オタクで女の子な国のモノづくり の商品レビュー
ものづくりには文化的背景が反映されるという前提に立って、日本人の気質とそこから生み出されたモノの素晴らしさを認識させてくれる本。検証がまだ必要だろうなって箇所もあるけど、まぁそれなりに納得は出来る。 ただ、この本の「日本人らしさ」ってビジネスの世界で、たまには振り返るべきってぐら...
ものづくりには文化的背景が反映されるという前提に立って、日本人の気質とそこから生み出されたモノの素晴らしさを認識させてくれる本。検証がまだ必要だろうなって箇所もあるけど、まぁそれなりに納得は出来る。 ただ、この本の「日本人らしさ」ってビジネスの世界で、たまには振り返るべきってぐらいの感覚のような気がする。日本人気質が全面に出た人がいくら集まっても効率良く仕事できるとは思えないし。 ともかく、新しい視点が得られる本。
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会社の講演会で話を聞いて面白かったので、さっそく著作を手に入れて読んでみた。現代日本の「ヘタレた」「嘆かわしい」感性は、これから世界で受け入れられるようになっていくので、日本人がすでに持っている感性を生かしてモノづくりに取り込んでいきましょう、という話。現代日本の「嘆かわしい」感...
会社の講演会で話を聞いて面白かったので、さっそく著作を手に入れて読んでみた。現代日本の「ヘタレた」「嘆かわしい」感性は、これから世界で受け入れられるようになっていくので、日本人がすでに持っている感性を生かしてモノづくりに取り込んでいきましょう、という話。現代日本の「嘆かわしい」感性は、日本の伝統的な「もののあはれ」な感性と、世の中が衣食住に満ち足りて平和になった証としての「成人の女子供化」による感性の2種類に分けることができて、どちらもこれからの世界に通用する、ということみたい。著者は一生懸命ロジカルに説明しようとしているけれど、感性・感情という捉えどころのないテーマなので、ちゃんと理解できたかどうかは分からない。一方、事例はとても豊富で、至れり尽くせりのトイレ、車やバイクのヘッドライト、電車の扉から工事現場の看板、防衛白書にまで登場する萌えキャラクター、デコレーション携帯、痛車、プチプチ(梱包材のあれ)、ペン回し用のペン、車のサンクステイル、加齢臭防止ガム、執拗な抗菌グッズ、アニメ顔のマネキンなど、「女子供」化した日本で受け入れられた「嘆かわしい?」モノの数々に次々と言及し、これらが海外に広がっていることを紹介している。これだけの数のモノを1つの文脈に乗せて無理やり説明してしまう情熱とエネルギーは凄い。何だか楽しそう。
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抜群に面白くて勇気ももらえる本です。 ADLのコンサルタントによる、日本人の商品開発の趣向を研究している内容です。要は作りこみとこだわりが半端じゃなく(オタク)、女の子みたいなセンサーで商品開発をしているのがとてもよい!ということです。便座が温いなんて日本人にしか作れないよね!...
抜群に面白くて勇気ももらえる本です。 ADLのコンサルタントによる、日本人の商品開発の趣向を研究している内容です。要は作りこみとこだわりが半端じゃなく(オタク)、女の子みたいなセンサーで商品開発をしているのがとてもよい!ということです。便座が温いなんて日本人にしか作れないよね!という話。 著者はそれを商売っ気のない研鑽気質みたいなものに源流を見ていて、「おぬしもなかなかやるな!」みたいな切磋琢磨の繰り返しがいつのまにか世界でも特異な商品群を生み出す日本を作りました、という風にも書いています。確か。 携帯電話、ガラケーも一昔前までは本当はそれに属するはずなのですが、結局は投資であったり、売り方であったり、ルールの決め方であったり、そういう部分で負けてしまうので結局ダメになってしまうんですよね。この部分も「オタクで女の子な国のルールづくり」みたいな感じでどうにかならないすかねー?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
近年しきりに叫ばれているガラパゴス化も、見方を変えればチャンスになるということを様々な視点から実際の商品を例に説明している本。 それらの強みは日本の文化に根付いており他国が一朝一夕でキャッチアップできるものではないとも述べている。 ・技術者は放っておくと、定量的な機能の追及に走ってしまいがち ・機能よりもインターフェース→人間を理解すること。 物に情がうつる感覚は日本人特有 ・日本語人は左脳が発達している。 日本語は母音メイン、英語は子音 母音は左脳、子音は右脳で処理される。自然の音は母音のため、日本人は自然の音も左脳で処理する。そのため風流を感じやすい。 ・日本人が生み出してきたユニークな商品は、正しく言うと日本人は当たり前たと思っていたものの、海外から見ると実はユニークな商品である。 ・若者は感受性に優れ、大人はそれを形に変える力に優れている。それらの橋渡しが重要。 ・ガラパゴス化は欧米の倫理に基づくもの。ものづくりに対する真摯な姿勢を続けていればそれは必ず全く新しい形の巨大な富となる。 1擬人化が好き 物との共生が違和感なくできる日本人 2個人カスタマイズ志向 →作り手の職業意識の高さ。 ~道を目指す職人気質は他国からもうらやましがられている。 3人を病みつきにさせる 時代遅れに見える寸止めをあえて機能に加えることで病みつきにさせる。 4寸止めを狙う 5かすがいの働きをする 6恥ずかしさへの対策 →本当の贅沢は奥ゆかしさに秘められている 7健康長寿を追及する 8生活の劇場化を目指す 9地球環境を思いやる 10ダウンサイジングを測る
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諸外国においては日本人が当然のように使っているプロダクトや環境は良い意味で相当おかしいものが多いらしく、 米国のMBA(経営学修士)では「日本人が気に入るようなものを作ればすなわち世界に通用する」と教わるというほどの特殊性らしいのですが、 その感性というか美意識の根底には恥じらい...
諸外国においては日本人が当然のように使っているプロダクトや環境は良い意味で相当おかしいものが多いらしく、 米国のMBA(経営学修士)では「日本人が気に入るようなものを作ればすなわち世界に通用する」と教わるというほどの特殊性らしいのですが、 その感性というか美意識の根底には恥じらい、かわいいものへの執着、擬人化、寸止めの美学みたいな女性らしさとオタク魂と細かい技術が根付いているという事を力説したオタクっぽい本。 日本人でオタクな私には当然すぎる事が多く、あまり目新しい事はなかったのですが、比較文化学、感性工学の資料や雑学としてためになるし面白い。 またデザイナーや商品開発部などにいる人、会社の中で偉い地位にいる年配の人などにこそ読んでもらいたい本。
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文章が読みやすい。 この「かわいい」ものづくりの実態に、日本人でよかったなーって思う。 さまざまな製品に「かわいい!」「かっこいい!」「面白い!」と感じるようになった。
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日本製品の10法則 ・擬人化が好き ・個人カスタマイズを志向する ・人を病みつきにさせる ・寸止めを狙う →「自然に屈託なくマシンとつきあうことが出来る日本人の世界感」 ・かすがいの働きをする ・「恥ずかしさ」への対策になる ・健康長寿を追求する ・生活の劇場化を目指す ・地球環...
日本製品の10法則 ・擬人化が好き ・個人カスタマイズを志向する ・人を病みつきにさせる ・寸止めを狙う →「自然に屈託なくマシンとつきあうことが出来る日本人の世界感」 ・かすがいの働きをする ・「恥ずかしさ」への対策になる ・健康長寿を追求する ・生活の劇場化を目指す ・地球環境を思いやる ・ダウンサイジングを図る →「真の贅沢を極めることができる日本文化の爛熟と日本人の民度の高さ」 日本のトイレは、見事に日本人のモノ作りが集約されている。 動作分析という手法に基づき、人が入ってから出るまでの動作を隅々まで分析し、ソリューションを提供している。 「目玉のおやじ機能」とはおもしろい!相手に最適なソリューションサービスである。 ・髪の毛の中(ウェアラブル) ・ピンチの時に的確なアドバイス(ナビゲーション) ・落ち込んでいると勇気づける(コーチング&カウンセリング) 古くから擬人化する文化である。古くは、モノを供養する文化。現在は、新幹線でも〜タンと名付け、なんでも擬人化してしまう。 ゆらぎ型生産ライン 個性的なものやカスタマイズを好む。大量生産ではなく、1つ1つ基本性能に影響ない形で品質を変化させるアプローチの生産方法。 アフォーダブル設計 マニュアルを読まなくても、素人が使えるように設計すること。 日本人は、すべての自然音を左脳で処理するため、風流=意味を感じれる。他の言語の場合よりも論理性に欠ける印象があるのはこのためである。
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オタクで女の子な国のモノづくり 日本におけるモノづくりについて、女の子っぽい感性とのこと。日本語人は右翼的なのか。後、子供服売り場のマネキンはアニメっぽいらしい。 http://amzn.to/bctZyz
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軽いノリの本かと思ったらまったく違いました。日本人のオタク気質が作り出すモノ作りを分析した、とても堅い本です。現代の日本の市場や消費における興味深いテキストです。
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