チリンのすず の商品レビュー
復讐は何も生まない、遂げたところで虚しさが残る。結果的に相手と同じ行為を犯した時に、もう元の自分には戻れない。 チリンは学ばせてくれる。
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あぁ〜やなせたかし先生はなんて天才なんだ…。アンパンマンだけでも十分すぎるくらいすごい大天才なんだけど、その陰に隠れたこんな名作も描かれていたなんて…。 子ども向けに描かれてはいるけど内容は大人の鑑賞に耐えうる。単純な「良いお話」で終わっていないところが素晴らしい。 国語の教科...
あぁ〜やなせたかし先生はなんて天才なんだ…。アンパンマンだけでも十分すぎるくらいすごい大天才なんだけど、その陰に隠れたこんな名作も描かれていたなんて…。 子ども向けに描かれてはいるけど内容は大人の鑑賞に耐えうる。単純な「良いお話」で終わっていないところが素晴らしい。 国語の教科書に載せていいんじゃないかな。 いつかアンパンマン大好きの娘が大きくなったら読んでもらいたい作品。
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やなせたかしワールド全開。 こどもの読む絵本としてはあまりに深い、こどもの知性への信頼の大きさに驚かされる一冊。 ネタバレ絶対避けたいのでなにも書きませんが、大人に読んでほしい、そして感動してる様を傍にいるこどもに見せつけてほしい。 ストーリーにも、ことばひとつひとつのチョイ...
やなせたかしワールド全開。 こどもの読む絵本としてはあまりに深い、こどもの知性への信頼の大きさに驚かされる一冊。 ネタバレ絶対避けたいのでなにも書きませんが、大人に読んでほしい、そして感動してる様を傍にいるこどもに見せつけてほしい。 ストーリーにも、ことばひとつひとつのチョイスにも、考えさせられるものがある。 かなしい、だけでは済まされない、良かったとは言えない、名作「ごんぎつね」にも通じる読後感。
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嗚呼…… 。 (泣) ネタバレになってはいけないので、ストーリーは書きません。胸打たれる 感動作でした…。 ぜひとも、読んで、この作品に、胸を撃ち抜かれていただきたいです。 チリンの すずで おもいだす やさしい まつげを ほほえみを チリンの すず...
嗚呼…… 。 (泣) ネタバレになってはいけないので、ストーリーは書きません。胸打たれる 感動作でした…。 ぜひとも、読んで、この作品に、胸を撃ち抜かれていただきたいです。 チリンの すずで おもいだす やさしい まつげを ほほえみを チリンの すずで おもいだす このよの さびしさ また かなしみ
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終戦記念日に読む。 子羊チリンは、オオカミのウォーに母親を殺されてしまう。チリンはウォーに弟子入りを申し出る。ウォーはみんなの嫌われ者だったから、チリンが弟子入りを志願してきたとき嬉しかった。 ウォーは熱心に指導し、チリンは強く逞しくなり、その様はオオカミさながら。ウォーとふ...
終戦記念日に読む。 子羊チリンは、オオカミのウォーに母親を殺されてしまう。チリンはウォーに弟子入りを申し出る。ウォーはみんなの嫌われ者だったから、チリンが弟子入りを志願してきたとき嬉しかった。 ウォーは熱心に指導し、チリンは強く逞しくなり、その様はオオカミさながら。ウォーとふたりで羊小屋を襲う予定だった日、チリンはウォーを殺して母親の敵討ちを果たす。ウォーは、お前に殺されて良かったと言って死んでいく。 チリンの心は晴れない。チリンは、恨んでいたはずのウォーを父親のように慕っていた自分に気付き、羊の群れにも戻らず、ひとりぼっちで生きていく。 殺し合い・破壊・暴力で何かを解決しようとしても虚しい連鎖が起こるばかり。完全な悪人はいない。敵も誰かの息子娘であり、もしかしたら誰かの親かもしれない。 チリンは父(的存在)も母も暴力で失ったことになる。一方は自分の手で殺めてしまった。 大切な人を殺された立場、殺してしまった立場、どちらの視点もチリンの中にある。 世界の縮図をみている気持ちになったし、チリンが兵士の姿にも重なった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
首に鈴を下げた小さな子羊が、ある日突然オオカミによる群れの襲撃でお母さん羊を失う。子羊はその足でオオカミのいる山に登り、弟子入りを願う。 復讐せずにいられない気持ち。 復讐を原動力にした信じられないエネルギー。 仇は永遠に仇ではいてくれないということ。 そして復讐を遂げて残るのは穴の空いたさみしい心。 どうにも寂しい、すさんだ気持ちで絵本を閉じた。 小さな子どもたちも、チリンの物語を追いかけてこの寂しさに至るのだろうか。どんな感想を持つのか気になるところ。 「復讐」のありさまを描いた1冊。
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寝る前に息子と絵本を読みました。 家族で高知に旅行した際に「アンパンマンミュージアム」で購入した、『チリンのすず』です。 「アンパンマン」の大ヒットで有名な"やなせたかし"さんの初期の作品です。 狼の"ウォー"に母親を殺された子ひつ...
寝る前に息子と絵本を読みました。 家族で高知に旅行した際に「アンパンマンミュージアム」で購入した、『チリンのすず』です。 「アンパンマン」の大ヒットで有名な"やなせたかし"さんの初期の作品です。 狼の"ウォー"に母親を殺された子ひつじの"チリン"は、ある日"ウォー"を訪ね「ぼくもあなたのような つよいおおかみになりたい。ぼくをあなたのでしにしてください。」と頼みます。 クリックすると元のサイズで表示します "チリン"は"ウォー"の厳しい訓練に耐え、強い獣となり二匹で山々を暴れまわりますが、、、 或る夜、"チリン"は"ウォー"を裏切り、仇討ちを果たします。 母親の復讐とはいえ、、、 親子同然に暮らしてきた"ウォー"を殺したことで、"チリン"の悲しみは、より一層深くなる… という、なんだか辛く悲しい物語です。 暴力(武力)に対し、暴力(武力)で返しても何も得るものはないんだ… ということを、少しでも息子が感じてくれるとイイですね。
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この絵本のことを何で知ったのだろう。新聞記事かな,それともだれかのFBだったかな。この絵本は,チリンという羊の子どもとウォーというオオカミとの物語。 ウォーは,チリンのお母さん羊を食べてしまったのですが…。 一方的な悪はいない,というのが作家やなせたかしさんの世界です。あの...
この絵本のことを何で知ったのだろう。新聞記事かな,それともだれかのFBだったかな。この絵本は,チリンという羊の子どもとウォーというオオカミとの物語。 ウォーは,チリンのお母さん羊を食べてしまったのですが…。 一方的な悪はいない,というのが作家やなせたかしさんの世界です。あの有名なアンパンマンに出てくるバイキンマンも,どこか憎めません。下手をすると,バイキンマンの方が人気があるかもしれませんよね。ドキンちゃんも同じ。あの悪役がいてこその「アンパンマン」です。 「チリンのすず」には,自然界の掟(弱肉強食)を否定する意外な内容が出てきます。が,それは新しい弱肉強食の世界でもあります。チリンは,その矛盾に気付くのですが,どうすることもできません。 あなたが「わたしの敵だ」と思っている人は,あなたを育ててくれた人ではありませんか? その人がいなかったら,今のあなたはありますか? そんなことを自問自答することでしょう。 合掌!
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絵本を超えた一遍の文学作品としても遜色ないほどクオリティの高い絵本です。 世代を越えて問いかけるそのテーマは「喪失」と「無常」。 やなせたかしさんの描く愛らしい仔羊のチリンが変貌していく様(さま)に読み手は惹きこまれていくでしょう。 10年、20年、30年と時を経て読み返してみて...
絵本を超えた一遍の文学作品としても遜色ないほどクオリティの高い絵本です。 世代を越えて問いかけるそのテーマは「喪失」と「無常」。 やなせたかしさんの描く愛らしい仔羊のチリンが変貌していく様(さま)に読み手は惹きこまれていくでしょう。 10年、20年、30年と時を経て読み返してみてください。 世の中の酸いも甘いも経験した大人になってから読むと、より深くこの作品のメッセージが心に響くのではないでしょうか。 もちろん、子どもの頃に出会っていれば、こんなに幸せなことはありません。 この作品に感動できる子はその後も豊かな読書人になっていくことでしょう。 なぜなら、読み終わっても永遠に心に問いかけるテーマを持っているからです。 その答えを探す旅は人生そのものです。
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ひつじのチリンが、母親を殺したオオカミに復讐を誓い、強くなっていく物語。 成長すること目標に向かって努力し到達すること。何かを得るために犠牲にしたもの。周りの状況や環境、考え方や価値観なども変わりゆくこと。そしてその時に感じる矛盾。寂寥感。戻れない過去への思慕。さまざまな人生や社会のいろいろを示唆してくれる物語だが、お話としては決して甘くなく、厳しく悲しく救われない物語。 (ちなみに私は、このお話のアニメ版を幼稚園で見て、その後の人生に影響するほどのトラウマになりました‥)
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