シラノ・ド・ベルジュラック の商品レビュー
フランスでは圧倒的に人気があるシラノ。日本では、戯曲をあまり読まれる風習がないのか、自分の周囲では既読してる人はおりませんでした。 テンポ良く紡がれていくシラノ節には、ある種の心地よさと胸の高鳴りを感じます。 特にラストのシーン。瀕死のケガを負ったシラノが残した「羽根飾り」...
フランスでは圧倒的に人気があるシラノ。日本では、戯曲をあまり読まれる風習がないのか、自分の周囲では既読してる人はおりませんでした。 テンポ良く紡がれていくシラノ節には、ある種の心地よさと胸の高鳴りを感じます。 特にラストのシーン。瀕死のケガを負ったシラノが残した「羽根飾り」という言葉。この羽根飾りが転じて伊達な心意気という言葉が生まれたのは有名なことです。 自分もフランスに行ったらモンパナッシュ!!と声高らかに言いたくなってしまいます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
結構複雑な作品なのかと思ったら、意外と単純で面白かったです。 ただ普段読んだことのない形式だったので慣れるまで少し違和感が ありました。それにしてもロクサーヌは良いキャラしてました。 THEお嬢様って感じですね。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「華々しい弁舌は俺が貸してやろう!君は心を惑わす美しい肉体を貸してくれ!」 「そして二人一緒に小説の主人公になろうじゃないか!」 「さぁ受け取れ、この空想を本物にするんだ!」 才能に溢れて、最後まで心意気を貫いた男シラノ。 知性に欠け、不器用ながらも一人の女性を愛し、友を想って死んだクリスチャン。 とても人間臭くて、不器用で、美しい物語です。 登場人物たちはみんな何かしらの欠点、コンプレックスを抱えながらも美しい生き様を見せてくれます。 戯曲なので、最初は少し読みづらかったですが、話のテンポがよく、一気に読んでしまいました。 私自身戯曲はあまり読んだことがありませんでしたが、思っていたより読みやすかったです。 心が震えるような素晴らしい作品でした。
Posted by
舞台や映画で何度も観ている作品。原作からして戯曲だったのですね。'51年の訳ということで言い回しも古く何より漢字が難解で難儀しましたが、だからこその格調高い台詞回し。5幕目の名場面のシーンは14年後と言う事もあって壮年のベテラン俳優が演じる事が多いですが、シラノもクリス...
舞台や映画で何度も観ている作品。原作からして戯曲だったのですね。'51年の訳ということで言い回しも古く何より漢字が難解で難儀しましたが、だからこその格調高い台詞回し。5幕目の名場面のシーンは14年後と言う事もあって壮年のベテラン俳優が演じる事が多いですが、シラノもクリスチャンと同じ20代前半の物語なんですよね。感動の大団円も良かったが4幕目幕切れで涙しました。
Posted by
短くてサラリと読める内容、筋立てもシンプルで、これまで何度となく映像化・舞台化・翻案されています。 文武に優れたマルチ人間・シラノは、皮肉屋ながら豪放磊落な好人物。けれども唯一のコンプレックスは奇怪極まりない鼻。一方親友のクリスチャンは、凡夫ながら誰もが目を奪われる美青年。彼の想...
短くてサラリと読める内容、筋立てもシンプルで、これまで何度となく映像化・舞台化・翻案されています。 文武に優れたマルチ人間・シラノは、皮肉屋ながら豪放磊落な好人物。けれども唯一のコンプレックスは奇怪極まりない鼻。一方親友のクリスチャンは、凡夫ながら誰もが目を奪われる美青年。彼の想い人はシラノの従妹であるロクサーヌ姫。自らも彼女を愛しつつ、外見の醜さから恋路を諦め、親友のために恋文を代筆し、暗闇から愛の言葉を語るシラノの姿には、ベタといえばベタですが切なさ炸裂必至。 毒舌家のシラノには敵も多いのですが、その鼻をからかわれても、チャンバラ混じりに100倍の悪口雑言を返してやり込めてしまう。その上多数の敵を相手にしながら、悠々とバラッドを一つ作ってしまう。 この啖呵のリズムが最高に軽快で、「シラノさん最高ッス!」と拍手せずにはいられません。個人的にはラブストーリーの行く末より、このシラノの見事な口上と翻訳に拍手喝采したいです。 そして何より、シラノという人が実在し、作中以上のマルチ人間だったことを噛み締めると(脚色はかなりありますが)、味わいも二倍です。 最後のセリフこそ最高の名言……しかしそれをここで書き出してしまうのはあまりにも不粋。なので、敢えて書かずに置きましょう……
Posted by
シラノかっこいいですー。戦いながら詩を作っちゃうとか、もう最高に良いです(アラミスも同じようなことしますけどw) 愛しのロクサーヌもいいです、銃弾飛び交う戦場に、食料とワイン満載の馬車で乗り付けるなんて、なかなかどうして。ジュリエットといいロクサーヌといい、なにげに行動力ある女性...
シラノかっこいいですー。戦いながら詩を作っちゃうとか、もう最高に良いです(アラミスも同じようなことしますけどw) 愛しのロクサーヌもいいです、銃弾飛び交う戦場に、食料とワイン満載の馬車で乗り付けるなんて、なかなかどうして。ジュリエットといいロクサーヌといい、なにげに行動力ある女性なんですよね。そこいらが、再認識って感じです。 2009/7/14(火) 読了
Posted by
誇り高くてかっこよくて、同時に臆病でいじらしい。 とくに、最後の台詞が好きです。恥ずかしながら暗記してます。 嫌なことがあったりして「ちぇ、損した」なんてみじめでさもしい気分になりそうなときに、声に出さずに唱えると、えい!と胸を張れる気がするのです。この本は、私の宝物です。
Posted by
訳がちょっと古いけどストーリーは大好き! この雰囲気のままでもう少し現代語っぽいの出ないだろうか……
Posted by
この訳が特に好きです。 ラストの尼寺の場面は何度読んでも泣ける。 「モリエエルは天才にしてクリスチャンは美男なりき」
Posted by
恋あり、冒険あり、涙ありの大娯楽作だと思いました。戦闘シーンで盛り上がる所に、恋の盛り上がりも重ね、恋愛の雪崩が戦闘シーンへとつながる……。素敵です。そして主人公シラノ・ド・ベルジュラックが本当に魅力的です。ロクサアヌは、最初なんだかイヤな女だなあと思っていましたが、戦場の中危険...
恋あり、冒険あり、涙ありの大娯楽作だと思いました。戦闘シーンで盛り上がる所に、恋の盛り上がりも重ね、恋愛の雪崩が戦闘シーンへとつながる……。素敵です。そして主人公シラノ・ド・ベルジュラックが本当に魅力的です。ロクサアヌは、最初なんだかイヤな女だなあと思っていましたが、戦場の中危険を顧みずクリスチャンを追って来るあたり、なんて可愛らしいんだと思ってしまいました。この話、シラノもロクサアヌもクリスチャンも、みんな実は可哀想。だからシラノが犠牲を払っているような話の構造でも悲惨な感じがしないのだと思います。むしろ爽快感が残るこの読後感が素晴らしいと思いました。
Posted by