1,800円以上の注文で送料無料

新美南吉童話集 の商品レビュー

4.1

18件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

    5

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2021/08/29

題名だけなら覚えている作品を改めて大人になって読む。どの作品も情緒にあふれていて、ハッピーエンドのものもそうでないものも、何ともいえない気持ちになる。童話ってバカにできないな、ということを再認識。

Posted byブクログ

2021/02/10

『ごんぎつね』『手袋を買いに』といった有名なものしか読んだことなかった。もちろん、この2作は物凄く好きな作品なのだけど。 今回、いろんな作品を読んで、本当にこの作家の作品が私はとても好きだし、引き込まれる。どんどん物語の中に入ってしまう。最後の『狐』は、なんとなくどこかで読んだこ...

『ごんぎつね』『手袋を買いに』といった有名なものしか読んだことなかった。もちろん、この2作は物凄く好きな作品なのだけど。 今回、いろんな作品を読んで、本当にこの作家の作品が私はとても好きだし、引き込まれる。どんどん物語の中に入ってしまう。最後の『狐』は、なんとなくどこかで読んだことあるものだったが、今回読んで、すごいなぁと思った。この作品が1番好きかも。

Posted byブクログ

2020/12/13

子どもの頃に新美南吉の作品をいくつか読んだ事があり、もう一度読みたかった。いわゆる童話とは違うように感じていたが、作品によってその色合いが違っていた。いわゆる童話みたいに分かりやすい結末を迎えるものがあったり、どうしてこんな結末なんだろう?というものがあったり。久作君の話、屁、う...

子どもの頃に新美南吉の作品をいくつか読んだ事があり、もう一度読みたかった。いわゆる童話とは違うように感じていたが、作品によってその色合いが違っていた。いわゆる童話みたいに分かりやすい結末を迎えるものがあったり、どうしてこんな結末なんだろう?というものがあったり。久作君の話、屁、うた時計は昔読んだ時と印象が全く変わっていなかったのは、ちょっと嬉しかった。

Posted byブクログ

2019/06/25

良くも悪くも、透き通る強さをもった童話ーー物語たち。それだけに、新美南吉がもしもう少し長く生きたなら、もっといろいろなものを見たならどんなものを書いたろうかと思ってしまう。かれの書くうつくしさが、戦争の美化から切り離されることもあったろうか。其処此処に通う清い情緒の血が、もっと濃...

良くも悪くも、透き通る強さをもった童話ーー物語たち。それだけに、新美南吉がもしもう少し長く生きたなら、もっといろいろなものを見たならどんなものを書いたろうかと思ってしまう。かれの書くうつくしさが、戦争の美化から切り離されることもあったろうか。其処此処に通う清い情緒の血が、もっと濃く通うこともあったろうか。

Posted byブクログ

2019/03/21

とてもに美しい物語の数々。日本の原風景なんていう安っぽい言葉で表すのは気が引けますが、かつての人びとの暮らしや擬人化した動物たちの生活が豊かに描かれています。そしてその中に、本当に繊細な心の動きが表現されていて、これもまたチープな言い回しですが、なにか忘れていた気持ちがよみがえる...

とてもに美しい物語の数々。日本の原風景なんていう安っぽい言葉で表すのは気が引けますが、かつての人びとの暮らしや擬人化した動物たちの生活が豊かに描かれています。そしてその中に、本当に繊細な心の動きが表現されていて、これもまたチープな言い回しですが、なにか忘れていた気持ちがよみがえる気がします。 例えていうならば、よく晴れた日に干した布団のようなふかふかの、そういう物語であり、またそれを読む側もそういう心持ちにさせられます。 新奇な技巧上の試みがあったり、社会に対する鋭い批判の眼差しがあったりするわけでは決してありません。文学の価値が、そういったものだけで決まるわけではない、ということがよくわかります。 気持ちよく本を閉じることができる、そういう名作が詰まっています。

Posted byブクログ

2018/10/17

・ごん狐 ・手袋を買いに ・赤い蝋燭 ・最後の胡弓弾き ・久助君の話 ・屁 ・うた時計 ・ごんごろ鐘 ・おじいさんのランプ ・牛をつないだ椿の木 ・百姓の足、坊さんの足 ・和太郎さんと牛 ・花のき村と盗人たち ・狐

Posted byブクログ

2017/11/14

「ごん狐」や「手袋を買いに」で有名な作家ですね。こちらに収録された14篇を読んで感じたのは、童話と言えど、単純な勧善懲悪ではなく、大人になる過程で感じること、体得することを、主人公の視線を通して容赦なく描いてくるな、というところで。(その事について、良い悪いを判断するのはあくまで...

「ごん狐」や「手袋を買いに」で有名な作家ですね。こちらに収録された14篇を読んで感じたのは、童話と言えど、単純な勧善懲悪ではなく、大人になる過程で感じること、体得することを、主人公の視線を通して容赦なく描いてくるな、というところで。(その事について、良い悪いを判断するのはあくまで読み手の心なんですが。なのである意味とても道徳の教科書みたい…) 作品を書いてる時代の関係で、いわゆる時局的な表現もあり、これまた別の意味で考えさせられるものでした。

Posted byブクログ

2016/12/31

「手袋を買いに」が好きだったけど親になって読むとまた違う種類の感動に涙する。純粋な子ぎつねの坊やも可愛いけれど、坊やが子ぎつねとわかりながら手袋を渡してあげた店屋の主人にも。「最後の胡弓弾き」という話は知らなかったのだが少年から大人へ、大人から老人へと生きる時間の深み、時代の移り...

「手袋を買いに」が好きだったけど親になって読むとまた違う種類の感動に涙する。純粋な子ぎつねの坊やも可愛いけれど、坊やが子ぎつねとわかりながら手袋を渡してあげた店屋の主人にも。「最後の胡弓弾き」という話は知らなかったのだが少年から大人へ、大人から老人へと生きる時間の深み、時代の移り変わり、無情さ…しみじみと読んだ。

Posted byブクログ

2016/04/30

特に印象に残ったのは赤い蝋燭、屁、牛をつないだ椿の木。 赤い蝋燭はいかにも童話的な、動物を主人公としてた、優しくも楽しげで温かい世界が描かれ、読んでいて温かい気持ちになる。 屁という作品は児童向け童話にしては難しいのではないか。着眼点は非常に面白い。ある事件をきっかけに、主人...

特に印象に残ったのは赤い蝋燭、屁、牛をつないだ椿の木。 赤い蝋燭はいかにも童話的な、動物を主人公としてた、優しくも楽しげで温かい世界が描かれ、読んでいて温かい気持ちになる。 屁という作品は児童向け童話にしては難しいのではないか。着眼点は非常に面白い。ある事件をきっかけに、主人公の周りの世界が変わって見えてしまう。世界とは不安定なもの、というのを実にユニークな視点から描いている。この短編の末尾もまた、短刀のように心にちくりと刺してくる。 牛をつないだ、は後半での母のセリフに主人公がはっとなり改心する場面が好き。 世界も人も変わっていく。その残酷さ、無情さ、しかしそれはそれで仕方ない。その中でも人のよき心というのは変わらないはず。そこにつながりを求めたい…というような作者の想いが、全体の物語の内に、流れているメッセージのような気がした。

Posted byブクログ

2015/02/24

小学生の頃、新美南吉童話で知っていたのは教科書に載っていた「ごん狐」と「手袋を買いに」の2つでした。 特に「ごん狐」は大好きで、寂しがりやで根は悪くは無いものの、ついつい村人にいたずらをしてしまう子狐が、可愛らしくてたまらなかったものでした。 大人になってからは、新美南吉の「光...

小学生の頃、新美南吉童話で知っていたのは教科書に載っていた「ごん狐」と「手袋を買いに」の2つでした。 特に「ごん狐」は大好きで、寂しがりやで根は悪くは無いものの、ついつい村人にいたずらをしてしまう子狐が、可愛らしくてたまらなかったものでした。 大人になってからは、新美南吉の「光」の描写の上手さに驚きました。 こぎつねの可愛らしさがこれまたたまらない「手袋を買いに」ですが、雪の光、月の光、街の灯りなどの日本語描写が本当に綺麗です。 今回、この『新美南吉童話集』で初めて読んだ短篇は幾つもありましたが、どれを読んでも心が洗われる思いでした。 その初めて読んだ中でもとりわけ好きだなと思ったものは、「赤い蝋燭」と「おじいさんのランプ」でしょうか…。 また「竜宮城のような」という形容詞は、2度出て来て印象的でした。1度目は「最後の胡弓弾き」、2度目は「おじいさんのランプ」です。 最後に蛇足でありますが、 チェコの童話作家でもあり挿絵画家でもあるヨゼフ・ラダも大好きでして、 ヨゼフ・ラダも新美南吉も、どちらも明るくほのぼのとしたユーモアを根底には持ちつつ、牧歌的な風景を描くのが得意な童話作家かな…と、個人的には思っております。

Posted byブクログ