だりや荘 の商品レビュー
まったく共感できない部分とできる部分の混在感がすごかったなぁ。 大人のおとぎ話と言いますか。 最後の展開はどうかと思ったけど、この話の面白さや機微がまっったくわからない、という人とは仲良くできない気がする。
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この本好き。 「切羽へ」の影響で、井上荒野は全部読んだけど、これが一番好きだなー。 だりや荘はペンション。はかなげでおとなしい姉と、気の回る明るい妹、そして妹の優しい夫とで営んでいる。 当然、それだけじゃない。 不倫も性愛もなんでこの人はこんなに透明に書けるんでしょ...
この本好き。 「切羽へ」の影響で、井上荒野は全部読んだけど、これが一番好きだなー。 だりや荘はペンション。はかなげでおとなしい姉と、気の回る明るい妹、そして妹の優しい夫とで営んでいる。 当然、それだけじゃない。 不倫も性愛もなんでこの人はこんなに透明に書けるんでしょうか。「筋だけとったら昼ドラ」 と言った知人の意見に賛成です。 誰が繊細で誰が無神経か。何が善くて何が誤りか。 登場人物の内面を見つめる過程で、自分の美しいところ、汚いところを少し見つけた気がします。 救いがあるとか新しい道を見つけるとかではなく、そういう話。 2009年12月09日 13:46
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もうどうしようもないところまでいっている物語を、ゆるやかに堕ちてゆくように描いているのが怖かった。 こんな閉塞感のある物語も珍しい。。。 井上荒野の物語は、食べ物が本当に美味しそうに描写されるなあ。 ただそれと一緒に描写される物語は本当、ぐったりくるものが多い。
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姉の椿、妹の杏、妹の夫ハヤト。 誰が一番イヤかと言えばハヤトである。 嫌と言うよりも気持ちが悪い。 考え方も行動も。きもい。
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どろっどろである。 七角形ぐらいになってて、しかも親子二世代にわたっててもうぐちゃぐちゃ。 どちらかというと静謐とした文章の中にそういったどろどろが描かれており、そのギャップがなんだかはらはらする。大変なことが起こりそうで。 まぁでも、リスクとか背徳感に裏打ちされた恋愛って魅力...
どろっどろである。 七角形ぐらいになってて、しかも親子二世代にわたっててもうぐちゃぐちゃ。 どちらかというと静謐とした文章の中にそういったどろどろが描かれており、そのギャップがなんだかはらはらする。大変なことが起こりそうで。 まぁでも、リスクとか背徳感に裏打ちされた恋愛って魅力的なのかもなぁ。 人間は禁忌を破りたい生き物なんだろうな。
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すいません、これはダメでした。シンクロに失敗しました。 ペンション「だりや荘」を継ぐことになった妹夫婦と、 心身の弱い、美しい姉との物語。言ってしまえば姉妹どんぶりってヤツですな。 このおねえちゃんの椿さんが、もう全然だめでした、気持ち悪くて。 妹の杏ちゃんがかわいかったので、何...
すいません、これはダメでした。シンクロに失敗しました。 ペンション「だりや荘」を継ぐことになった妹夫婦と、 心身の弱い、美しい姉との物語。言ってしまえば姉妹どんぶりってヤツですな。 このおねえちゃんの椿さんが、もう全然だめでした、気持ち悪くて。 妹の杏ちゃんがかわいかったので、何とか最後まで読めたようなもの。 阿呆でいい気なダンナの疾人も、ただただムカつきましたし。 不倫と見せかけた姉妹愛の話でもあるわけですが。 東京から疾人を追ってきた醜い女を「あのくるった女」とさげすんでいたけれど、 容姿が美しいだけで、椿だって彼女と大して変わりない。 妹たちの愛犬、かわいいサブレに害意を向けるエピソードなんて、ほんと度し難い。 妹夫婦にこどもがいれば、彼女はそれにも何がしかの悪意を向けたのか。 そういう彼女を哀れに思い、その情念を美しいと見られれば、 これは少女マンガのような雰囲気を持ったきれいな小説で、悪くもありません。 でも私はその世界に入れなかった。残念ですが。 ラストはハッピーエンドと解釈することもできるでしょうが、 私には、ああはいはい、もう勝手にやってください、としか・・・。 なんかこう、とても食傷した気分が残ってしまったので、 少しほとぼりを冷ましてから、また次を。 キライになったというわけでもないので。
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読むんじゃなかった。 後味わるい、がっかりだ。 今の自分には後味の悪さしか残らない。 まえは、 「スィートリトルライズ」みたいな結婚が真実だとおもったし、 理想ではないにせよ、ありだと受け止められた。 「流星ワゴン」を薦めて、批難してきた人を思い出す。 裏切りなんていらない。...
読むんじゃなかった。 後味わるい、がっかりだ。 今の自分には後味の悪さしか残らない。 まえは、 「スィートリトルライズ」みたいな結婚が真実だとおもったし、 理想ではないにせよ、ありだと受け止められた。 「流星ワゴン」を薦めて、批難してきた人を思い出す。 裏切りなんていらない。 優しいも、思いがけないも、言い訳も受け付けない。 認められないし、受け付けられないだろう。 信じるってのは、 裏切られても恨まないってこと。 そのことば通りなら、 きっと誰も信じられない気がする。 まだまだ捨てきれぬ俗物よ。 裏切りや、ねじれた関係を 繊細な表現にすることで「綺麗だ、とかせつない」とか やめようよ、って思うってしまう。 それくらい、きつい。
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ふぅ。重たい(笑) すっきりしないし、気分が悪いし、 雪の中に閉じ込められた気分になる。 というのも、いちいちシンクロしてしまうからだ。 椿も杏も迅人も翼もなんなら新渡戸さんの心情が、 読んでいるうちにすっと浸透してくる。 文章となって書かれていない、自分の想像の中だけの 気持ち...
ふぅ。重たい(笑) すっきりしないし、気分が悪いし、 雪の中に閉じ込められた気分になる。 というのも、いちいちシンクロしてしまうからだ。 椿も杏も迅人も翼もなんなら新渡戸さんの心情が、 読んでいるうちにすっと浸透してくる。 文章となって書かれていない、自分の想像の中だけの 気持ちであるにも関わらず、確信を持って流れ込んでくる。 人間の身勝手さ、そのことを十分理解できるほど 無駄に神経が細やかで、無駄に頭がよくて。 それゆえに、罪悪感は倍増する。 しかしそれでも手放せない何かのために、 知らないふりをし続ける奇妙な人間関係。 すっかりじとっとした世界に引きずられた作品。 いちばん好きな作品になりそうだ。
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これが、姉妹でなかったとしたら平凡な話なのだろう。いや、姉妹であっても平凡なのかもしれない。「姉と、妹夫婦。残酷なかたちしかしれない幸福がある」と、帯には書いてある。残酷なのに幸福なわけは、たぶん姉妹の隣、すぐ隣にある死。だとしたら、幸福は生そのものなのだろう。 姉の椿の...
これが、姉妹でなかったとしたら平凡な話なのだろう。いや、姉妹であっても平凡なのかもしれない。「姉と、妹夫婦。残酷なかたちしかしれない幸福がある」と、帯には書いてある。残酷なのに幸福なわけは、たぶん姉妹の隣、すぐ隣にある死。だとしたら、幸福は生そのものなのだろう。 姉の椿の狂おしいほどの愛情はなんだろう。迅人への愛ではない。妹・杏への愛情だ。椿は、杏の半身であることをやめない。杏の半身としてしか生きられない。椿が愛してやまないのは杏その人であって、杏もきっとそうなのだろうと思う。迅人はあくまで、姉妹の愛情をつなぐだけの役割にしか過ぎない。男の身勝手さを描いているようで、彼は彼である必要はない。杏を深く愛するからこそ、椿を愛する。椿が杏の姉だから、と迅人はいう。まるで迅人がふたりの女を動かしているかのように見えるが、最後に疲れ果ててしまう迅人は、姉妹にすべてのパワーを吸い取られてしまったのだ。姉妹の愛を完結させるだけの迅人。 親の血が流れている、と椿は自分を醜く思う。そうであれば、杏だって醜いはずだ。だけれど、杏こそが神聖化されている。つまりは、椿は自分を愛する手段が杏を愛することであり、杏を愛する迅人を愛することなのだ。すこしずつでも、外へ気持ちを向けようとしたってうまくいかない。一方、杏は外に気持ちを向けられるのに、うまくいかない。 結局、男は消費される。それがわかっている男はどれだけいるのだろうか。いや、迅人のようにわかっていない男ばかりだろう。男は女を消費しているように思っているかもしれないけれど、真に消費されるのは男なのだ。
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ひたすら電車に乗る一日だったので この本を読んだ。 妹夫婦と美しい姉の三角関係の話。 なんだか読んだことのあるような感触。 結局読んだことがあるのかないのかも思い出せず、 でも最後までどうなるかがすべてわかる話だったので どこかで読んだのかもしれない。 そのため...
ひたすら電車に乗る一日だったので この本を読んだ。 妹夫婦と美しい姉の三角関係の話。 なんだか読んだことのあるような感触。 結局読んだことがあるのかないのかも思い出せず、 でも最後までどうなるかがすべてわかる話だったので どこかで読んだのかもしれない。 そのため新しい感覚がなく、 湧いてくるのは、椿と杏の姉妹にへの迅人の気持ちに対する 嫌悪感。 男の人ってこういうのを優しさとか愛とかっていう、 それは女性である私には納得し難いもの。 どうして?どうして? と思いながら読み進める。 おいしそうなお料理と、人の弱さが印象的。 あまり健全な話ではないけれど、 どういうわけか読むと深くはまっていく。
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