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自由の牢獄 の商品レビュー

4.4

26件のお客様レビュー

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2023/12/01

娘①に『おすすめの本を教えて』と頼んで提案してもらったのがコレ 彼女が生まれる前に、ちょっとハマってて読んでいたミヒャエル・エンデ……懐かしいなあと思いつつ読みましたが、代表作『モモ』や『はてしない物語』とは違うテイストのダークファンタジーだったので、結構読むのに難儀しました。 ...

娘①に『おすすめの本を教えて』と頼んで提案してもらったのがコレ 彼女が生まれる前に、ちょっとハマってて読んでいたミヒャエル・エンデ……懐かしいなあと思いつつ読みましたが、代表作『モモ』や『はてしない物語』とは違うテイストのダークファンタジーだったので、結構読むのに難儀しました。 でも、筆者独特のユーモアが散見し、さすがだなあと感心してしまったりもした。ふたつみつ、なんか読んだことある気がする……となったのは、読んだことを私の脳みそが忘れちゃっているからかもしれない。この年になると、二度目の初見が楽しめるようになるんだなと、新たな気づきを得ました。 面白かったです。

Posted byブクログ

2023/05/06

「はてしない物語」「モモ」などが有名なエンデ晩年の短編集になります。表題にもなっている「自由の牢獄」を含む8つの短編が収録されていました。結論から言うとどれも予想以上に面白く、しかも各短編の醸し出す雰囲気がそれぞれ違っていて、大変興味深く読みました。滑稽なもの、陰鬱なもの、哲学的...

「はてしない物語」「モモ」などが有名なエンデ晩年の短編集になります。表題にもなっている「自由の牢獄」を含む8つの短編が収録されていました。結論から言うとどれも予想以上に面白く、しかも各短編の醸し出す雰囲気がそれぞれ違っていて、大変興味深く読みました。滑稽なもの、陰鬱なもの、哲学的なもの(これは全編共通かもしれませんが)、感動的なものなどです。中身について書くのはあまり良くないかと思いますが、私が特に印象に残ったのは「遠い旅路の目的地」「ミスライムのカタコンベ」そして「自由の牢獄」です。「遠い旅路の目的地」は、まさに近代社会が進めてきた空間の征服であり、今風に言うならマルクス・ガブリエル流の存在論的なストーリーです。「ミスライムのカタコンベ」は映画にでもなりそうな内容で、エンデの意図がどうあれ固唾を飲んでストーリー展開を楽しめます。私はこの短編と「自由の牢獄」は共通したテーマを扱っていると感じました。西洋の近代社会は自由の拡大を至上命題に発展してきましたが、そのいきつくところは何か?制約のない自由とは何なのか?人間は本当にそれを欲しているのだろうか?という問いかけだと感じました。ストーリーだけでも楽しめますし、エンデが何を問いかけているのか、我々に何を気づいて欲しいと思っているのかも考えながら読むと、8編それぞれを満喫できると思います。おすすめです。

Posted byブクログ

2021/04/13

最初は己の欲のために動けなかった主人公が、最後はその欲を手放したために動けなくなる。結局、正解を選ぶのではなく、選んだことを正解にしていくことの方が早いということ。

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2021/03/21

”迷い込む”話が多かったように思う。 信じるとは何か、何のために生きるのか、問われ続けた短編集。しかし人生においては問いこそが牢獄なのかもしれない。 (うっかり脳内でアンパンマンマーチが流れ出しながら)

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2020/12/01

子どものころ夢中で読んだ「はてしない物語」。 あの時感じた引力は、大人になったわたしを変わらぬ強引さで物語の中へ引き摺り込んだ。迷宮へ。 ハッと気づいた時にはちょうど半分ぐらい。急に不安なり、逃げるように本を閉じた。それでも物語は離れてくれない。わたしの身体は一枚の透明なビニー...

子どものころ夢中で読んだ「はてしない物語」。 あの時感じた引力は、大人になったわたしを変わらぬ強引さで物語の中へ引き摺り込んだ。迷宮へ。 ハッと気づいた時にはちょうど半分ぐらい。急に不安なり、逃げるように本を閉じた。それでも物語は離れてくれない。わたしの身体は一枚の透明なビニールで覆われていて、世界はそこにあるのに隔たれてしまったような感じがした。読み始める前の高揚した気持ちはすっかりなくなっていて、急に足元が揺らいだ。 数日間心許なく過ごし少し落ち着いたころ、また本を開いた。心づもりができているからか戻ったという感覚だったのか、今度は不安は感じずに残りの物語を進められそして最後はわりとあっさりと外へ繋がる門にたどり着いた。幸いにも一つ。そしてわたしの旅は始まった。

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2020/05/03

■遠い旅路の目的地  蜃気楼をつかまえた人  狂気と空洞の郷愁 . ■ボロメオ・コルミの通廊  これは夫婦愛の形の物語?  暗示を沢山踏めそう . ■郊外の家  普通に怖いんですけど… . ■ちょっと小さいのはたしかですが  ヴンダーカンマーみたいな話 ■ミスライムのカタコンベ ...

■遠い旅路の目的地  蜃気楼をつかまえた人  狂気と空洞の郷愁 . ■ボロメオ・コルミの通廊  これは夫婦愛の形の物語?  暗示を沢山踏めそう . ■郊外の家  普通に怖いんですけど… . ■ちょっと小さいのはたしかですが  ヴンダーカンマーみたいな話 ■ミスライムのカタコンベ  色んな事象に当て嵌めて考えられ過ぎて…  打ちのめされる革命者 ■夢世界の旅人マックスムトの手記  集合意識  この短編集の雰囲気の手引き ■道しるべの伝説  生まれながらのこの世の異邦人は  幻想の気配を察知したら  身を捨てるほか無い  浮かぶ瀬があるかは本人だけが知る

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2018/11/13

どの短篇も、読了後に思わず唸ってしまう作品ばかりだった。 「自由の牢獄」という標題は、中に収められている短篇の一つでもある。 そして同時に、本書が描き出しているものを表す言葉でもある。 「自由」というものは尊く、大切にしなければならないものの一つであると信じている。 けれど世...

どの短篇も、読了後に思わず唸ってしまう作品ばかりだった。 「自由の牢獄」という標題は、中に収められている短篇の一つでもある。 そして同時に、本書が描き出しているものを表す言葉でもある。 「自由」というものは尊く、大切にしなければならないものの一つであると信じている。 けれど世の中には、その「自由」を枷として捉え、そこから逃げ出す術を探している人が、相当いる。 本書は、そういう人達に見えている「自由」の姿を、くっきりと浮かび上がらせている。 その姿を改めて目にすると、うーむ、と考えてしまう。

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2018/07/25

哲学とか寓話とか、そんな雰囲気をもつ短編集。時代も国も違うので、何を思いながら読んだらいいのかちょっとよく分からないところもあった。 神様をもたない私だけれど、神様への関心はけっこうある。その点で、表題作「自由の牢獄」は印象に残った。 『われら人の子は、盲目という御慈悲が与えら...

哲学とか寓話とか、そんな雰囲気をもつ短編集。時代も国も違うので、何を思いながら読んだらいいのかちょっとよく分からないところもあった。 神様をもたない私だけれど、神様への関心はけっこうある。その点で、表題作「自由の牢獄」は印象に残った。 『われら人の子は、盲目という御慈悲が与えられぬかぎりは、とどまることも去ることもできない。盲目とはわれらを導く御手。わしは自由意志という妄想を永久に放棄しよう。』

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2018/03/31

2018.03.31 読解力が落ちてしまい、ゆるゆると読み進め。自分の想像の領域が広がった気がする。絶望の主人公が登場する作品は最後に何かを見つけてる。「道しるべの伝説」の老いかさま師の言葉が、自分には新鮮で重かった。

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2016/12/08

短編集。(感想順不同) *『遠い旅路の目的地』『道しるべの伝説』 虚無と情熱が見出だせる。何かを熱望できる幸せ、それが得られない苦しみ。 *『ボロネオ・コルミの通廊』『郊外の家』『ちょっと小さいのはたしかですが』 操られる空間。 ううん夢がある。ドラえもんの秘密道具が思い浮か...

短編集。(感想順不同) *『遠い旅路の目的地』『道しるべの伝説』 虚無と情熱が見出だせる。何かを熱望できる幸せ、それが得られない苦しみ。 *『ボロネオ・コルミの通廊』『郊外の家』『ちょっと小さいのはたしかですが』 操られる空間。 ううん夢がある。ドラえもんの秘密道具が思い浮かぶ。 *『ミスライムのカタコンベ』『自由の牢獄』 自由に伴う“恐怖”が存分に表現されている。圧迫感、焦燥感が身に迫る。「自分で考え自分で決める」ということの難しさ、苦しさが伝わる。 *『夢世界の旅人マックス・ムトの手記』 ラストが清涼感ある。ごちゃごちゃ考える→ええい面倒だ→俺は好きなようにするぜ、という風に受け取った。

Posted byブクログ