犯罪と刑罰 の商品レビュー
・明確性の原則 ・罪刑法定主義 ・法の下の平等 ・残酷な刑罰の禁止 ・被疑者や被告人の人権保障 といった、現代では当たり前と思われている理論について、フランス革命以前のまだ中世的な権威が蔓延る時代に危険を承知で主張していることに感心した。 啓蒙主義のもとで、特に社会契約論と功利主...
・明確性の原則 ・罪刑法定主義 ・法の下の平等 ・残酷な刑罰の禁止 ・被疑者や被告人の人権保障 といった、現代では当たり前と思われている理論について、フランス革命以前のまだ中世的な権威が蔓延る時代に危険を承知で主張していることに感心した。 啓蒙主義のもとで、特に社会契約論と功利主義の立場から刑法について論じたベッカリーアは、今の刑法の礎をつくった功績者の一人。
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近代ヨーロッパ刑法思想の礎となる、刑法学の古典「犯罪と刑罰」。ボクは、法律は全くのシロウトだが、書いてある内容はいま読んでもだいたい違和感なく入ってくる。しかし、初版が書かれたのは1764年、フランス革命の25年前のイタリアだ。すなわち絶対王政かつキリスト教がたいへん強い時代であ...
近代ヨーロッパ刑法思想の礎となる、刑法学の古典「犯罪と刑罰」。ボクは、法律は全くのシロウトだが、書いてある内容はいま読んでもだいたい違和感なく入ってくる。しかし、初版が書かれたのは1764年、フランス革命の25年前のイタリアだ。すなわち絶対王政かつキリスト教がたいへん強い時代であり、それを前提に読むと、めちゃくちゃ挑戦的な書であることがわかる。死刑と拷問の廃止を強調するとともに、「思想の自由」を犯すような刑罰が反自然的であることも主張している。しかし、ハッキリ書いてしまうと自身の立場が危うくなってしまうため、肝心な部分は、非常にもったいぶった、よくわからない例えで表現されている。刑法学の古典として読むのはもちろん、当時の時代背景を、その苦悩を味わって欲しい。
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革命以前の絶対王政下の社会の法律は、現代人から見れば法律と呼べるようなものではない。王の一声や体調、階級によって左右されてしまう非合理さは、想像するだけで耐え難い理不尽だ。
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原書名:Dei delitti e delle pene 著者:チェーザレ・ベッカリーア(Beccaria, Cesare, 1738-1794、イタリア・ミラノ、法学) 訳者:風早八十二(1899-1989、岡山県、法学)、五十嵐二葉(1932-、群馬県、弁護士)
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社会契約論の影響下に執筆された、18世紀イタリアの刑法論。本書は国家による死刑を個人の自死と同列にみなすとともに、死刑執行人に対して感じる先天的嫌悪感を隠さない。死刑廃止に心情的なものが優先しているように感じる。また、罪刑法定主義の不確立、拷問による自白の強要、罪と罰の不均衡、法...
社会契約論の影響下に執筆された、18世紀イタリアの刑法論。本書は国家による死刑を個人の自死と同列にみなすとともに、死刑執行人に対して感じる先天的嫌悪感を隠さない。死刑廃止に心情的なものが優先しているように感じる。また、罪刑法定主義の不確立、拷問による自白の強要、罪と罰の不均衡、法治によらず人治による裁判。このような法体系の時代において下される刑罰、特に死刑に対して正当性を疑うことは当然だろう。 本書が死刑廃止に説得力を持つのは、その時代背景にある。刑死による一瞬の苦痛よりも隷役による生涯に渡る断続的な苦痛の方が、犯罪の抑止になると訴える。当時は宗教上自殺が禁じられるほど、生きることそのものが苦痛に感じる者が多い時代。あくまで理屈の上だが、現代に同じ主張をするより説得力があったのではないか。 このようなヒューマニズムだけによらない議論は、本書では明瞭にされない被害者の応報感情や、正義の実現という社会の安定性の確保について改めて考えるきっかけとなるだろう。
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「すなわち、数多くのつまらない混乱したものを子供に見せず、小数の、精選された、簡明なものを見せること。」 刑事政策を学んでいる者や興味のある人にはぜひ薦めたい。 ベッカリーアによると、犯罪のない世の中は、完璧な教育で完成する。そのためにも、刑罰はできる限り緩和で、罪にあたる行為...
「すなわち、数多くのつまらない混乱したものを子供に見せず、小数の、精選された、簡明なものを見せること。」 刑事政策を学んでいる者や興味のある人にはぜひ薦めたい。 ベッカリーアによると、犯罪のない世の中は、完璧な教育で完成する。そのためにも、刑罰はできる限り緩和で、罪にあたる行為を規定する条文もできる限り少なくなければならない。重罰化は、市民の犯罪に対する重さの違い、たとえば、殺人と窃盗、を分からなくさせ、より重い犯罪を導くのでいけないと言う。非常に分かりやすい。 死刑については、刑罰はその強度ではなく、持続性が大切なので、他の市民が犯罪を思いとどまらせるためにも、一瞬で終わる死刑に反対である。そのかわり、終身刑を提唱する。 刑罰を体系的にまとめら素晴らしい本であるが、現代では受け入れられないものもある。それは、宣誓の撤廃、故意判断は直感で、自白しない者への拷問は許される等である。 最後に、なぜ漢字で表せるものを、わざとカタカナやひらがなで書いたのか分からない。その点は慣れるまで読みがたい。また、訳者のベッカリーアに対する姿勢が気持ち悪い。
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本書が、18世紀の封建的な権力であるところの主権者•教会に対抗するために法律を用いるべき、という提言のために書かれたことを考慮せず、そのまま読んでしまうことは危険であるかも知れないが、近代社会における法律の根拠とそれに伴う刑罰の限界、法律を運用する際の注意点などは現代にも通じるも...
本書が、18世紀の封建的な権力であるところの主権者•教会に対抗するために法律を用いるべき、という提言のために書かれたことを考慮せず、そのまま読んでしまうことは危険であるかも知れないが、近代社会における法律の根拠とそれに伴う刑罰の限界、法律を運用する際の注意点などは現代にも通じるものだと思う。 また、個人的には「死刑廃止論」「陪審員制度」について納得できる根拠が示されていたことが嬉しかった。
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時代にそぐわないあまりに先進的な議論。現在の刑法の大枠はこの本にあると言っても過言ではないと思った。死刑や残虐刑に対する見解も、現代に生きるわたしでさえ明快で賛同できると感じたのだから、当時からしてみればどれほど先進的な議論だったのだろうとただただ感服する。ベッカリーアの知名度が...
時代にそぐわないあまりに先進的な議論。現在の刑法の大枠はこの本にあると言っても過言ではないと思った。死刑や残虐刑に対する見解も、現代に生きるわたしでさえ明快で賛同できると感じたのだから、当時からしてみればどれほど先進的な議論だったのだろうとただただ感服する。ベッカリーアの知名度がそれほど高くないのが大きな謎。 この本の限界は人間をいわゆる2タイプに分類して考えていること。理性の備わった知識人と無知蒙昧な一般大衆。その点では現代に適用するには無理があるところもあるが、それを差し引いても充分に読む価値がある本。
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最初は、ベッカリーアはただの法律家であろうと思っていたが、決してそれにとどまるものではない。ルソーやモンテスキューに匹敵する大思想家であると思った。それなのにも関わらず、彼の知名度はあまり高いとは思えない。もっと知られるべきであろう。 彼の主張は「当時としては」非常に先進的で...
最初は、ベッカリーアはただの法律家であろうと思っていたが、決してそれにとどまるものではない。ルソーやモンテスキューに匹敵する大思想家であると思った。それなのにも関わらず、彼の知名度はあまり高いとは思えない。もっと知られるべきであろう。 彼の主張は「当時としては」非常に先進的であったと書かれているが、現代においても極めて先進的であると言えるであろう。例えば死刑廃止論がそれである。彼は「誰が人を殺すことができる権利を与えることができようか」と。たしかにそうである。刑法で殺人罪を規定しているのは、暗に「人を殺すとこれだけの(対価のない)労働が課せられる」と規定している。それなのにも関わらず、国家は人を殺す権利を案に与えられていると言うことである。これはたしかに不合理だ。そうベッカリーアは考えた。「死刑とは一人の国民に大して国家が、彼を滅ぼすことを必要あるいは有用と判断したときに布告する戦線である。」とまで喝破した。私はこの言葉に賛意を評したい。 彼は犯罪を予防する術として、「教育」と「知」を重要視した。知があれば「何が得で」「ナニが悪いのか」という分別をなすことができる。ここが犯罪を予防するうえでの重要な点である。 今の日本では教育が逆行している印象をうける。特に社会では「政経」が学ばれなくなっているのではないか。むしろ「ゆとり」と称する単に内容を減らした教育が施されている。ましてや単に量を減らしたり増やしたりするだけの教育が日本ではなされている。考える力が身につかない。 ベッカリーアはこれを見て、こう思うのではないだろうか。「日本という国の政府は、どうやら自国政府の頼りなさをさらけ出しているのだろう。まともな教育や知識を施さないと言うことは、自分が真っ当でないということの証左だ。仮に今の日本という国に住む国民にまともな知識を与えれば、瓦解までといかなくとも、かなりかわらざるを得ない。現にこの国では、人権規定や民主主義が盛り込まれた憲法を守ろうとする勢力が左翼と呼ばれていることが、このことの裏付けであると言える。」と。
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レポート課題で読みました。 読みにくかった… 言っていることは刑法の授業で最初の頃に習うことです。 つまりそれだけ礎をなしているということですが。
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