或る少女の死まで の商品レビュー
"少女"はだれだったのか。 死が身近だった著者の半生が美しく、生々しく描かれている。 ぼんたんぼんたん。
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著者が子供の頃の出来事を題材にした小説らしい。表題作のほか「幼年時代」「性に目覚める頃」が収められている。 二人の女性の美しさが最高潮のままに話が終わる表題作は確かにすばらしい読後感があったが、「何も小説というものを知らない間に書かれていた」(あとがきより)という前二作もな...
著者が子供の頃の出来事を題材にした小説らしい。表題作のほか「幼年時代」「性に目覚める頃」が収められている。 二人の女性の美しさが最高潮のままに話が終わる表題作は確かにすばらしい読後感があったが、「何も小説というものを知らない間に書かれていた」(あとがきより)という前二作もなかなか。むしろこっちの方が好きかも。 姉が嫁に行くために別れる場面とか。姉の身を案じてこっそり会いにいくところとか。ストーリーはただ日一日と時が経ってゆくだけで小説っぽくはないかもしれないが、先に挙げたような場面場面の描写が美しく切ないのがとても良い。著者はやっぱり詩人なんだなー・・・と感じた。
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高校時代、図書館で見つけて何度も読んだ。 主人公と共通点があったことと、作品全体の静謐な雰囲気に魅かれたのだと思う。
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室生犀星『幼年時代』『性に目覚める頃』『或る少女の死まで』3編所収。私にとっては、彼の詩を味わい、森茉莉を読み栃折久美子のことを知り、『王朝小品集』を読んで、そこから帰ってようやくしみじみ読むことができるようになった、犀星の自伝的作品。
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「日本文学」ってものが読んでみたくなって 高校生の時に買った本。 これは現代表記版。 感想は・・・覚えていない。
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2007年06月04日 室生犀星の名前は高校の文学史の時間で初めて聞きました。先生が薦めて下さった『蜜のあわれ』という本は買ったものの、大学一年生の時点では全くわからず、犀星の小説が面白いのか面白くないのか良くわからないままでした。 そういった状況の中でどうして『或る少女の...
2007年06月04日 室生犀星の名前は高校の文学史の時間で初めて聞きました。先生が薦めて下さった『蜜のあわれ』という本は買ったものの、大学一年生の時点では全くわからず、犀星の小説が面白いのか面白くないのか良くわからないままでした。 そういった状況の中でどうして『或る少女の死まで』を古本市で買ったのかわかりません。わかりませんが、買って良かった、と思っています。 感情の描写の細密さ、再現性における正確さは格別です。かと言って決して脂ぎった技巧主義を掲げているわけではなく、描写一つ一つが主人公と全く違う状況で私自身が味わった同じ感情を、自然と想起させます。 題名の「或る少女」とはやはりふじ子のことなのでしょうか。それとも「少女」とは複数の人物を指し得るのでしょうか。 室生犀星の詩、また『蜜のあわれ』を再び読んでみたくなりました。
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私の、室生さんに対するイメージががらりと変わった小説です。彼の詩はとても美しくて好きなのですが、彼自身はどうやらなかなか苦難の日々を過ごしてきたようです。 「性に目覚める頃」では本能丸出しといいますか性的倒錯といいますか。それでも、彼は経験した事に対していつもきちんと感情を持って...
私の、室生さんに対するイメージががらりと変わった小説です。彼の詩はとても美しくて好きなのですが、彼自身はどうやらなかなか苦難の日々を過ごしてきたようです。 「性に目覚める頃」では本能丸出しといいますか性的倒錯といいますか。それでも、彼は経験した事に対していつもきちんと感情を持っていて、その度にそれを言葉にして生きてきたんですね。すごく真面目な人です。詩が生まれた背景などを知る事ができたので、改めてまた彼の詩が心にしみました。
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