ガリヴァ旅行記 の商品レビュー
スウィフトの主作。船…
スウィフトの主作。船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作です。
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タイトルを聞くとまず…
タイトルを聞くとまず、子供の頃に見た、小人に全身を固定されて髪の毛を杭でとめられた絵がすぐに浮かびます。あれしか知らない頃はこんな話だとは思っても見ませんでした。しかしスウィフト氏、かなり性格の悪い、浮世嫌いだったのでは…第四部など、完全に人間の傲慢さを皮肉っています。あの有名な...
タイトルを聞くとまず、子供の頃に見た、小人に全身を固定されて髪の毛を杭でとめられた絵がすぐに浮かびます。あれしか知らない頃はこんな話だとは思っても見ませんでした。しかしスウィフト氏、かなり性格の悪い、浮世嫌いだったのでは…第四部など、完全に人間の傲慢さを皮肉っています。あの有名な「ラピュタ」の構想自体も、この作品からなんでしょうね。
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子供の頃に絵本で読ん…
子供の頃に絵本で読んだ時は、小人の国、巨人の国が記憶に残っていたが、大人になってあらためて読むと実は人間嫌悪物語だった。
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スフィスト氏の傑作の…
スフィスト氏の傑作の物語、良く言えば人間性一般への鋭い諷刺をした一作。
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イメージと違ってゴリゴリの風刺小説だった。 スウィフトの時代から300年経った今でも人間が理性的な種族なんてはたから見たら言えるわけないよなあと感じた。
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幼少期に児童文学で読んだ記憶ではこびとのいるリリパッド小国のみ紹介されていた気がして、他の巨人の国やラピュタやヤフーの世界観は初めての体験。これを児童文学にまで落とし込んだ方も物凄いと思うけれど、完訳版を読むと大人であればあるほど強烈な風刺描写に、こんな物語だったの?と驚かされる...
幼少期に児童文学で読んだ記憶ではこびとのいるリリパッド小国のみ紹介されていた気がして、他の巨人の国やラピュタやヤフーの世界観は初めての体験。これを児童文学にまで落とし込んだ方も物凄いと思うけれど、完訳版を読むと大人であればあるほど強烈な風刺描写に、こんな物語だったの?と驚かされると思う。 当時のイギリスの人間や風潮や文化が批判的に表現されていて、世界史を勉強した当時の自分が“当時のイギリス人って野蛮であまり好きになれないな”と感じていたそのものを著者と共感できる部分が多く感じた。
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再読。いやはや、これを児童文学に置換した人ってすごいな。見事のほどの風刺文学。イギリス風のシニカルな視線が痛いぐらいである。
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第三章、第四章がおもしろい。 風刺、厭人などで形容される作者だが、 それを旅行記という形のファンタジーに消化して 純粋に物語として数百年たっても楽しませてくれるから流石。 第三章の不死の幻想に対する諦念の流れも うまく舞台設定を作ってその辛さが伝わるようになっている。 また各国へたどり着くと必ず言語の習得経緯の描写がなされる。 随所で細かいリアルな設定を丁寧に施しているのに 冗長にならないように描いているから読みやすかった。 最後の国に出てくる醜穢な生き物ヤフーの描写からは スウィフトが本当に人間が嫌いなのが伝わった。 それでもそのヤフーがいまのyahooの語源であり、 また家畜人ヤプーズを通して、 大好きなバンドヤプーズの語源にもなったことを思うと 本当読者に愛される良い創作をしたと思う。
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(1997.09.02読了)(1979.11.18購入) 内容紹介 amazon 船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。 ☆関連図書(既読) 「宝島」スティーブンソン著・坂井晴彦訳、福音館書店、1...
(1997.09.02読了)(1979.11.18購入) 内容紹介 amazon 船員ガリヴァの漂流記に仮託して、当時のイギリス社会の事件や風俗を批判しながら、人間性一般への痛烈な諷刺を展開させた傑作。 ☆関連図書(既読) 「宝島」スティーブンソン著・坂井晴彦訳、福音館書店、1976.10.20 「ドン・キホーテ」セルバンテス著、岩波少年文庫、1987.11.18 「西遊記(上)」呉承恩著、岩波少年文庫、1955.02.20
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主人公が第一章から第四章まで、それぞれ小人国、大人国、ラピュタ、フウイヌムの国を巡る話。 旅行記として、小人や巨人や空飛ぶ島などが登場し、それらの国での一風変わった生活も面白かったが、それよりも主人公にとって全くの異国で、人間の悪徳に貶められそうになったり、ことさら人間の悪い部分が強調されているのが印象的だった。 特に第四章ではフウイヌムという美徳のみを備えた生き物が登場し、それらと共に生活することによって主人公が人間への嫌悪感を強めていく様は強烈だった。 最後の解説には、作者は「この本は人を怒らせるために書いたのである」という旨の事を手紙に書いているとある。 一方で、作者は主人公ガリヴァに、この本によってほんの少しでも人間の悪弊が改善されることを期待するという旨の事を言わせている。ただ改善される様子は依然見られず失望している様子が書かれているので、作者は人間の悪徳は改善の余地のないものと考えていたのだろうか。
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