エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
先にシリーズ3作目を読んでしまいましたが、鏡家サーガ2作目。グロです。 語り手は「食人鬼」「コスプレ女」「加虐者」「仕事人」。 彼らの非日常的な日常生活に訪れた「転校生」は、真理と破滅を導き出す。 一応ミステリにしましたが、「それは分かるわけねえよ!」という謎がひとつ含まれているので(別の謎を解かない限り、その謎は出てこないわけですが)ご注意を。 ネタバレ:綾子さんはモブです。
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読み終わった後に「これはヒドい・・・」と思わず呟いて(叫んで?)しまう位のヒドさ加減である。良い意味も悪い意味も込めて。 鏡家サーガシリーズの第2巻。時系列的には前作『フリッカー式』の10年前、鏡綾子が通っている私立鷹乃羽高校2年B組を中心として語られていく。物語の語り手は...
読み終わった後に「これはヒドい・・・」と思わず呟いて(叫んで?)しまう位のヒドさ加減である。良い意味も悪い意味も込めて。 鏡家サーガシリーズの第2巻。時系列的には前作『フリッカー式』の10年前、鏡綾子が通っている私立鷹乃羽高校2年B組を中心として語られていく。物語の語り手は突然人肉しか食べられなくなった山本砂絵、コスプレ趣味があり完璧でありたいと願う香取羽美の二人、それに加えて三人称の語りがある。ストーリーは正直説明しづらい。一応学校内で起きた殺人事件を発端として2年B組の少女が動き出す・・・というのがメインストーリーなのだろうが、他にも山本砂絵の人肉ストーリー?などが同時展開する。まあ恐らく佐藤友哉の作品においてストーリーの整合性を求めるとかオチを求める方が間違いなので、詳しくは書かない。 さて「これはヒドい・・・」と呟いてしまった理由だがまずは良い意味での方から。内容というか世界観が前作よりも物凄いことになっている。まず人肉を喰らう少女にコスプレ少女、そして読んでいて文字から目を背けたくなる位にぐちゃぐちゃに虐められる少女にドッペルゲンガーに襲われた少女。登場人物がもう手のつけようがない位に狂った少女達ばかり。人肉と虐め的な意味で文章も全体的に暗澹としている。良い意味でヒドイ(笑)。この文章で相変わらず好き嫌いが二分されるのだろうが僕は好きなのでなかなか堪らないものがあった。それでも読後感の悪さは半端ないのだが。 悪い方。流石にちょっと語り手が多すぎて読んでいて混乱してしまった点である。一人称と三人称を混ぜてくるとはね。視点が切り替わるたびに誰の視点なのか確認しないと混乱すること必須なのでこれから読む方は注意した方がいい。あと人によってはストーリーの収束がない所を挙げるのだろうが、やはりこのヒドさ加減が個人的は好みなので特に言及はしない。そう考えるとこの視点バラバラなのもその原因なのかな?という気もしてしまうが。 まあ全体を通して個人的には前作の方が好みかな、という感じはした。とは言っても面白いことに変わりはないのでこのシリーズは読み進めていきたいと思う。ついでにメフィスト賞受賞作も振り返ってみたい。 しかし前作にも増してメタネタやアニメネタが増えていて・・・そういう意味でも大衆受けは難しい作品である。細かい台詞とかにもちょこちょこ入れてきているので全部発見&分かる人はスゴい。
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稜子姉さん、歪みなく曲がっていますね。1巻より親しみがわきました。 預言者ばかりのクラス、壮絶ないじめ、同人誌即売会とコスプレ少女、悪魔的に美しい転校生、人食い少女・砂絵・・・ 情報量が多すぎてなかなか読み進めるのが難しかったですが、楽しく読めました。 砂絵怖すぎだろう。
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登場人物が入り乱れててちょっと読みにくかった。混乱するw なんというか、ミステリーかと思ってたらミステリーな部分はあんまり重要じゃなくて、何かよくわからないモノがバックグラウンドで蠢いてた感じで、詰まるところなんだかよくわからないお話だった。 なにを言ってるのかわからねーと思うが...
登場人物が入り乱れててちょっと読みにくかった。混乱するw なんというか、ミステリーかと思ってたらミステリーな部分はあんまり重要じゃなくて、何かよくわからないモノがバックグラウンドで蠢いてた感じで、詰まるところなんだかよくわからないお話だった。 なにを言ってるのかわからねーと思うが(ry
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”周囲は肉。 すべて肉。 肉肉肉肉。肉肉肉。 肉肉。 肉。” この本は、メフィスト賞で作家デビューした、佐藤友哉さんの代表シリーズ、「鏡家サーガ」の第二作目です。 洋子君からこの本を薦められていたのを思い出したので、三省堂で買って帰りの電車の中で読みました。どうして彼は...
”周囲は肉。 すべて肉。 肉肉肉肉。肉肉肉。 肉肉。 肉。” この本は、メフィスト賞で作家デビューした、佐藤友哉さんの代表シリーズ、「鏡家サーガ」の第二作目です。 洋子君からこの本を薦められていたのを思い出したので、三省堂で買って帰りの電車の中で読みました。どうして彼はフリッカー式から薦めてくれなかったのでしょうか… 内容についてまとめようと思ったのですが、内容まとめるのも非常にめんどくさいというか、理解するのが難しいので、文庫裏のあらすじをそのまま書きます。 「コスプレする少女と同人誌に燃える少女。壮絶ないじめを受ける少女といじめる少年。そして人肉しか食べられなくなってしまった少女! 彼女たちの中に美しい転校生がやってきた日、惨劇の幕は開かれる。 密室に捨て置かれた血塗れの死体は錯綜する事件の序章に過ぎない。美少女学園ミステリーの最果て作!」 こんな感じでした。「最果て作!」とか言われるとワクワクしますよね。 本の内容について気になった点を述べますと、まず、やたらアニメ・ゲーム・漫画・声優ネタが飛び出してくるのが目につきました。そういうの好きな人にはお勧めできるかもしれません。 似鳥鶏さんの本を読んだ時に、『修羅の門』ネタが出てきてびっくりしましたが、もうこのミステリではそこかしこでアニメ系の単語を連呼していました。ミステリでは珍しいんじゃないかと思います。僕は8割位は分かりましたが、同年代でこの本のネタ全部分かった人は人間やめた方がいいと思います。 そして濃厚ないじめ描写。殴られる。蹴られる。縛られる。水かけられる。弁当をトイレの便器に捨ててそれを食わせる。 クラスの大半がいじめに参加してて、残った者は傍観者、という王道パターン。 正直うわっ……ってなってしまうほどの描写。こんなひどいいじめ現実にあるんですかねえ。 後はカニバリズムですねー。人肉しか食べられなくて、人肉を食べると食べた人の記憶を見ることができる、っていう女の子が出てきて、人襲っていっぱい食べたりする描写があります。でもそこまでグロくは無いです。 また、やたらキャラが多くて、色々動くんで、覚えるのが一苦労だったし、話を理解するのも難しかったです。 そして最後は超展開の連続、ブリーチみたいで、わけがわかりませんでした。 この本を一言で言うなら、いろんな要素がふんだんに盛り込まれている、闇鍋みたいな作品です。変な魅力があって、このシリーズ全部読みたいな、とは思ったけど、ミステリとしてはどうなのかなっとも思います。イロモノを読みたいならおすすめですかね。 それと、文庫版の解説を上遠野浩平が書いてるんで、上遠野ファンは要チェックや! と思います。 そんな感じでー。 次こそ貴婦人として死す、書きます。 (玉津)
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いじめの描写がすさまじいね。 女生徒に対する男子生徒のいじめが異常な暴力から異常な性的暴力へと発展していく。しかし、そのいじめも大きなシナリオのうちに回収される伏線としてある。 だが、これもトンデモ設定が出てきてしょんぼり。
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誰かに物語の流れだけでこれを説明しても、この本のことは多分何も伝わらないんだけど、実際の読み手はそこかしこに見受けられる悪意のようなものだったり狂気のようなものを感じ続けなくてはいけない一冊。
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ライトノベルを装った純文学。 作品自体の完成度はあまり高くないけれど、ゼロ年代の人間がもつイメージやニオイをまとめ上げているように思う。
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鏡サーガシリーズの第2弾にして、私にとっては最後の作品。 「フリッカー式」から始まり、「訳がわからないなぁ」と思いつつ、シリーズ制覇してしまいました。 今回も他2作と変わらず、意味不明。 結局、理解不能の謎解きと、コロコロ変わる視点と語り口。 最初のうちは、それだけで混乱し、後半...
鏡サーガシリーズの第2弾にして、私にとっては最後の作品。 「フリッカー式」から始まり、「訳がわからないなぁ」と思いつつ、シリーズ制覇してしまいました。 今回も他2作と変わらず、意味不明。 結局、理解不能の謎解きと、コロコロ変わる視点と語り口。 最初のうちは、それだけで混乱し、後半は理解不能の謎解きに混乱する。 それでも、全シリーズ(3冊だけだけど・・・)読ませてしまうのは、作者の力量でしょうか? それとも、私が物好きなだけなのでしょうか? 決して、周囲に勧められる作品ではないのは確かです。
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来ましたシリーズ二作目。これは。なんたる教室下克上。権力バトルロワイヤル。「まずはクラスでやってみよう」て感じですかね。 一作目の公彦がとてもよく描かれていたのに、今回の主役と思いきや蓋をあければかなりの脇キャラだった鏡稜子。 これだと彼女は一作目のほうが活躍しています。まぁ、い...
来ましたシリーズ二作目。これは。なんたる教室下克上。権力バトルロワイヤル。「まずはクラスでやってみよう」て感じですかね。 一作目の公彦がとてもよく描かれていたのに、今回の主役と思いきや蓋をあければかなりの脇キャラだった鏡稜子。 これだと彼女は一作目のほうが活躍しています。まぁ、いいのですけど、このキャラで本領は発揮できないでしょう作者。 其の分暴走している人喰いの砂絵、コスプレイヤー羽美。その他もろもろ・・・ですはこのシリーズ二作目で勝手に私が主人公と思うのは 羽美ではなく、砂絵だなぁ。羽美はやりやすかった感じがする。ある意味稜子よりも物語を動かすきっかけになっている。最後の方はもう、 くどいぐらいに。砂絵だけ、生きている感じがした。戸惑いや葛藤、日常が、彼女からは匂う。その割にはひどいラストだった。 これはもう、投げたとしか思えない。投げられたショック。。。 仕方ないか。もうこの話は謎を解き明かし始めた瞬間から、話が変わっている。違うお話になっているのだから。 ラストのくだりはもう、どうでもいいから終わらせる!!釣りまくる!!転がす!!ひっくり還る!!! ・・・そろそろぐちゃぐちゃになったね。よし、終わろう。 みたいなーーーーーっ!!!いやはや残念。 しかし、ラスト意外は結構すきだった。 エナメルを塗った魂の比重。 誰もが魂にエナメルを塗っている。 その重さはいったいどれほどがどれほどの価値をもつのだろうか。
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