていく上巻ラストの描写がどきどきぞわぞわする。一刻も早く下巻が読みたい。
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「はてしない物語(上)」ミヒャエル・エンデ著・上田真而子・佐藤真理子訳、岩波少年文庫、2000.06.16 329p ¥836 C8397 (2024.11.22読了)(2024.11.08借入)(2020.11.05/22刷) 「モモ」は読んだことがあるけれど、「はてしない物語...
「はてしない物語(上)」ミヒャエル・エンデ著・上田真而子・佐藤真理子訳、岩波少年文庫、2000.06.16 329p ¥836 C8397 (2024.11.22読了)(2024.11.08借入)(2020.11.05/22刷) 「モモ」は読んだことがあるけれど、「はてしない物語」は読んでいなかったので、岩波少年文庫で読み始めました。 ファンタージェン国の物語です。ファンタージェン国は、虚無に浸食されて危機に陥っています。この国を治めている幼ごころの君も病で臥せっています。病の原因は、虚無のためのようです。 この国と女王の幼ごころの君を救えるものを探し出せるのは、アトレーユとのことです。アトレーユとは、『みなの息子』(75頁)という意味だそうです。アトレーユは探し出され、アウリンというメダルを授けられました。これを身に着けているものは、女王の代理を意味します。アトレーユの当てのない旅が続けられます。 救い主は、誰なのでしょうか? 下巻の楽しみです。 【目次】 (古本屋カール・コンラート・コレアンダー) Ⅰ ファンタージエン国の危機 Ⅱ アトレーユの使命 Ⅲ 太古の媼モーラ Ⅳ 群集者イグラムール Ⅴ 夫婦隠者 Ⅵ 三つの神秘の門 Ⅶ 静寂の声 Ⅷ 妖怪の国で Ⅸ 化け物の町 Ⅹ エルフェンバイン塔へ Ⅺ 女王幼ごころの君 Ⅻ さすらい山の古老 ●ファンタージェン国の地理の特殊性(269頁) ファンタージェンでは、陸や海、山や川が人間世界でのように固定した場所にあるのではない。だからたとえば、ファンタージェンの地図をつくることはまったく不可能なことだ。どの土地がどの土地に接しているかを確実にいうことはできないし、それどころか東西南北さえ、いる場所によって変化する。夏と冬、昼と夜は土地ごとに別の法則のもとに経巡っているので、焼けつくような砂漠から、隣接する北極の雪原にふみこむこともありうる。 ☆関連図書(既読) 「モモ」ミヒャエル・エンデ著・大島かおり訳、岩波書店、1976.09.24 「ミヒャエル・エンデ『モモ』」河合俊雄著、NHK出版、2020.08.01 (アマゾンより) バスチアンはあかがね色の本を読んでいた-ファンタージエン国は正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない。その子はあかがね色の本を読んでいる10歳の少年-ぼくのことだ! 叫んだとたんバスチアンは本の中にすいこまれ、この国の滅亡と再生を体験する。
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子供の時、姉が読んでいたけど分厚さにおじけ付き、結局憧れのまま終わっていた。大人になって初チャレンジ。後半怒涛の流れ! 文庫ではなく、あの本で読むべきだったかも。子供が読みたそうにしたら与えてあげたいなあ。
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下巻があるのはわかっていながらも、後半の終わりが見えて来た時に「あれ?もう物語終わりそうじゃない…?」と思ったら大間違い!!! なんと、一気にこの先どうなるのか!?という感じに急展開になってきたぞ!! まさに下巻が気になる「to be continued…」です!
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バスチアンは、本を盗んだ。その本「はてしない物語」が、自分を魅きつけて放そうとしなかったからだ。バスチアンは、学校の物置部屋に隠れ、本を読み始める。それは、ファンタージエン国の危機を救うために選ばれたアトレーユの冒険の話だった。バスチアンは、「はてしない物語」に没頭して胸を躍らせ...
バスチアンは、本を盗んだ。その本「はてしない物語」が、自分を魅きつけて放そうとしなかったからだ。バスチアンは、学校の物置部屋に隠れ、本を読み始める。それは、ファンタージエン国の危機を救うために選ばれたアトレーユの冒険の話だった。バスチアンは、「はてしない物語」に没頭して胸を躍らせながらも、物語とそれを読んでいる自分が、奇妙にシンクロし始めていることに気づいていく。 「はてしない物語」の場面と、物置部屋でその物語を読んでいるバスチアンの場面が入れ替わりながら描かれていく。近くの塔の時計が打つ音でバスチアンは「現実」に引き戻されるのだけれど、読み手もそこで同じように「現実」に引き戻されている感覚になる。 その「現実」の場面で物語を読むバスチアンの心の動きが語られるから、すごくいい。本が大好きなバスチアンが、どのように物語を楽しんでいるのか、その様子が手に取るようにわかるから。アトレーユと自分の共通点を見つけて嬉しくなっていたり、彼の窮地で叫んだり、馬の死に泣いたり……。物語の登場人物たちに心を寄せながら読んでいるバスチアンの様子が面白い。同時に、物語を読むバスチアンの姿を自分が読んでいるという入れ子構造の奇妙な感覚にも浸れる。 本を読んでいるバスチアンの叫び声を、本の中の世界のアトレーユたちが聞いたのではないかと思わされるあたりから、「現実」と「物語」で二分されていた世界が融合し始める不思議がぐっと増して、すごく引き込まれた。そこからは、バスチアンとファンタージエン国の関係性についての「予感」が「確信」に変わっていく楽しさを存分に味わうことができた。 すごい世界観だなー。
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「虚無」によって終末を迎えるファンタージェンの世界を救う方法を、少年アトレーユが探す物語。読者は読書好きな少年バスチアンと一緒に、アトレーユのその「はてしない物語」を、手に汗かきながら見守るのだ。 文庫版でも刊行は20年以上前で、今読むと訳が少し重いというか、児童文学にしては固い印象を受けるんだけど、それがまたファンタージェンの「特別さ」の味付けになっていて良いんだよね。 いやあ、好きだよフッフール!いつも陽気な、幸いの竜。アトレーユに恩義を感じ、途中で仲間になるフッフール。どうかこの物語の最後まで、無事でいて欲しい。
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恥ずかしながらこれをかの有名なネバー・エンディング・ストーリーとはつゆ知らず、あることをきっかけにミヒャエル・エンデの文章というものに興味をもったので手にとった本であったが、いまはこれを読まずにいたことに後悔し、読めたことを素晴らしく思う。しかしなんてところで終わるのだろう。早く...
恥ずかしながらこれをかの有名なネバー・エンディング・ストーリーとはつゆ知らず、あることをきっかけにミヒャエル・エンデの文章というものに興味をもったので手にとった本であったが、いまはこれを読まずにいたことに後悔し、読めたことを素晴らしく思う。しかしなんてところで終わるのだろう。早く続きを読みたい。
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大きなハードカバーで読んで以来約30年振りに読んだが、ほとんど覚えていなかった。上下巻という区切り方としては最高だと思う。引き続きここからが本番となる下巻がとても楽しみ。
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古典的ファンタジー作品 もちろん名前は知っていたし映画になったのも知っているけれど、ちゃんと読んだことはなかった。 読んでみて思ったのは文字通り実に古典的なファンタジーだなと言う感想(なんだそれ^^) と言うのも今ではいろんなところで出会う定番のモチーフが散りばめられていて、例えば、読者が本の中に入り込む展開や、知るものがいなくなると滅んでしまう(消えてしまう)存在や、行方も分からない冒険者を待ち受ける試練の数々など。 そう言ったモチーフがこの物語由来なのかどうか僕には知識がないけれど、そう言った意味で始まりの物語ではないかと思うのだ。 上巻はラストで見事なタイトル回収からいよいよバスチアンが本の世界に飛び込むところで終わっていて、下巻でどんな冒険がなされるのか期待が湧くね。 あと白い竜が出てきたところで、映画の予告編を思い出した^^
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