アンナ・カレーニナ(上) の商品レビュー
これはすごい! まずはその無駄のなさ。何のために書かれているのかわからないページ、つまりは無駄なページが一ページとしてないのだ。全ての事柄が時には伏線となり、時には美しく緻密な情景描写となっている。 これは意外に感じたことであったが、難解な思想が話の中に組み込まれていると言...
これはすごい! まずはその無駄のなさ。何のために書かれているのかわからないページ、つまりは無駄なページが一ページとしてないのだ。全ての事柄が時には伏線となり、時には美しく緻密な情景描写となっている。 これは意外に感じたことであったが、難解な思想が話の中に組み込まれていると言うことがあまりないため、読みやすい。トルストイとドストエフスキーの違いの大きな点の一つがここに隠れているように思う。つまりドストエフスキーは難解さの中に面白さを見出すことの出来る作家だが、トルストイは美しい緻密な描写を巧みに用いることにより、その場にいるかのような臨場感を作品に与えることに成功しているように思うのだ。 上巻で主になるのは各登場人物の登場シーンだが、その登場シーン一つを取ってみても、緻密で綿密な描写がなされており、彼らが、どのような心境であるのか、などと言うことが細大漏らさず理解できる。 「曖昧なまま放っておかれる」という点が、全くといっていいほどない。およそ、(?)の部分に説明が付されないことがないのだ。「曖昧な点はそのまま放っておき、読者の解釈に任せる」とする現在の風潮とは、一線を画している。現代人にトルストイが残念ながらあまり受け入れられない理由の一環も、こういうところにあるのではないだろうか。 色々な箴言と言えそうな深い言葉が、登場人物(特にリョーヴィン)の口からさりげなく語られたりするので、哲学的な楽しみ方さえもできる。 分厚い本ではあるが(上中下で1600ページ)、分厚いからと言って、あまりページ数を気にして競争するかのように急いで読むよりは、じっくりその場その場の描写を味わいつつ読んでいく方が楽しいと思う。
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題名しか知らなかったのだけど、見つけたので購入してみました。そろそろ古典大作を読みたい気分だったし。 同じロシア文学でも、「罪と罰」や「カラマーゾフ兄弟」よりも読みやすいし、おもしろい。なんとなく独特の表現とか空気があるけど、それにも慣れてきたせいかも。
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いらないところがいっぱいある気がする…。 見えなさすぎる。 って、トルストイに文句言うわたしは何者。
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ロシア文学ってなんだか敬遠しがちです。なので図書館で借りてみました。上中下の3冊もあってボリュームたっぷりだったのですが、思いの外読みやすかったです。いつかドストエフスキーを読みたい。
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「幸福な家庭はみなよく似通っているが、不幸な家庭はそれぞれに不幸である」という 名文で始まるトルストイの名作。 「戦争と平和」よりはるかに読みやすい作品です。
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タイトル・ロールであるアンナ・カレーニナとは対照的なキティとリョーヴィン、アンナの夫であるカレーニンなど、寸分まで手を抜かないトルストイ不朽の人間劇。
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文豪トルストイが全力を注いで完成させた不朽の名作。美貌のアンナが真実の愛を求めるがゆえに破局への道をたどる壮大なロマン。
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中、下と続くとても長編小説です。 まるで人生のように長いです。 僕は個人的に社交界を離れキチイと共に農地経営に精を出すリョービンが好きです。 時間のある日は狩りをします。農夫と一緒に植え付けをやったり昼ご飯を畦道で食べたりする、そんなリョービンがかっこいいです。アンナの顛末は愛の...
中、下と続くとても長編小説です。 まるで人生のように長いです。 僕は個人的に社交界を離れキチイと共に農地経営に精を出すリョービンが好きです。 時間のある日は狩りをします。農夫と一緒に植え付けをやったり昼ご飯を畦道で食べたりする、そんなリョービンがかっこいいです。アンナの顛末は愛の複雑さのように複雑です。
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不倫は幸福にはなれないという事を自分の中で再確認した本。たぶん村上春樹の小説の中で、トルストイが登場してた。
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いきなり冒頭から名言をかましてくれます。そこでがつんとやられてから、読み進めていくと止められなくなります。一番好きなトルストイ作品です。
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