テレビニュースは終わらない の商品レビュー
。興味深い著作です。特に、興味を持ったのは、イラク報道に関する章です。興味を持った点を整理すると、以下のようになる。第1に、従軍報道により、「軍」と「記者」は一体化する。検閲は必要ない。報道機関が、勝手に自己検閲する。ただし、この部分には、留保が必要だと思います。一体化するのは、...
。興味深い著作です。特に、興味を持ったのは、イラク報道に関する章です。興味を持った点を整理すると、以下のようになる。第1に、従軍報道により、「軍」と「記者」は一体化する。検閲は必要ない。報道機関が、勝手に自己検閲する。ただし、この部分には、留保が必要だと思います。一体化するのは、「部隊」と「記者」です。イラク戦争に従軍する部隊は志気が高く、作戦に対する信頼も高かったはずです。「記者」は、その雰囲気に影響されます。それに対して、ベトナム戦争の従軍報道も、「部隊」と「記者」は一体化していました。ベトナム戦争とイラク戦争の相違は、ベトナム戦争に従軍する部隊は志気が低く、作戦に対する信頼も低かっただけです。「記者」は、その雰囲気に影響されただけです。第2に、この章は、米軍の報告書に沿った形で展開されている。この問題を扱った調査報告書が公表される風土に衝撃を受けた。日本でも、この手の報告書はあるのでしょうか。第3に、「イラク戦争」を批判的に報道することは不可能だったと思います。80%以上の国民が、この戦争を支持している。この状況では、何を言っても無駄です。第4に、日本の報道機関が、イラクからの現地取材をおこなわない理由について考察している。バクダッドに記者を駐在させるためには、莫大なギャラを要するガードマンを雇う必要がある。このコストを負担してまで、バクダッド駐在にこだわる報道機関の経営者はいないそうです。第5に、フリーランスとの関係です。正直、何が言いたいのか、さっぱり分かりません。最後に、筑紫さんの手書きの推薦文は泣かせます。
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[ 内容 ] テレビ報道をとりまく環境は、大きく変化しつつある。 マスメディアに対する人々の意識も変わってきている。 メディア不信なども叫ばれるなかで、テレビ報道はどうあるべきか。 「筑紫哲也NEWS23」デスクを務め、9・11直後にワシントン支局長に着任するなど、常にテレビ報道...
[ 内容 ] テレビ報道をとりまく環境は、大きく変化しつつある。 マスメディアに対する人々の意識も変わってきている。 メディア不信なども叫ばれるなかで、テレビ報道はどうあるべきか。 「筑紫哲也NEWS23」デスクを務め、9・11直後にワシントン支局長に着任するなど、常にテレビ報道の第一線で活動してきた著者が、イラク戦争報道、海外メディアの現状など、さまざまな事例をもとに考察していく。 三〇年来、テレビ報道に携わってきた著者が、自らの経験をふまえて語る、現場からの論考。 米原万里さんとの対談も収録。 [ 目次 ] 序 マスメディア論の不毛と現代社会 第1章 現代の戦争報道(イラク戦争はメディアに何を突きつけたか;帝国のメディア;日本メディアのイラク戦争報道) 第2章 政治権力と報道(アメリカにみるテレビ報道と政治;取材源の秘匿をめぐって;アメリカ大統領選挙とテレビ;日本の選挙とテレビ) 第3章 荒野から(マスメディアの立ち位置の変化;マスメディアの近未来) 対談 イラク邦人人質事件で露呈したもの(米原万里VS金平茂紀) [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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何を言いたいのか、話題が散乱していて結局よく分からなかった… 国際報道の話が中心なので、それをタイトルに入れて欲しかった。
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07年後半、いよいよ放送業界は「公共性・公共圏」を存在意義とし、通信業界や新規産業は「市場原理主義」への傾倒を深め、議論は展開する。 映像文化コンテンツの販路はどうしても変わっていかざるを得ないのだろうけど、テレビ報道が「公共性」だけの理論武装で生き延びられるだろうか?テクノロ...
07年後半、いよいよ放送業界は「公共性・公共圏」を存在意義とし、通信業界や新規産業は「市場原理主義」への傾倒を深め、議論は展開する。 映像文化コンテンツの販路はどうしても変わっていかざるを得ないのだろうけど、テレビ報道が「公共性」だけの理論武装で生き延びられるだろうか?テクノロジーや集合知などを飲み込んでのダイナミズムを発揮するには・・・ ウェブ世界の理解だけでなく、リテラシーや倫理性のパイオニア、信頼に足る公共機関としての行動・実践は必然だろう。金平氏は自らの体験を基に、07年時点で業界人として宣言した。見事なパブリック・ライティング!
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TBSで報道の中心を担っている著者が、自身の駐米時代の経験をベースに戦争報道や日米それぞれのメディアの政治利用などをマスメディアに対しての批判をかわしつつテレビニュースの必要性を訴えている。 内容的に納得する部分もあるのだが、同氏が中心となっている実際の報道スタイルを考えると素直...
TBSで報道の中心を担っている著者が、自身の駐米時代の経験をベースに戦争報道や日米それぞれのメディアの政治利用などをマスメディアに対しての批判をかわしつつテレビニュースの必要性を訴えている。 内容的に納得する部分もあるのだが、同氏が中心となっている実際の報道スタイルを考えると素直に同意できない部分も多い。
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