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冠・婚・葬・祭 の商品レビュー

3.4

27件のお客様レビュー

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2011/09/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

読み終わって改めて辞書を引きましたが、 冠婚葬祭というのは元服・婚礼・葬式・祖先の祭礼のことなんですね。今風に言うと、成人式、結婚、葬式、お盆で良いのでしょうか。成人式とお盆が含まれるとは知らず驚きました。当たり前に使っている言葉ですがそんな意味があったんですね。 冠・婚・葬・祭のそれぞれ一遍ずつを収録。 それぞれ、祭礼に関わる人のその人生のワンシーンを切り取ったようなストーリー。物語といえるほどには起承転結を持たず、すべてはプロローグのような雰囲気。むかし、を思い出させるような記述もあり、もの珍しい感じもした。 ものたりない感じもしたがただ、読み終わった後に思わず口縁が綻ぶような味わい深く心温まるストーリーだったと思う。 冠──誤報を打ってしまった新聞記者と、その内容の大道芸人。語法のクレームに心折られる反面、その記事で勇気付けられたものも居るのだと気付く。 婚──お見合いおばさん。もう引退した彼女のところに気を同じくして二つの釣り書きが持ち込まれる。うまくいく、と長年の感に従って引き合わせたものも不穏な空気。しかし結局はうまくいくそうな様子なのだった。「お見合い」とはどんなものか垣間見れる。 葬──ある老人(社長?)の葬式に、老人ホームのおばあさんを連れて行かなくてはならなくなった若い青年社員。老人とおばあさんはかつて夫婦だったようで、統合失調症になったおばあさんは離婚させられたよう。しかしホームで楽しく過ごしていたおばあさんのあたたかいお葬式のはなし。 祭──母親を以前になくした姉妹が、家を売り払う前に最後のお盆をしようとする。地域特有のお盆行事を幼い頃の記憶を頼りに再現しようとするのだが。お線香を上げに、などと家を訪れた「死者」や子どもと川で遊んだものが「死者」であったことにお盆を終えてから気付くのだった。

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2011/05/11

<冠><婚><葬><祭>にまつわるそれぞれの短編集。 他はほどほどだったかなーと思ったけど、一番最後の<祭>「最後のお盆」が素晴らしかった。

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2011/04/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

冠婚葬祭がからむ短編集。 「この方と、この方」人の良いお見合いおばさんの苦悩。みんなワガママだ。 「葬式ドライブ」上品なおばあちゃまと青年が葬式に行くだけなんだけど、おばあちゃまは訳ありで昔いろいろあったようで、葬式自体が面白かった。 「最後のお盆」ちょっといい話ホラー。兄弟で集まって来年取り壊される実家で最後のお盆。せつなかった。

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2011/02/19

+++ 人生の節目節目で、起こった出来事、出会った人、考えたこと。 いろいろあるけど、ちゃんと生きよう。そんな気持ちになる4つの「今」を切り取る物語。 冠...地方新聞の新米記者が成人式を取材。そこから事件が始まる。 婚...引退したお見合いおばさんに持ち込まれた2枚の写真の行末...

+++ 人生の節目節目で、起こった出来事、出会った人、考えたこと。 いろいろあるけど、ちゃんと生きよう。そんな気持ちになる4つの「今」を切り取る物語。 冠...地方新聞の新米記者が成人式を取材。そこから事件が始まる。 婚...引退したお見合いおばさんに持ち込まれた2枚の写真の行末。 葬...社命で葬式に連れて行ったおばあちゃん。その人生とは。 祭...取り壊しを決めた田舎家で姉妹は最後のお盆をする。 +++ 「空に、ディアボロを高く」 「この方と、この方」 「葬式ドライブ」 「最後のお盆」 +++ 冠婚葬祭と聞けば、人生の節目とか、浮世の義理とかいう言葉が思い浮かんだりして、なにやら儀式ばった印象がなくもない。だが、本作の冠・婚・葬・祭の四つの物語は、極個人的なそれぞれの冠であり、婚であり、葬であり、祭であるので読者が我が身に引き寄せてその場の空気を感じることができるように思う。二十歳の物語の斜めから切り取った設定が好きだった。じんとしてしんとさせる一冊である

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2010/08/19

中島さんらしく地味につながりを持たせた短編集。 「この方と、この方」というお見合いおばさんの話が面白かった。 お見合いをしたら、付き合うか否かは即決。 釣り書でお互いの条件を渡した後に会うのだから当たり前のこと。 かつて結婚は家と家が決めたようなもので、 一生の決断だからこそ他...

中島さんらしく地味につながりを持たせた短編集。 「この方と、この方」というお見合いおばさんの話が面白かった。 お見合いをしたら、付き合うか否かは即決。 釣り書でお互いの条件を渡した後に会うのだから当たり前のこと。 かつて結婚は家と家が決めたようなもので、 一生の決断だからこそ他人が介在し「こんなもんか」と納得していた。が、決断が本人次第になった今、「決められない」で先延ばしにする人が多い…とお見合いおばさんは嘆く。 結婚した友人から「次はあなたの番ね」と上から言われるのが たまらなく嫌だから結婚したいという女の言い分。いるいる! 「空にディアボロを高く」で都会育ちの男が ”田舎の女につかまって、親戚が増え、そのうち自然だの山だの が好きになり、お盆に帰ってくるようなことになったら最悪“ と考えるところ。自然だの山だのがすっかり好きになっている都会育ちの私… これはイケナイことなのか?ざわざわ。

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2010/08/13

人には、みんなそれぞれいろんな歴史がある。 おばあさんになって、死んでいくときのことをイメージしてみたら楽しかったと花のように静かに幕を閉じたいなと思った。 冠婚葬祭は不思議なドラマ。

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2010/07/23

冠婚葬祭それぞれをテーマにした、4つの短編。味わいはあるんだけど、ちょっとパンチが弱いかも。4編の中では、婚が面白かった。

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2010/03/06

結末が曖昧な4つの短編。取り敢えず「冠婚葬祭」って結婚と葬式はわかっていたけど「冠」が元服で「祭」が祖先の祭礼だということは気付いていなかったので、それを知っただけでも良し。

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2009/10/15

世はすべてこともなし…とは、なかなか行かない。人生の節目節目で、起こった出来事、出会った人、考えたこと。いろいろあるけど、ちゃんと生きよう。そんな気持ちになる4つの物語。 「Book」データベースより 特に好きなのは、取り壊す予定の実家で昔からのやり方でお盆を過ごそうとする...

世はすべてこともなし…とは、なかなか行かない。人生の節目節目で、起こった出来事、出会った人、考えたこと。いろいろあるけど、ちゃんと生きよう。そんな気持ちになる4つの物語。 「Book」データベースより 特に好きなのは、取り壊す予定の実家で昔からのやり方でお盆を過ごそうとする姉妹のお話「最後のお盆」です。 お盆の雰囲気って非日常ですよね。 灯篭が回って、お野菜で作った馬や牛。 そんな雰囲気の中、この方々は幽霊さんでしょうか?という方も訪ねてくる。 でも怖くはなく、あったかい。 冠婚葬祭は人と人とのつながりでとても大切なこと。 でもそれを忘れて、そのお式だけにとらわれてたかな。 そんなことをふと考えさせられた本でした。

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2009/10/07

冠(元服)「空にディアボロを高く」地方新聞社の新人記者である裕也が成人式について書いた誤報記事。それが原因で仕事を辞めることに。東京へ戻る前に成人式の日に大道芸をしていた人物に会おうとするが。 婚(婚礼)「この方と、この方」お見合いおばさんとして数々の良縁をまとめてきたマサ枝だっ...

冠(元服)「空にディアボロを高く」地方新聞社の新人記者である裕也が成人式について書いた誤報記事。それが原因で仕事を辞めることに。東京へ戻る前に成人式の日に大道芸をしていた人物に会おうとするが。 婚(婚礼)「この方と、この方」お見合いおばさんとして数々の良縁をまとめてきたマサ枝だったが、引退を決めていた。しかし、そんなマサ枝のもとに2つの見合い写真が持ち込まれ、奮闘することになるが。 葬(葬儀)「葬式ドライブ」老婦人を葬式に連れて行くこと、という奇妙な命令を上司から受けた直之。老女の長い人生を想像する。 祭(祖先の祭祀)「最後のお盆」母の生家である古い家を手放すことになったため、最後にお盆をすることに。そこで起こる不可思議なできごと…。  『冠婚葬祭』をいう言葉を改めて1字ずつ意味があるんだよなと考えさせられました。  1、2話目がよかったかなーと思います。この中では1話目が一番好きです。2人は会えてよかったんじゃないかなと思いました。裕也と忍はこれから頑張って欲しいです。2話目は似たような仕事を経験していたので、そうなんだよなぁとマサ枝の気持ちがよくわかりました。

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