寺田寅彦随筆集(1) の商品レビュー
十代の頃読み、二十年たった今読んでも、珠玉のエッセイ集。 死ぬまで本棚にあるだろう。 心の動き、できごと、風景・・このエッセイを読むことは、美しい挿絵のある図鑑をめくるようでもある。 「どんぐり」 冬の陽光のような温かさ、 そして多くは語られないほどに強烈な悲しみ。 最初の...
十代の頃読み、二十年たった今読んでも、珠玉のエッセイ集。 死ぬまで本棚にあるだろう。 心の動き、できごと、風景・・このエッセイを読むことは、美しい挿絵のある図鑑をめくるようでもある。 「どんぐり」 冬の陽光のような温かさ、 そして多くは語られないほどに強烈な悲しみ。 最初の妻、若くして亡くなり 悲しい運命を背負っていたかわいい夏子さんとの思いで。 (肺病の妊婦を2月の植物園に連れていくのはううーん・・。) 3度の結婚と3人の妻たちのことも知りたいと思った。 「竜舌蘭」 少年期のこういう光景や心象って激しいノスタルジアだなあ。 ナイーブ魂をざわつかせて、なんだかさみしくなるので、少しずつ読もうかなと思う。 ホトトギスに掲載とかで、文学的であることを意識しすぎるきらいもあるようにも思う。
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この世で一番の贅沢は美しい自然を惜しげもなく芸術に閉じ込められることだと言い、それに匹敵するのは「読書」だと言う。彼の随筆一篇一篇を取って見ても、必ず本と読書について書いてある。相当の活字中毒者だったに違いない。勝手にライバル視っ。
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ほんっとに、ほんっとに、いろんな人におすすめしたい作品です!!!!!111 特に、理系で文学好きの諸君のために。理系のメガネで文学世界をのぞいてみましょう★ 作者・寺田寅彦は、戦前の日本の物理学者、随筆家、俳人であり、かの夏目漱石先生の門下生でもあります。つまり、寺田寅彦は、趣...
ほんっとに、ほんっとに、いろんな人におすすめしたい作品です!!!!!111 特に、理系で文学好きの諸君のために。理系のメガネで文学世界をのぞいてみましょう★ 作者・寺田寅彦は、戦前の日本の物理学者、随筆家、俳人であり、かの夏目漱石先生の門下生でもあります。つまり、寺田寅彦は、趣味:文系 / 仕事:理系、文理両道の作家です。 そういった背景を持つ寺田虎彦の、この随筆集の他作品と一線を画する要素とは…“理系人の視点からなる『世界』を理学的に、また文学的に分析している”ところです。これに尽きると思う。 まぁ、しのごの言わずに読んでみてください。理系人ならとても共感できるところが多くあると思います。 寅彦先生は、科学と文学(芸術)を“対をなすもの”としてではなく、“似て非なるもの”あるいは“同じ要素を持つもの”としてとらえ、2世界を融合しようとした作家なのです。それは本書中の『科学者と芸術家』や『物理学と感覚』などからも読み取れます。
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おもしろい。ホントに面白い。当時の世相や科学から、空いた電車に座るための考察や、家の猫の話まで多岐に渡る随筆。可笑しいやら考えさせられるやら。
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明治の物理学者の独特な視点によるエッセイ。その視点のユニークさや単に理系の説教にならない内容は、今の時代でも通用する新鮮さを保っているのが凄い
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