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翻訳語成立事情 の商品レビュー

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29件のお客様レビュー

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2015/07/31

ハイデガー入門を読んだ後のせいか、 本書で取り上げられていた、 「存在」という言葉の成立ちについて色々考えてしまう。 そもそも「存在と時間」という題も正確なのだろうかと。 翻訳語の特殊性や、 成立ちを知ることは意外と面白く、知らないだけで こんな言葉がほかにたくさんあるのだろう...

ハイデガー入門を読んだ後のせいか、 本書で取り上げられていた、 「存在」という言葉の成立ちについて色々考えてしまう。 そもそも「存在と時間」という題も正確なのだろうかと。 翻訳語の特殊性や、 成立ちを知ることは意外と面白く、知らないだけで こんな言葉がほかにたくさんあるのだろうなぁ。

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2015/04/21

20140420 普段普通に使っている言葉が明治以降の言葉だという事に新鮮な驚きがあった。今のメール文化からも同じような事が起きるのだろうか。何十年後の事を想像するのも楽しい。

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2014/05/03

凄く面白かった。これまで、こういった「言葉」について書かれた本をあまり読んでなかったというのもあるけど、「言葉」というものを扱う視点というものが様々あり、手前勝手に濫用してよいものではないのだなと色々勉強になった。本作で扱われる言葉は10例程だけど、そこに様々な切り口からその訳語...

凄く面白かった。これまで、こういった「言葉」について書かれた本をあまり読んでなかったというのもあるけど、「言葉」というものを扱う視点というものが様々あり、手前勝手に濫用してよいものではないのだなと色々勉強になった。本作で扱われる言葉は10例程だけど、そこに様々な切り口からその訳語の成立の経緯を紐解いていく様に知的好奇心を刺激される。 昔の日本には「恋愛」という言葉は無かった。それは「恋愛」という概念が無かったというよりも「Love」という言葉の示す範囲の、高尚な「色恋」を指すものが無かったという。そこで、「恋愛」という、その時点では全く意味を持たない熟語が生まれ、その中身が「Love」という概念で埋められたという。

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2013/09/18

勝手な意味を作る言葉の厄介な性質/柳父章『翻訳語成立事情』 - ピアノ・ファイア http://d.hatena.ne.jp/izumino/20130823/p1

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2013/08/22

明治以降、西洋思想を翻訳するにあたりいかなる言語操作が行われてきたかを、いくつかの単語に照準を合わせて解明する。漢籍に全く用例がない造語や、漢籍とは違う意味で翻訳語として用いたりと、西洋言語を怒涛の勢いで輸入してきた日本語体系が明治以降いかに変遷し、また西洋思想も日本語特有のニュ...

明治以降、西洋思想を翻訳するにあたりいかなる言語操作が行われてきたかを、いくつかの単語に照準を合わせて解明する。漢籍に全く用例がない造語や、漢籍とは違う意味で翻訳語として用いたりと、西洋言語を怒涛の勢いで輸入してきた日本語体系が明治以降いかに変遷し、また西洋思想も日本語特有のニュアンスによってもとの意味が弱められて理解されていった事情がわかりやすくまとめられている。

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2013/03/16

全体像を観るというよりは、いくつかの特定の訳語の成立事情をみていくスタイルで章立ては訳語ごとになっている。当時の文献なども引用されていて興味深いのはたしかなのだが、全体にどいういうわけかすらすら読んでいく気になれない退屈さがある。

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2012/11/17

翻訳語が生まれてくる背景について論じたもの。 全10章に分かれており、社会・個人・近代・美・恋愛・存在・自然・権利・ 自由・彼、彼女という翻訳語について成立背景を述べる。 翻訳に際しては、西洋の理屈が高尚だという考えがあったようだ。 全編通じて著者のいう「カセット効果」が述べられ...

翻訳語が生まれてくる背景について論じたもの。 全10章に分かれており、社会・個人・近代・美・恋愛・存在・自然・権利・ 自由・彼、彼女という翻訳語について成立背景を述べる。 翻訳に際しては、西洋の理屈が高尚だという考えがあったようだ。 全編通じて著者のいう「カセット効果」が述べられている。 以下、備忘録として引用。 1.Societyについて 「社会」という訳語が造られ定着した。しかし、このことは「社会」―Societyに対するような現実が日本にも存在するようになった、ということではない。 著者がいう翻訳語の特徴→先進文明を背景に持つ上等舶来のことばであり、同じような意味の日常語と対比して、より上等、より高級という、漠然とした語感に支えられている。 2.個人 福沢諭吉の「人」という訳語の場合、読者は勿論完全に理解できる。それだけに、原語のindividualと「人」との間の、意味のずれた部分は読者に伝わらない。 「四角張った文字」の意味が原語のindividualに等しくない。 この新しい文字の向こう側にindividualの意味がある。と約束がおかれるが、これは翻訳者が勝手においた約束事のため、基本的に読者にはわからん。ただ、読者側も何か重要な意味があると受け取ってしまう。このことを「カセット効果」という。 cf.7.自然:実はよく意味が分からないが、重要な意味がそこには込められているに違いない。 そういう言葉から、天降り的に、演繹的に深遠な意味が導き出され、論理を導く。 3.近代 1つのことばが、要するにいいか、わるいかと色づけされ、価値付けされて人々に受け止められる。 これは日本における翻訳語の重要な特徴の一つ。 modernの翻訳語としての「近代」の意味は辞書などからは時代区分の意味である。1950年代に正式用語として認知。 が、成立後半世紀もの間、その他の意味によって私たちの間に使われていた。この矛盾したような現象も重要な特徴である。 ことばの意味が多義的であるのは、そもそもその言葉の意味というものがほとんどないからである。意味が乏しいから流行し、乱用され、だからこそ多義的になる。 6.存在 翻訳に適した漢字中心の表現は他方、学問・思想などの分野で、翻訳に適さないやまとことば伝来の日常語表現を置き去りにし、切り捨ててきた。 こういうところから、哲学などの学問を組み立ててこなかった。 8.権利 民権家たちは政府の「権」に対して、自分たちもまた本質的にそれと等しい「権」を求めた。例えば、民権家たちの求めたのは、まず参政権など政治にあずかる「権」であった。基本的人「権」のような「権」はあまり問題にされなかった。

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2012/01/24

翻訳語にまつわる違和感を正面切って解説してくれている良著。田山花袋を例に挙げた日本の小説での奇妙な「彼」の使い方とか、翻訳語は翻訳語らしくしていたほうが都合が良いとか、興味深い話題ばかりだった。

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2011/08/02

明治期に翻訳の必要性に迫られて生まれ、今日ではごく普通の語として使われる「社会」「個人」「近代」「存在」「権利」等の翻訳語の発生と、それらに共通する特性について。 伝来する意味を持たない翻訳語に特有の「よく分からないが有り難みがある」という印象が持つ効果を柳父氏は『カセット効果』...

明治期に翻訳の必要性に迫られて生まれ、今日ではごく普通の語として使われる「社会」「個人」「近代」「存在」「権利」等の翻訳語の発生と、それらに共通する特性について。 伝来する意味を持たない翻訳語に特有の「よく分からないが有り難みがある」という印象が持つ効果を柳父氏は『カセット効果』と名付けて一連の説明に用い、異文化受容について独自の論を述べる。

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2011/05/17

[ 内容 ] かつて、この国に「恋愛」はなかった。 「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。 社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人...

[ 内容 ] かつて、この国に「恋愛」はなかった。 「色」や「恋」と区別される“高尚なる感情”を指してLoveの翻訳語がつくられたのは、ほんの一世紀前にすぎない。 社会、個人、自然、権利、自由、彼・彼女などの基本語が、幕末―明治期の人びとのどのような知的格闘の中から生まれ、日本人のものの見方をどう導いてきたかを明らかにする。 [ 目次 ] [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]

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