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サーデグ・ヘダーヤト短篇集 の商品レビュー

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2025/07/08
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多様なシチュエーションで綴った物語たちの短編集。 いずれも破滅的で厭世的、辛辣でロマンチックでもある。 貧しさや迷信深い愚かさや暴力の中に生きる庶民を描く眼差しは冷徹で容赦ない。 作者自身を思わせる上流の人はプライドが高く傷つきやすく、人生に楽しみを見いだせず絶望している。 作品は歴史を舞台にしていたり、イランの独特な事情が諸々あり、戸惑うことも多い。注釈と巻末の「ヘダーヤト略伝」がとても役にたった。 個人的には、日本で言えば太宰治あたりをイメージした。ヘダーヤトは1903年生まれ。カージャール朝が革命で倒され、その後政治体制が二転三転するなかで生きていくのだが、本書は1930年代から40年代の作品を収録しているという。 これは非常にイラン人的な特色のあらわれた本なんだろうと思う。ややこしい。中東の京都人:イラン人はプライドが高く礼儀を重んじる。また、高すぎるプライドはガラスのごとく壊れやすい。イスラムとなって長く、禁欲や男女関係の厳格をむねとするけれど、その実享楽的で耽美的で、ゾロアスター教とスーフィズムの影響か幻想好きで迷信深い。 などなど、完全に偏見を持った私の見立てをより強化してくれてしまった本書だが、よりややこしいイラン事情に興味を掻き立ててくれたことを評価しておく。

Posted byブクログ