1950年のバックトス の商品レビュー
ささやかなことや、少しの怖さなんかが少しずつ入った短編集。 餅切包丁の話にびくびくしながら読みました。何事もなくてよかった 表題作は少し長めで、ジャンルは感動ものです。うるっときます。 やっぱり、何かに熱中して一所懸命やってきた人が魅力的なお年寄りになるんだよなあとしみじみ。
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ショートショートといっていい長さの短編集。テイストはいろいろだけれど、しんみりするようなのが多いかな。 お気に入りは「百物語」。この不気味さは非常に好きです。こういう話にはぞくぞくしちゃうぞ。明かりを消していく過程も秀逸。 「真夜中のダッフルコート」も好き。「OL進化論」が好きな...
ショートショートといっていい長さの短編集。テイストはいろいろだけれど、しんみりするようなのが多いかな。 お気に入りは「百物語」。この不気味さは非常に好きです。こういう話にはぞくぞくしちゃうぞ。明かりを消していく過程も秀逸。 「真夜中のダッフルコート」も好き。「OL進化論」が好きなので、「あ、あれか!」とすぐに分かりましたけれど。そうか、なるほど! と思いました。
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短編集。 安心して読めた。どれも良作。 読み終わったときの、気持ちの持ちようをこれほど変化させられるのってすごいなと思う。 あげればきりがないが、いくつか。 「ふっくらと」 祖父の説明書の読み込み方がかわいらしいぶん、孫からのメールの内容を読んでいる。その心情の深さにほっこりさ...
短編集。 安心して読めた。どれも良作。 読み終わったときの、気持ちの持ちようをこれほど変化させられるのってすごいなと思う。 あげればきりがないが、いくつか。 「ふっくらと」 祖父の説明書の読み込み方がかわいらしいぶん、孫からのメールの内容を読んでいる。その心情の深さにほっこりさせられる。 「凱旋」 戦争を知らない、私であっても胸に迫るものが有る。こういうものを沢山、読まないと戦争にもう触れられない、それでも戦争自体は迫ってくるという、苦しい時代になってきている。 「1950年のバックトス」 女の強さを感じた。あの時代の人々がリンとしているのは、こういう体験を経ているからだろうな。気持ちの芯が強い。私たちよりもよっぽど、生死に近いところで生きてきたものたち特有の強さだ。
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『かるかや』、『1950年のバックトス』、『ほたてステーキと鰻』が特に好きです。3編とも女性が主人公ですが、それぞれまったく別の世界を描いています。『かるかや』は、女性から男性に向けて書かれた書簡体の形式をとっています。二人が会った日に、女性はずっと以前から気になっていたある浮世...
『かるかや』、『1950年のバックトス』、『ほたてステーキと鰻』が特に好きです。3編とも女性が主人公ですが、それぞれまったく別の世界を描いています。『かるかや』は、女性から男性に向けて書かれた書簡体の形式をとっています。二人が会った日に、女性はずっと以前から気になっていたある浮世絵に関する謎を男性に話します。そのあと、その謎が解けたということを手紙に書くのですが、その謎の本当の意味は浮世絵や歌舞伎の話にくるめて直接的には書かない。あなたにはわかるでしょうと、言外に。小説の形式が、女性の1人称や3人称ではなく、男性が読むことを前提とした手紙だということが、よりはっきりと女性の人物像を浮かび上がらせます。この男性のようなタイプの人物に魅かれる彼女という人が見えてくる。男性にとっては怖いでしょう?、たぶん。『1950年のバックトス』は、さわやかな風が吹き抜けるような小説。バックトスのあの瞬間のシーンはスローモーションを見るようでたぶん息をとめてたと思う(私が)。スポーツのワンシーンであっても、映像より言葉の方が表現で勝ることもあります。ちなみにタイトルでいちばん好きなのは『百合子姫・怪奇毒吐き女』。
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短編。ちょっぴり怖いのも。 「ひとがた流し」のその後、「ほたてステーキと鰻」も。 「万華鏡」「百物語」「包丁」「林檎の香」「1950年のバックトス」etc
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『ひとがた流し』のその後の短編が入っているので、わくわくしながら読了。 最近の北村さんのは「……。」というややがっかりな(話が散漫してて)もの が多かったけど、これは良かった!! 個人的に、一番最初の短編で「やられた〜」と思った。 色々な北村さんのジャンルが圧縮されていて、内...
『ひとがた流し』のその後の短編が入っているので、わくわくしながら読了。 最近の北村さんのは「……。」というややがっかりな(話が散漫してて)もの が多かったけど、これは良かった!! 個人的に、一番最初の短編で「やられた〜」と思った。 色々な北村さんのジャンルが圧縮されていて、内容にも差があったけど、久々に北村さんのを読んでて「面白かった」と言えました。
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これは…。 正直、北村先生の作品を数々読んできた中では、短編集ですがあまりオススメできません。 なぜなら内容に「ホラー」が混じるからです。 ですので苦手な人、そうでない人と別れてしまうような気がします。 北村先生の作品はミステリーでありながら、日常的なミステリー、心情の揺れ動...
これは…。 正直、北村先生の作品を数々読んできた中では、短編集ですがあまりオススメできません。 なぜなら内容に「ホラー」が混じるからです。 ですので苦手な人、そうでない人と別れてしまうような気がします。 北村先生の作品はミステリーでありながら、日常的なミステリー、心情の揺れ動きを紐解くミステリーがやはり面白いです。 この作品はそういった要素は少なく、代わりに「ホラー要素」が入っているという感じです。
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2008.10.19. これ、怖いよ。北村さんの本はたいてい怖くても優しいのに、冒頭からかなり怖い掌編。もちろん、表題作のように読んだ後、ほぅっとあったかいため息が出るような良い雰囲気の物もある。すごいなぁ。
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ショートショート集というか短編集です。そのジャンルも多岐に及んでいて北村薫の懐の深さを感じます。短い中に起承転結を作り、更に柔らかな暖かさや感動すら盛り込むのはさすがです。沢山の話の中で最も秀逸なのは、落研出身の氏ならではの「落とし話」や「ダジャレ話」の作りの巧さだったりします。...
ショートショート集というか短編集です。そのジャンルも多岐に及んでいて北村薫の懐の深さを感じます。短い中に起承転結を作り、更に柔らかな暖かさや感動すら盛り込むのはさすがです。沢山の話の中で最も秀逸なのは、落研出身の氏ならではの「落とし話」や「ダジャレ話」の作りの巧さだったりします。思いついた時はヤッター!と思うのだろうな…。そんな多くの珠玉のストーリーの中から何故表題に「1950年のバックトス」を選んだのだろう。それが謎ではあります。もちろん良い話ではあるけど。
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バックトスとはどんな話だろう? と思ったんですが 中身は短編集でした。 不思議な話や奇妙な話ばかりでしたが、どれもこれも 短編以上に短編で、小話? という方がいいかもしれません。 4ページ程度のものもあり、この短さで起承転結をつけてるのが すごいな〜と。 個人的には、最初の話が...
バックトスとはどんな話だろう? と思ったんですが 中身は短編集でした。 不思議な話や奇妙な話ばかりでしたが、どれもこれも 短編以上に短編で、小話? という方がいいかもしれません。 4ページ程度のものもあり、この短さで起承転結をつけてるのが すごいな〜と。 個人的には、最初の話が一体どうなるのか気になります。 描写されてたら、それはそれで怖いですがw
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