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私の食物誌 の商品レビュー

3.2

7件のお客様レビュー

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2021/10/24

確か菊池成孔が愛読書に取り上げていたことで興味を持って購入したのだが、だいぶ長いこと積読状態にあり、先日読了。 いわゆる食に関するエッセイであるが、筆致は華美な表現を用いることなく、しみじみと様々な食べ物を味わうような文体が心地よい。全般的に庶民的な食べ物が多く並ぶのもよい。 ...

確か菊池成孔が愛読書に取り上げていたことで興味を持って購入したのだが、だいぶ長いこと積読状態にあり、先日読了。 いわゆる食に関するエッセイであるが、筆致は華美な表現を用いることなく、しみじみと様々な食べ物を味わうような文体が心地よい。全般的に庶民的な食べ物が多く並ぶのもよい。 そして何よりも金井美恵子先生による解説が素晴らしい。食物に関する文章に対し、明確に好き嫌いがあり、生きている本物の人間が食べてその舌で味わって書いた文章しか認めない、というような趣旨のものであり、背筋が引き締まる思いがする。

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2017/07/02

吉田健一は先日『金沢』を読んでえらく面白かったので、何かもう一冊と思って、前々から読みたいと思っていた『食物誌』を読む。これは、『檀流クッキング』『食は広州にあり』と並んで丸谷才一が戦後の三大食エッセイの一つに選んでいる一冊で、独自の文体で戦前の豊かな食の思い出と戦後まもない日本...

吉田健一は先日『金沢』を読んでえらく面白かったので、何かもう一冊と思って、前々から読みたいと思っていた『食物誌』を読む。これは、『檀流クッキング』『食は広州にあり』と並んで丸谷才一が戦後の三大食エッセイの一つに選んでいる一冊で、独自の文体で戦前の豊かな食の思い出と戦後まもない日本の有様を描いて秀逸。ただ吉田健一は自分自身は料理をしないのが、他の二冊と違うところで、やはり銀のスプーンを咥えて生まれてきた故か、料理は他の誰かが送ってくれたり、作ってくれたものを食べるに留まる。

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2013/11/19

読書録「私の食物誌」4 著者 吉田健一 出版 中央公論社 P231より引用 “何か旨そうな話が雑誌その他に出ているのが頼りにならないこ とも前に行った通りである。” 目次から抜粋引用 “長浜の鴨  金山寺味噌  広島県の奈良漬  日本のワンタン  鹿児島の薩摩汁”  吉田...

読書録「私の食物誌」4 著者 吉田健一 出版 中央公論社 P231より引用 “何か旨そうな話が雑誌その他に出ているのが頼りにならないこ とも前に行った通りである。” 目次から抜粋引用 “長浜の鴨  金山寺味噌  広島県の奈良漬  日本のワンタン  鹿児島の薩摩汁”  吉田茂元首相の長男である著者による、食べ物に関するエッセ イ集。  鴨肉から立食式についてまで、主に日本国内の食べ物について 書かれています。  上記の引用は、旨いものと題された話での一文。 結局自分にとって旨いものは自分で探すしか無いとのことです。 雑誌などの情報は、ライターさんの報酬や雑誌の売上などが強く 絡んでくるので、食べ物のことは二の次になってしまうこともあ るのかもしれません。  目次を見ていると、全国津々浦々の食べ物について書かれてい て、著者の行動範囲の広さが伺えます。  何か雰囲気が違うのは、活字印刷だからかもしれません。 文章が硬い感じであるのに、食べ物が美味しそうに思えるように かかれていて、不思議の魅力のある一冊です。 ーーーーー

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2013/01/29

句読点のない、この端的に言っちゃえばいいんじゃないの?ってな文章にはまってしまう時がある。だらだら読んでたら一週間もかかってしまったよ。

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2010/09/20

なんか途中で飽きた うんちく語るならもうちょい詳しくしてほしいし、語らんのならもうちょい旨そうに描写してほしい いちいち表現がまどろっこしい

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2010/06/07

2010/05/18- 天神 すじこの粕漬 東京が(ほぼ)ケチョンケチョンにされてるw自分もその気があるとはいえ、あまりにもなので中断。

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2009/11/29

食べ物について書かれた文章は、 あまりあからさまでも品がないし、かといっておとなしくするとぼやけるし、 けっこう難しいものだと思います。 吉田健一の「私の植物誌」は、 彼の言うところの関西の料理の美点、「淡味」があります。 作者は、吉田茂の孫で、大久保利通のひ孫、 麻生首相は...

食べ物について書かれた文章は、 あまりあからさまでも品がないし、かといっておとなしくするとぼやけるし、 けっこう難しいものだと思います。 吉田健一の「私の植物誌」は、 彼の言うところの関西の料理の美点、「淡味」があります。 作者は、吉田茂の孫で、大久保利通のひ孫、 麻生首相は甥にあたります。 明治生まれですが、ケンブリッジに留学。 この人のスコットランド紀行文も読んだことがありますが、 やる気がなくて(笑)、面白かったです。 子供のころからずっといいもの食べてきたんだろうなぁ。 この本では、長浜の鴨、近江の鮒鮨、関西のうどん、 大阪の雀鮨、かやくご飯などについて語られています。 作者は東京生まれだと思いますが、 大阪の小料理屋や食堂については「東京にそういう店はもうない」と懐かしんでいます。 「かやく飯と粕汁と煮締めで東京の天ぷらそば位の値段で食事をするという贅沢も今の東京では考えられないことである」とも。もっとも72年初版の本なので、まだ大阪にそういう店が残っているかどうか・・・。 少し驚いたのがパンについて。 作者によると「戦争が始まる頃までは確かに東京でも横浜でもうまいパンがあり、どこからかうまいバタが送られて来ていたが、それが戦後はどうもアメリカさんの影響で、或いは日本を占領しに来た種類のアメリカ人の好みのせいでパンはただ砂糖を入れて焼いて真っ白で甘いものならいいことになり、バタは単に脂を補給する方法になった」 ほー。戦前にもおいしいパンはあったんだ。 しかし、この本からだいぶ時間はたちましたが、スーパーで大量に売られている食パンは 年々やわらかく白くなり、状況は悪化しているように思います。 (個人的には、食パンは白飯を目指しているような気がしていて、 それならご飯をたべればいいんじゃないかと・・・)

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