地下室の手記 の商品レビュー
ドストエフスキーの文…
ドストエフスキーの文学的転換として重要な作品です。シベリア流刑の経験から、人間の理性や近代合理主義に徹底的に懐疑的になったドストエフスキーは、この作品の主人公「私」にその思想を激白させます。「2×2=4は死だ」というのは、その一例です。この小説以降、「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未...
ドストエフスキーの文学的転換として重要な作品です。シベリア流刑の経験から、人間の理性や近代合理主義に徹底的に懐疑的になったドストエフスキーは、この作品の主人公「私」にその思想を激白させます。「2×2=4は死だ」というのは、その一例です。この小説以降、「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」といった長編が書かれます。
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自意識の檻ともいうべ…
自意識の檻ともいうべき地下室における一人の男の独白。この小説から何を読み取ったらよいのか一読しただけではわからなかったが、ひとつ印象に残る一文があった。「安っぽい幸福と高められた苦悩と、どちらがいいか?」という男からの問いかけ。男は、醜悪なる自意識のうちに<高められた苦悩>を抱き...
自意識の檻ともいうべき地下室における一人の男の独白。この小説から何を読み取ったらよいのか一読しただけではわからなかったが、ひとつ印象に残る一文があった。「安っぽい幸福と高められた苦悩と、どちらがいいか?」という男からの問いかけ。男は、醜悪なる自意識のうちに<高められた苦悩>を抱き、<生き生き>と生きている。再読したいと思う。私はドストエフスキーの作品を読むのはこれがはじめてだったので知らなかったが、解説を読むと、この作品は、ドストエフスキーにとって大きな転機といえるものだそうだ。この作品の
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短編ではあるが、ドス…
短編ではあるが、ドストエフスキーの魅力が十分に感じられる小説。ドストエフスキーをまだ読んだことがない人はこれか『罪と罰』から始めるのがよい
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冒頭から延々と、地下…
冒頭から延々と、地下生活者と名乗る中年の元小官吏による独白が続きます。少々入りずらいですが、『罪と罰』を著すきっかけとなった、ドストエフスキーという作家を象徴するともともいえる転機の作品。
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難解だし、ほとんど主人公の保身じゃんって内容で溢れてるからいろんな意味でしんどかった、、 かつての仲間?間柄にもなんとな〜く序列あるよなぁって読んでいて納得できた。
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個人的には今年1番と言えるくらい理解するのが難しい作品でした。 自意識過剰さやプライドの高さ・こだわりの強さ故に、周りとうまく付き合えない主人公の姿は一瞬面白おかしく感じられるのですが、ふと立ち止まって考えてみると自分にも少なからず当てはまる部分がある気がして心がひやっとしました...
個人的には今年1番と言えるくらい理解するのが難しい作品でした。 自意識過剰さやプライドの高さ・こだわりの強さ故に、周りとうまく付き合えない主人公の姿は一瞬面白おかしく感じられるのですが、ふと立ち止まって考えてみると自分にも少なからず当てはまる部分がある気がして心がひやっとしました。 当時のロシアの文明・文化に対する意見も記されており、単なる主人公の面白い話なのではなく筆者の価値観が強く反映された物語なのかもしれません。 あれこれ書きましたが、正直なところまだ内容をうまく掴みきれていません。 もう少ししっかり読んでみようと思います。
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陰鬱、という言葉が良く似合う小説 何の得にもならない無駄なことを延々と考え続ける主人公。最悪な読後感と疲労は感服に値する。 やはりこのような人間は嫌いです。こういった感想が出てくる自分はきっと安直な人間なのでしょう。 人間の未熟で愚かな部分が嫌というほど見える。 ただ、哲学的思考の自分と重なる部分があった。空想の世界に逃げていては駄目ですね。 以下:印象に残った文章を一部抜粋します ああ、諸君、ぼくが自分を賢い人間と みなしているのは、ただただ、ぼくが生涯 何もはじめず、何もやりとげなかった、 それだけの理由からかもしれないのである。 毒にも薬にもならない いまいましい饒舌家 人間というものは、不幸のほうだけを並べたてて、幸福のほうは数えようとしないものなんだ。ちゃんと数えてみさえすれば、だれにだって幸福が授かっていることが、すぐわかるはずなのにね。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ネガティブな人はきっと好きだと思う でも、社会不適合者じゃない大多数の人にこそ読んで欲しい 安っぽい幸福と高められた苦悩と、どっちがいいか? ぼくらは死産児だ のところ、僕もずっとそんなことを考えていたんだ!って泣きそうになった。 ずっと考えてた人に言えないモヤモヤを言い当ててくれたみたいな清々しい気持ち ありがとう
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自分の世界に閉じこもってしまうことの気持ち悪さを感じる反面、自分にも全くそんなことがないとは言い切れないような気持ちを呼び起こされて終始読み進めるのがしんどかった。 最近内面的世界に向き合うことがとても大事であると思っていたが、そのことに入り込みすぎてしまうことがないようにしなけ...
自分の世界に閉じこもってしまうことの気持ち悪さを感じる反面、自分にも全くそんなことがないとは言い切れないような気持ちを呼び起こされて終始読み進めるのがしんどかった。 最近内面的世界に向き合うことがとても大事であると思っていたが、そのことに入り込みすぎてしまうことがないようにしなければ、この主人公とおなじような境地に至ってしまうに違いない。
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再読ですが、ほとんど覚えていないので ほぼ、初読みです。 正直、読むのに苦労しましたし、 読み終えての満足感は得られませんでした。 ただ、相手は全然、眼中にないのに、 自分だけが気になり、その挙げ句に ストーカーになる姿は、少し、 共感してしまいます。。。
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