屋上登攀者 の商品レビュー
RCC創立者、滝谷の「藤木レリーフ」で有名な藤木九三の著書。ずっと「きゅうぞう」と読んでいたが、正しくは「くぞう」であったことを本書で知った。 大島良吉しかり、この時代にあって大学に行き、洋行し、案内人を雇って山に登る富裕層・エリート階級の人たちが綴る山の本はなぜか鼻持ちならない...
RCC創立者、滝谷の「藤木レリーフ」で有名な藤木九三の著書。ずっと「きゅうぞう」と読んでいたが、正しくは「くぞう」であったことを本書で知った。 大島良吉しかり、この時代にあって大学に行き、洋行し、案内人を雇って山に登る富裕層・エリート階級の人たちが綴る山の本はなぜか鼻持ちならない。限られた人たちがやる山登り、それを通じてみられる景色、それらから綴られる詩。陶酔しているなと感じてしまう。 全体的な所感はこんなものだが、加藤文太郎や好日山荘創立者の話や、藤木九三が翻訳編纂したクライミング教本から「懸垂」、「捨て縄」などの用語が生まれたことなど、心くすぶられるところもあった。
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タイトルに惹かれて、藤木九三さんの本を初めて読んでみました。 読んですぐ感じたのは山に対して、謙虚で真摯であるということ。 クライミング系の本は色んな人が書いたメラメラした登攀記も面白く読ませてもらっていますが、山を通しての自分を表現したものばかりです。 山についてのみ考えている...
タイトルに惹かれて、藤木九三さんの本を初めて読んでみました。 読んですぐ感じたのは山に対して、謙虚で真摯であるということ。 クライミング系の本は色んな人が書いたメラメラした登攀記も面白く読ませてもらっていますが、山を通しての自分を表現したものばかりです。 山についてのみ考えている筆者の態度は美しく、この筆者の他の本はどんなもの何だろうと気になってしまいました。 山を感じるために自分の個性を出さないように努め、そうありたいと冀っている。 この本は敢えて個性を出すが、その心が、企てが、山を汚し、山を侵し、山を攀ずる人々の気持ちを損うような結果をもたらしはしないかを、ひたすらに慴れる。 冒頭でこのように綴る筆者の奥ゆかしさに感心せずにはいられませんでした。
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