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家、家にあらず の商品レビュー

3.8

17件のお客様レビュー

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2010/09/08

時代物。 母を亡くした17歳の娘・瑞江は、遠縁の伯母が勤めている大名の砥部家に奉公に出ることになる。 父の笹岡伊織は江戸北町奉行同心。つまり八丁堀勤め。これが1年ごとの契約というか奉公とは驚きました。 おば様と呼んでいた浦尾は、表の老中に匹敵する御年寄職という大奥のトップ。威厳が...

時代物。 母を亡くした17歳の娘・瑞江は、遠縁の伯母が勤めている大名の砥部家に奉公に出ることになる。 父の笹岡伊織は江戸北町奉行同心。つまり八丁堀勤め。これが1年ごとの契約というか奉公とは驚きました。 おば様と呼んでいた浦尾は、表の老中に匹敵する御年寄職という大奥のトップ。威厳があり、何度か会ってはいたが親しみまではなかった。 大奥にいったん入ると出られないのが原則だが、江戸城ではないので、行儀見習いの腰掛けも多くいたという。 もちろん殿様のお手つきともなれば、出られないが。 瑞江は三の間というところに配属され、御年寄の姪にしては下といぶかられる。 下働きのお末よりは上だが、かなり下の方の勤めになる。 半端な立場から無視されたり、嫉妬されたり。 それ以上に不可解な出来事に、勝ち気な瑞江は巻き込まれていく‥ 一方、町では花形歌舞伎役者の心中事件が起きていた。相手が砥部家の女中と知って心穏やかではいられぬ父。 しかも心中は偽装? 若い頃に親しかったという歌舞伎の女形・沢之丞に聞き込みをすると‥ 大奥の中でも怪死事件が!大名家の奥には容易に手を出せない。 御年寄の浦尾はお家騒動の核心に関わっている可能性があり、真相に近づけば瑞江の身が危ない。 父に手紙を書く瑞江、娘の身を案ずる父は? ぐいぐい読めてしまいました。 著者は1953年、京都府生まれ。実家は祇園の老舗料理屋で、祖母は初世中村雁治郎の娘。早稲田の演劇科を出て、松竹に入社。歌舞伎の脚色・演出を手がける。97年に「東洲しゃらくさし」でデビュー。

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2010/08/20

もっとおもしろくなるところをちいさくまとめてしまった感あり。モッタイナイ。着物の描写がすばらしく見えるよう。

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2009/10/04

家、家にあらず。継ぐをもて家とす。人、人にあらず。知るをもて人とす 「風姿花伝」 この前書きだけで「この本あたり!」と思ったけど、まさかそういう展開とは。

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2009/10/07

外様大名家に奉公に出た同心の娘が主人公。いやおう無くイジメや勢力争いに巻き込まれていく。おりしもその大名家に勤める女が役者と心中事件を起こし・・ 前半、冗長でだれましたが、後半は面白かったです。「子を産むための道具」としての女の哀しさをよく描いています。それに反抗していく主人...

外様大名家に奉公に出た同心の娘が主人公。いやおう無くイジメや勢力争いに巻き込まれていく。おりしもその大名家に勤める女が役者と心中事件を起こし・・ 前半、冗長でだれましたが、後半は面白かったです。「子を産むための道具」としての女の哀しさをよく描いています。それに反抗していく主人公のかっこよさも・・。 「むやみに贅沢する女はたいがい心にぽっかり穴が開いていて、そこにどんどんものをつめようとするのだ」という言葉が印象的。 大きなテーマ「家とは何か」ということについて考えさせられる作品でした。

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2009/10/04

同じ行儀見習いをするのでも、部屋子なら長局にいて部屋の主に行儀作法を教わり、茶の湯や音曲や聞香といった習い事をするだけですむ。身のまわりの世話もすべて部屋方の召使いがやってくれる。部屋子とは、つまりわが子のいない御殿女中の娘分のようなもの(p32)つまりはお滝のいう二通りの道で、...

同じ行儀見習いをするのでも、部屋子なら長局にいて部屋の主に行儀作法を教わり、茶の湯や音曲や聞香といった習い事をするだけですむ。身のまわりの世話もすべて部屋方の召使いがやってくれる。部屋子とは、つまりわが子のいない御殿女中の娘分のようなもの(p32)つまりはお滝のいう二通りの道で、殿様のご寵愛を得て若君をもうけることが念願とされるいっぽうで、浦尾や真幸のように何かと忙しく立ち働く女中たちがここには大勢いた。むしろ殿様の寵愛が得られるのはごくわずかで、殿様といえど役付の女中にはお手をつけられない建前だから、たとえば表使の真幸はあれほどの美人であっても断じて殿様に肌を許すようなことはないのだという。(p76) 大奥のみならず、大名屋敷にもあった不思議な女だけの世界、奥御殿。「女社長になるか、社長夫人になるか」の命題がここにもあった。ちょうど歌舞伎で「岩藤」を見たので、両方楽しめた。

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2009/10/04

終わり方が突然だなと感じた。本気でただ読み進めるつもりで次のページを開いたらもう解説ページでした。もう一回読んだら、もうちょっとくるくる変わる場面転換とかを面白く読めるのかなぁと考えてます。 単純に時代小説とか好きなので、こういう風にいろいろ描写が細かいのは読んでて楽しかったかな...

終わり方が突然だなと感じた。本気でただ読み進めるつもりで次のページを開いたらもう解説ページでした。もう一回読んだら、もうちょっとくるくる変わる場面転換とかを面白く読めるのかなぁと考えてます。 単純に時代小説とか好きなので、こういう風にいろいろ描写が細かいのは読んでて楽しかったかな。

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2009/10/04

10/30 おもしろかった。その人の住む世界の道理と世の中の倫理みたいのの対立がこの人の作品の軸になっている気がする。ミステリとしても結構最後まで予想できずに読んでたので楽しめた。

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