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すべては消えゆくのだから の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2013/05/13

最後の最後で、何故ジュヌヴィエーヴはヴァンサンに会いたかったのかわかった気がした。 また2人でクララを感じたかったから。 クララが2人にとってかけがえのない娘だったと実感したかったから。 2人が愛し合ってた事を、確認できて逝ったジュヌヴィエーブは幸せだっただろう。

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2012/11/07

人生の価値は選択したもので決まる・・・。もうすぐ死ぬの・・・会いにきて。人生が終わるときすべてを清算できた。こう終わりたいものだ

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2012/09/28

悲しい恋愛小説。 主人公の娘クララと近い年齢の一人娘のいる私には、男女の話というより親目線で読んでしまった。 クララを失ったことで離れてしまったジュヌヴィエーヴとヴァンサン。 昔の私だったらきっと理解できなかっただろう。 この本を読んでる間は、娘の帰りがちょっと遅いだけでも不...

悲しい恋愛小説。 主人公の娘クララと近い年齢の一人娘のいる私には、男女の話というより親目線で読んでしまった。 クララを失ったことで離れてしまったジュヌヴィエーヴとヴァンサン。 昔の私だったらきっと理解できなかっただろう。 この本を読んでる間は、娘の帰りがちょっと遅いだけでも不安になった。 再読はしたくない。 悲しすぎるから。

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2012/04/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

15年前に別れた妻から、自分はもうすぐ死ぬので会いにきてほしいという手紙が届いた。 男は、高速道路をぶっとばしながら、過去に思いを馳せる。 そしてかつての妻のあの頃の日記。 読者の私は、冒頭の別れた妻から手紙が届く場面から、ラストまで、ページをめくる手をとめることができない。 車を運転しながら、昔のことを断片的に語っていく男は現在56歳。 彼は15年前のあの日まで偽りなく幸福だった。 誰かを一度でも深く激しく愛したことがあり、その相手と別れた経験のある人なら、彼がどんな気持ちで車を走らせているのか、これほど共感できる小説はないだろう。 男女は、その時、互いを追い詰めて、どうしようもなくなったとしても、本当に嫌いにならなければ、別れても、もう人生で交叉することがなかったとしても相手を心にずっと住まわせていることがある。 彼らの場合もそうだった。 彼らには、クララという可愛い一人娘がいた。 クララは、8歳の時、突然、学校の帰りに誘拐され戻ってこなかった。 幸せの絶頂にあった家族が、突然娘を誘拐され、地獄に突き落とされる。 誘拐された愛する娘を待ち続ける過程のなかで、夫婦の関係は徐々に破綻していく。 男の回想ののち、クララ誘拐直後から、書かれた妻のノートに書いた日記が引用される。 娘が何者かに誘拐され、居所も、その事件の糸口さえも見えてこない焦燥のなかで、平凡ながらも幸せな毎日を取り戻すことが出来ない現実と向かい合って、夫婦はそれぞれに苦悶し、それぞれに孤独感を深めてゆく。 夫婦は離婚して連絡を絶ち、クララの誘拐事件は迷宮入りとなり、結局彼らの愛娘は帰ってこなかった。 死体さえ発見できず、15年が過ぎた。 男には新しい恋人ができていた。 女は男と別れてひとりで生き、そして、男が女の元に駆けつけたとき、病気でまさに死のうとしていた。 女は死ぬ前にクララの話がしたかったのだと言う。男はそれに対して最初頑なな態度をとるが、そのうちふたりは娘の話をする。 別れてからのふたりの生き方。 男は、辛い過去を忘却しようとするが、女は辛い現実と向き合い続けて生きる。 母親ならわかるだろう。どうして帰らぬ我が子を1日たりとも忘れることが出来よう。 父親もそうだろう。でも、種類が違う。 彼女が元の夫を呼び寄せた時は、本当に彼女には死期が迫っていた。死の目の前になってやっと彼を呼んだ。彼女の強さに胸がえぐられる思いがする。彼と別れて彼女はずっとひとりだったのに。 長編小説ではない。 長編には成り得ない小説なのだ。無駄な言葉はひとつもなく、削ぎ落とされた断面が生々しく口をあける。 著者のローランス・タルデューはマルセイユ生まれ。舞台女優でもあるという。 本作品は小説3冊目の上梓にあたり、フランスの賞を2賞授賞している。 私は離婚や子どもを誘拐された経験はない。 でも、ローランス・タルデューが描いたこの小説世界に共感できる部分がたくさんある。 女が死の旅に出る直前、男は女にヴェルレーヌの詩を読んでやる。 消えてゆく命に向って男は一語一語決然とヴェルレーヌの詩を読むのである。 今日ほどヴェルレーヌの詩(黎明が広がり)をフランス語で聞きたいと思った日はありませんでした。 『すべては消えゆくのだから』 すばらしい小説です。

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2012/02/20

フランス女流作家の恋愛小説と聞いて想像した、洒脱で軽妙でドライな内容とは全く違いました。 恋愛小説というには広く深く、そしてつらく残酷な物語。 都会で暮らす男のもとに、ある日突然舞いこんだ、元妻からの便り。 死期を迎えた元妻の最後の求めに応じて、男は彼女の元へと向かいます。 ...

フランス女流作家の恋愛小説と聞いて想像した、洒脱で軽妙でドライな内容とは全く違いました。 恋愛小説というには広く深く、そしてつらく残酷な物語。 都会で暮らす男のもとに、ある日突然舞いこんだ、元妻からの便り。 死期を迎えた元妻の最後の求めに応じて、男は彼女の元へと向かいます。 かつては愛し合っていながらも、愛娘の下校途中の突然の失踪という事件を機に、バランスを失って、別離の道を選んだ夫婦。 妻は郊外で娘の思い出と共に暮らすことを望み、男は全てを忘れて生き直そうとします。 しかし、忘れることで空虚感から逃れられなくなってしまった男。 その後、どんな恋も長続きせず、心に空洞を抱えたまま、いたずらに日々を送っています。 元妻と再会することで、長い時間をかけて心の底に封印してきた娘の死を、嫌でも思い出させられるため、男は懊悩し、逡巡します。 その心理描写の的格さ。彼のためらいが、手に取るように伝わってきます。 自分は元妻の招きに応じるべきなのか、否か。 ただ、彼女が死の床に瀕しているという事実が、結局は彼を動かします。 元妻のもとに向かいながらも混乱し、15年ぶりに再会してさらに混乱する、男の荒い息の中の動揺が、ダイレクトに読み手にも流れ込んできます。 彼女が彼と最後に成し遂げたかったのは、共に娘の思い出を語り合うこと。 それは、男にとって、これまで逃げ続けてきた娘の死を受け止め、認めることになる、辛すぎる頼みでした。 引き裂かれそうに悩み苦しむ男。 しかし、明日をもしれぬ元妻に会い、愛した存在がまた一人、失われようとしていると実感した彼は、ついに重い口を開き、思い出話を始めるのです。 愛する者の死を受け入れるということの困難さが、丁寧に描きこまれています。 しかし、その悲しみを超えない限り、人は先へは進めないもの。 15年間、忘れることで死んだように生きていた彼、いつまでも、忘れたつもりの過去に捕らわれて、立ちつくしていただけの彼でしたが、元妻と娘の思い出を共有し合うことで、ようやく心の封印を解くことができたのです。 元妻との最後の邂逅でようやく娘の死を認められた男。 彼女、そして娘への愛の復活が起こり、止まっていた感情が動き出します。 ほどなくして、元妻は亡くなりますが、男はもはや悲しみを抑え込むことはせず、一人で立って生きていく勇気を持つことができたわけです。 生きていく上で、愛する人との別離は避けられないもの。 しかしそれが予想外の時に起こると、遺された者の苦しみは耐えがたく、心に消えない傷が残ります。 それを癒す確実な術はない、人生の中で一番つらい試練。 実は失踪した娘が実は生きており、再会できた、などというドラマチックな展開は無く、元妻も予定通りに死んでいきます。 現実味があるからこそ、読者の感情を奥までえぐり揺さぶってくるストーリー。 読み進めるのは非常につらく、ページをくくる手を重く感じましたが、救いがない中にも、最後に小さな救いが生まれた、嵐の中のともしびのような作品となっています。 読んだ日の帰り、下校途中の子供たちを見て胸が騒ぎ、(どうかみんな、無事に家に帰りますように)と願いました。

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2009/10/04

「号泣必至」というアオリ文句は、作品に対して失礼だと思います。泣いて済む問題ではないでしょう。 二人が失ったものの大きさは計り知れないけれど、女が遺していったのは男を生きかえらせるに足るものでした。 幸薄く、偉大な女性だったと思います。

Posted byブクログ

2009/10/04

八歳の最愛の娘であるクララが突然姿を消す。 その現実を受け止める辛さ。 愛する夫婦でも、その悲しみを乗り越えることができない。 あんなにも愛し合った夫婦でも、別れを選択せざるおえない。 そして、別れた妻からの15年ぶりの手紙。 そこには「私はもうすぐ死ぬの、会いにきて、もう一...

八歳の最愛の娘であるクララが突然姿を消す。 その現実を受け止める辛さ。 愛する夫婦でも、その悲しみを乗り越えることができない。 あんなにも愛し合った夫婦でも、別れを選択せざるおえない。 そして、別れた妻からの15年ぶりの手紙。 そこには「私はもうすぐ死ぬの、会いにきて、もう一度だけ」 走馬燈のように、クララのことや、一緒に住んだ狭いアパートのことが思い出される。 「すべては消えゆくのだから」 自分だったら、消えゆく前に何をしてあげられるのだろうか?

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2009/10/04

全般に渡って内容が重苦しく中盤まで読んだら飽きてきてしまった。しかし後半では二人だけの時間が過ぎていく。最後の内容で生きてるって実感できるような感じでした。俺には重くて読むのがつらかったです。

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