絵のない絵本 の商品レビュー
かれこれ15年近く前のこと。 覚えていない(2014年記載)が、いま娘がこの本を手にした。岩波文庫は字も小さく、訳文も固そうだったので、新たに角川文庫版を買った。どれくらい訳文違うのか、比較して読んでみたらを言ってみた。 これ(アンデルセン)を読んで旅が好きになってくれると嬉し...
かれこれ15年近く前のこと。 覚えていない(2014年記載)が、いま娘がこの本を手にした。岩波文庫は字も小さく、訳文も固そうだったので、新たに角川文庫版を買った。どれくらい訳文違うのか、比較して読んでみたらを言ってみた。 これ(アンデルセン)を読んで旅が好きになってくれると嬉しいです。
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絵よりも絵画的。 物語を読むだけで、美しい情景が、細やかな旋律が脳裏に浮かぶ。 月ってかすかな切なさを演出するのにうってつけの装置だと思う。
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町に出てきた孤独な絵描きに、月はさまざまな物語を語って聞かせる。 見知らぬ街でも月だけが見慣れた相手であり、彼の孤独をなぐさめてくれた。 33編の美しい物語。 物語というか、月が見たところのなんともロマンティックな風景の描写ともいえようか。 アンデルセンが旅行好きだっ...
町に出てきた孤独な絵描きに、月はさまざまな物語を語って聞かせる。 見知らぬ街でも月だけが見慣れた相手であり、彼の孤独をなぐさめてくれた。 33編の美しい物語。 物語というか、月が見たところのなんともロマンティックな風景の描写ともいえようか。 アンデルセンが旅行好きだったこともあって、舞台は様々なところにまで及びます。
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じんわりと情景が浮かぶ。心の奥のほうから感情があふれ出る。 全部の話の絵を描いて自分だけの絵本を作りたいなあと思い続けて幾星霜、まだ4割くらいです。映像作りたいくらい。何度でも描きたくなる素敵な本。
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貧しい絵描きが、月が語る物語をそのまま言葉にした、という枠組みの中で繰り広げられる物語集。ひとつひとつは数ページの、ごく短いもので、しかも「物語」として見た時には、決しておさまりのいいものばかりではない。説明が全くなかったり、いきなり断ち切られていたり、一瞬の情景描写のみであっ...
貧しい絵描きが、月が語る物語をそのまま言葉にした、という枠組みの中で繰り広げられる物語集。ひとつひとつは数ページの、ごく短いもので、しかも「物語」として見た時には、決しておさまりのいいものばかりではない。説明が全くなかったり、いきなり断ち切られていたり、一瞬の情景描写のみであったり。物語や小説というよりも、まさに一枚絵に近い。けれど「語らないことで全てを語る」ということに成功しているのも、確かである。 深く痛烈な悲劇、甘やかなエロス、愛らしい日常、ジョークのようなオチ、ありとあらゆる種類の人間の断片があり、そしてそれらは全て、「月」というはるかな高みから見下ろす一瞬の出来事に過ぎないという(ある意味では冷ややかな)いかにも芸術家らしい作品だ。 私個人は、第五夜と第十六夜、そして第十九夜が印象に深いけれど、この物語たちは、普通の小説のように深く書き込まれていたら、とても読めないと思う悲劇である。だから、私はもしこの作品の中で一番を選ぶとしたら、微笑ましい第三十三夜を選ぶと思う。
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