1,800円以上の注文で送料無料

五分後の世界 の商品レビュー

3.9

329件のお客様レビュー

  1. 5つ

    105

  2. 4つ

    98

  3. 3つ

    74

  4. 2つ

    26

  5. 1つ

    3

レビューを投稿

2009/10/04

主人公小田切が突如迷い込んだ世界は、国民が26万人に激減しアンダーグラウンドと呼ばれる地下組織を拠点に未だ駐留する国連軍とゲリラ戦を展開する「五分後の」日本だった…なにより鮮明に詳細に語られるのがパラレルワールドそれ自体の描写ではなく、そこで行われる生々しい戦闘であり文化活動であ...

主人公小田切が突如迷い込んだ世界は、国民が26万人に激減しアンダーグラウンドと呼ばれる地下組織を拠点に未だ駐留する国連軍とゲリラ戦を展開する「五分後の」日本だった…なにより鮮明に詳細に語られるのがパラレルワールドそれ自体の描写ではなく、そこで行われる生々しい戦闘であり文化活動であり、そしてなによりもアンダーグラウンドの背景に流れる日本国民としての思想である。「外側は敵だらけっていう時に差別なんかしてるヒマがあるか」「彼らが得た貴重な情報を正確に伝えるためには、戦い続けるしかなかったのだ」「敵にもわかるやりかたで、世界中が理解できる方法と言語と表現で、われわれの勇気とプライドを示し続ける」…愛国心教育について、などという議論は無駄だ。戦争においてしか愛国心を実感できないなんていう事はありえない。主権国家の国民として、そもそも国家に住む者として愛国心は絶対に必要だ。nationalismとpatriotismを何れも「愛国心」と訳して混同してはいけない。前者は「国家主義、民族主義」であり後者が真の意味での「愛国心」である。nationalismは他者を相対評価するのに対しpatriotismは自身を絶対評価する。民族主義は自分たちの民族と他民族を区別し時には差別する元となり得るが、愛国心とは己の住む土地を愛し高めていこうとする力だ。「自分のことを自分で決めて自分でやろうとすると、よってたかって文句を言われる」「あたりを窺って言いなりになるチャンスを待ってる」現在の日本人は「自分の生命を大切にしない人間が、他の人間の生命を大切に思うことはできない」ことすらわからなくなってしまっているのか。

Posted byブクログ

2009/10/04

五分後の世界の日本人はみんなとにかくステキだと思う。同じ日本人のはずなんだけど・・・。 特に作中の社会の教科書の内容は現代の日本人としては熟慮して余りある内容。 小説としても当然ピカイチだが政治的にも非常に考えさせられる。 何度も読み返してしまう非常に秀逸な作品。

Posted byブクログ

2009/10/04

時計の時間を合わせたのがずさっときた。どんなありえない状況におかれても、 いつか染まってしまうものなのか。

Posted byブクログ

2009/10/04

ミズノ少尉に惚れた!笑(いやマジですけど) 一ヵ月後、一年後、とまた読み返したいと思った本。読んでる途中、ストーリーを先読みしてみた。でもそれはことごとく外れて、あぁ、こんなもんじゃないんだなと自分の小ささを感じた。

Posted byブクログ

2009/10/04

強烈!! この一言につきます。こんな世界があっていいものか・・ 強くならねば! とずーんと考えさせられます。 でもすっごいお勧め。いろんな意味で心に残るから。

Posted byブクログ

2009/10/04

村上龍の出番だ。 初めて読んだのがコレ。あっという間に読み終えた。 粗野な文体とエロ描写はとても世界観があって好きだ。 話自体もシンプルで、単純な構造がいい。

Posted byブクログ

2009/10/04

五分間だけずれた日本という国。太平洋戦争の終戦から歴史はずれ始め、「イマ」の日本とはかけ離れた平等で礼儀正しく誇りのある民族になっている。 現代〜近未来にかけてのSF小説の中でも日本の天皇・政府について明言する珍しい作品。僕的には少し文体が固く、読みづらい印象もありましたが、題...

五分間だけずれた日本という国。太平洋戦争の終戦から歴史はずれ始め、「イマ」の日本とはかけ離れた平等で礼儀正しく誇りのある民族になっている。 現代〜近未来にかけてのSF小説の中でも日本の天皇・政府について明言する珍しい作品。僕的には少し文体が固く、読みづらい印象もありましたが、題材や内容が面白いため星4つです

Posted byブクログ

2009/10/04

通常の日本とは違う5分ずれた日本の世界を描いている作品。 日本はまだ戦い続けていた。 戦闘シーンがエグイです。

Posted byブクログ

2009/10/04

『限りなく透明〜』から2度目の村上龍。死体とか傷の描写とか相変わらずエグいけど、面白かった。ハードボイルドでかっこよかった。

Posted byブクログ

2009/10/04

気づいたら、謎の行軍に混じって歩いていた主人公。そこはパラレルワールドの日本。日本人は戦後連合軍の支配に抵抗して地下に潜伏・ゲリラ活動を続け、激しい戦闘を繰り返しながら生きる。 リアルな戦闘シーン。ヘンな句読点でブツブツの文章が逆に流れを外されるというか、臨場感あって怖い。

Posted byブクログ