明治百話(上) の商品レビュー
聞き取り書きの特性でもあり、欠点でもあるのだが、さーっと読むには読みにくい。明治人たちの等身大の証言としてはとても大切。
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明治はじめの頃の様子を一般人から聞き書きしたものをまとめたもの。一般人と言いつつ初っ端から時代劇でもお馴染みの首斬り役人山田朝右衛門の最後の当主の話から始まる。 この最後の山田朝右衛門の話を電車の中で読んでいたら、ちょっと生々しい記述に無意識ながら思いっきり顔をしかめていたのだと思う。たまたま電車に乗り込んできた人に怪訝な顔を向けられてしまった。 これは上巻で、下巻もあるが、時代の移り変わりをみた老人たちから聞き取った「生」の話は面白い。話題はタイトルに百話とあるくらいで多岐に渡っているが、数ページに短くまとめられて読みやすい。 今でも年配者が「昔は今と違ってこうだったから良かった」というような、昔を懐かしむ愚痴をこぼす。著者の篠田鉱造がいつごろインタビューをしたか知らないが、明治の老人たちもやはり「今は昔と違って・・・」とこぼしているところに苦笑い。 そういえば「徒然草」でも兼好法師が、「今」という時代を愚痴っている。今から600年も前の坊さんが・・・。 しかし、聞くところによれば古代エジプト文明の残した遺物にも昔は良かったと愚痴ったヒエログリフが残っているのだとか。 だとすれば現代とはどれだけ酷い時代なのやら・・・。古人は愚痴をわざわざヒエログリフにまで残したかったのか?昔を懐かしがる気持ちというのは普遍的なものなのかもしれない。いやはや古人とは・・・。
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明治初頭、時代の移り変わりを生きた名も無き人たちから聞いた様々な逸話を集めた本です。名も無きと言いながら、さすが激動の時代に生きてきた人達が語る話だけあり、内容は実に多種多様で、その一つ一つが魅力的です。少しだけ例を挙げると、こんな感じです。 <歴史上の人物にまつわる話> ・...
明治初頭、時代の移り変わりを生きた名も無き人たちから聞いた様々な逸話を集めた本です。名も無きと言いながら、さすが激動の時代に生きてきた人達が語る話だけあり、内容は実に多種多様で、その一つ一つが魅力的です。少しだけ例を挙げると、こんな感じです。 <歴史上の人物にまつわる話> ・岩倉具視の警護を努めた側近達の話 (刺客に斬りつけられてお堀に落ちた岩倉を背負って避難したとか) ・木戸孝允や井上馨の奥方の髪を結った女髪結いの思い出話 (木戸の奥方は、ご維新の時に「いつ自分も切られるかもしれない」と覚悟していた話をこの髪結いに語ったそう) <時代の移り変わりを生きる庶民のおもしろ話> ・電話線が架設された当初、大工たちが切支丹の魔法だと珍しがって電話線を引っ張って断ち切ってしまい、拘留に処させられた話 ・牛肉を食べようとすると祖母が神棚に不浄を詫び始めるので、庭先に鍋を持ち出して食べていた話 <職業にまつわるあれこれ> ・首切り役人一家に生まれた男が語る様々な当時の有名人の最期の様子 ・髪結屋が「ざんぎり」屋に様変わりし、官軍や若殿様などの髪を刈りまくった話 新たな文化が怒涛の勢いで流入してくる一方で、未だ江戸の名残を留めているものも数多く存在する…そんな時代の生の姿が、この本に収録された逸話から手に取るように伝わってきます。また、どの話も喋り言葉で収録されているので、語る人物の姿が目に浮かぶようです。歴史というものは教科書に載っている無味乾燥な単語の羅列ではなく、その時代を一生懸命生きてきた人達が作り上げたものの積み重ねだということを感じさせてくれる本です。
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「幕末百話」に続き読了。上巻は幅広い話題をまさに50話。 著者が実際に当時の人々から聞いたものを纏めたものであり、明治の人々の生活の息吹を感じることができる。 それも老若男女、様々な身分の登場人物があり、飽きることがない。 ストーリー性がなく些細なことではあるが、新しい発見もあ...
「幕末百話」に続き読了。上巻は幅広い話題をまさに50話。 著者が実際に当時の人々から聞いたものを纏めたものであり、明治の人々の生活の息吹を感じることができる。 それも老若男女、様々な身分の登場人物があり、飽きることがない。 ストーリー性がなく些細なことではあるが、新しい発見もあり、面白い。 幕末もそうだが、明治も時間の流れがゆったりとしていて、人間の本来の性にあった時間の流れのような気がする。 当時はまだ日本古来の伝統文化、日本の良さを”生活の中”に維持していた時代であり、日本人として忘れてはならないことを思い起こす。 ほんの一例ではあるが、表題「明治の質素倹約風」では、武家時代の家風が明治の家庭へ伝わって、質素倹約を基として、贅沢を怖れることは非常なものであった、とある。
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明治を生きた人々からの聞き書き集。一般国民は何だか知らない間に徳川時代が終り、明治という日を迎えたのだなあ…と感慨深い一方、淡々と、かつタフに生きる市井の人々の姿に胸が熱くなります。
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『幕末百話』を読んだら、次はやっぱりこれでしょう。実は幕末と明治って、かなり地続きな時代ではありました。が、やっぱり明治はどこか「変」なのです。奇妙な亀裂があるような、あるいはそう大差ないようななんとも微妙な落差を感じ取れる一冊だと思います。
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ありがちな言い方ですが、明治に生きた人々の息遣いが伝わる談話の数々です。著名人もちらほら現れますよ。
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最後の首切役人の話から床屋の話まで。 明治という変遷激しい時代の100のエピソード。 下巻が行方不明・・・。
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