庭の桜、隣の犬 の商品レビュー
考えさせられます
持ち家はある、子供はいない。そんな30代の夫婦の日常。冷静にその夫婦生活を見る視点で、物語は進む。お互いに特に求めるものもない、強い情熱もない。そんなふたりが寄り添いあって、生まれるものは何だろう。
yoko
最高。 ずっと漂うシュールな空気感と妙に人間臭い登場人物が、滑稽な雰囲気を醸し出していて良かった。 みんななんだか変な人だけど、宗ニ母と和田レミがおもしろすぎた。 夫婦の形はそれぞれだけど、このくらい自由であってもいいかもと思った。
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最初らへんは引き込まれたけどどんどん虚無 離婚したって結婚したままだって同じで全部に退屈してるような専業主婦の房子 読んでると虚無な気持ちになる 目標とかが特にない人の心情が丁寧に書かれてる 生活って生きてるってなんなんだろって気持ちになる
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数ページ読んで5, 6年前に一度読んだ小説と気付いたが、記憶が朧げでほとんど忘れていたので再読。 感想は、こわい。 解説でも始めに怖いと書いてあって、全くの同意見だと思った。 誰も死なない、誰かに同情されるような境遇でもない、なのにこわい。 角田さんの小説は、時々猟奇的で不気...
数ページ読んで5, 6年前に一度読んだ小説と気付いたが、記憶が朧げでほとんど忘れていたので再読。 感想は、こわい。 解説でも始めに怖いと書いてあって、全くの同意見だと思った。 誰も死なない、誰かに同情されるような境遇でもない、なのにこわい。 角田さんの小説は、時々猟奇的で不気味さを孕んでいて心から怖いと思う時がある。(みどりの月が割とトラウマ) 本作の主人公、房子・宗二夫妻は徹底的にズレている。 お互いに特に不満はないはないけれど、だからといってなぜ夫婦をしているかもわからないようなゼロの2人。 虚無感がすごい。 でもなんとなくわかる気もする。
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夫が、仕事で忙しく家に帰れないときのために部屋を借りたいと言う。 何もない部屋。だけど落ち着く。 早くに仕事が終わった時も自宅に帰る気になれない。 夫の父親は亡くなっているが、母親は息子の家を訪ねてくる。 どうも婚活パーティーに出るらしい。 夫が浮気をしているのを知っても何も...
夫が、仕事で忙しく家に帰れないときのために部屋を借りたいと言う。 何もない部屋。だけど落ち着く。 早くに仕事が終わった時も自宅に帰る気になれない。 夫の父親は亡くなっているが、母親は息子の家を訪ねてくる。 どうも婚活パーティーに出るらしい。 夫が浮気をしているのを知っても何も感じなかった妻。 その妻が夢中になったのは、夫の母親の再婚だった。
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元は他人同士。 紙切れ一枚の関係。 努力を惜しめば、夫婦なんてあっという間に別々の道を歩いていける。という、そんな怖さを描いているようなお話。 でも、元は他人同士だった二人が、たった紙切れ一枚の関係になるまでは、お互いそれなりに愛情を注ぎ努力をしてきたはずなのに、結婚という言葉...
元は他人同士。 紙切れ一枚の関係。 努力を惜しめば、夫婦なんてあっという間に別々の道を歩いていける。という、そんな怖さを描いているようなお話。 でも、元は他人同士だった二人が、たった紙切れ一枚の関係になるまでは、お互いそれなりに愛情を注ぎ努力をしてきたはずなのに、結婚という言葉に安心しきってしまうのか、お互いを思いやる気持ちをいつのまにか忘れてしまっているような気がするんだなー。と、自分自身に言ってみたりする。 なんだか夫婦の本当の姿を描いた作品で、読んでて自分の心を見透かされたようで、ドキッとしちゃった。
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「終わった人」と並行して読んでたんです。だもんで、落差というか格差というか、寄りかかるべき価値観、よって立つものがない世代の人々の悲哀をモロに感じました。悲哀、でも底抜けの気安さとでもいいたい安逸さもあるわけです。 子どもできない、夫婦仲そこそこ、半ば別居状態、でも嫌いじゃない...
「終わった人」と並行して読んでたんです。だもんで、落差というか格差というか、寄りかかるべき価値観、よって立つものがない世代の人々の悲哀をモロに感じました。悲哀、でも底抜けの気安さとでもいいたい安逸さもあるわけです。 子どもできない、夫婦仲そこそこ、半ば別居状態、でも嫌いじゃないし、 どの類型にもあてはまらない、将来の展望もない、でも不幸を感じてない なら、いいじゃん。でも、将来は??? これって、無間地獄ってやつなんじゃないか。
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微妙に空間のねじ曲がった夫婦と家族の日常が、違和感を持って描写される。 何とも言えず落ち着かない小説。
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夫婦って、家族ってなんだろう? 愛でも嫉妬でもない、なにかもっと厄介なものをど真ん中に抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう? 3LDK35年ローン、郊外のマンションに暮らす30代夫婦の生活を揺らす、さざ波のような出来事を通して、現代の家族のあてどない姿をリアルに描いた傑作長篇小説...
夫婦って、家族ってなんだろう? 愛でも嫉妬でもない、なにかもっと厄介なものをど真ん中に抱えて、私たちはどこへ向かうのだろう? 3LDK35年ローン、郊外のマンションに暮らす30代夫婦の生活を揺らす、さざ波のような出来事を通して、現代の家族のあてどない姿をリアルに描いた傑作長篇小説。 いつもと同じ位置に犬はいる。木幡さんは知り合いでもなんでもないが、なんという種なのかめずらしい犬を飼っていて、房子はこの坂を行き来するときかならず犬がそこにいるかどうかたしかめる。茶色の、毛の長いでかい犬で、不細工な顔が毛のなかに埋もれるようにある。
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