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白痴(下) の商品レビュー

3.9

62件のお客様レビュー

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ドストエフスキーは、…

ドストエフスキーは、本書主人公ムイシュキン公爵を「キリスト」として描いています。古来より多くの文学者はキリストを描こうと苦心してますが、私の知る限りそれに成功したのは、本書とセルバンテスの「ドン・キホーテ」とメルヴィルの「ビリー・バッド 」くらいです。現代に甦った「キリスト」は、...

ドストエフスキーは、本書主人公ムイシュキン公爵を「キリスト」として描いています。古来より多くの文学者はキリストを描こうと苦心してますが、私の知る限りそれに成功したのは、本書とセルバンテスの「ドン・キホーテ」とメルヴィルの「ビリー・バッド 」くらいです。現代に甦った「キリスト」は、必然的に「異邦人」となり悲劇的な結末を向かえます。本書は、「カラマーゾフの兄弟」の有名な<大審問官>の章を読み解く上でも必読の書であると思います。

文庫OFF

ムイシュキンとロゴー…

ムイシュキンとロゴージンの奇妙な関係も終りを迎える。ドストエフスキー本人が深く愛したというこの本は、ドストエフスキーファンなら必読。

文庫OFF

2026/03/11

無意識に傷つけ、無意識に崩れていく。無限に行われる憎悪と嫉妬の、会話劇。自己を守り、他者を壊す、だが壊し方により自己が壊れる。その様を、白痴が傍観し、飲み込まれてゆく。ハリネズミは、もう一度死んだ。

Posted byブクログ

2026/02/20

ドストエフスキー自身がこの結末が書きたかったためにこの小説を書いたと告白しているだけあって、クライマックスシーンに至るまでの道筋で情緒が二転三転するほど惹き込まれた。 肝心な部分を忘れた上での再読だったので、脳破壊のような衝撃と快感を初読のように味わえて最高だった。 こんな悲...

ドストエフスキー自身がこの結末が書きたかったためにこの小説を書いたと告白しているだけあって、クライマックスシーンに至るまでの道筋で情緒が二転三転するほど惹き込まれた。 肝心な部分を忘れた上での再読だったので、脳破壊のような衝撃と快感を初読のように味わえて最高だった。 こんな悲劇があっていいものかよという、やるせない感動が読後に押し寄せるお気に入りの作品というのがある。 それは長らく『椿姫』と『狭き門』のふたつだったのだけど、ここに『白痴』も加わったことがとても嬉しい。

Posted byブクログ

2026/01/31

最後らへんは疾走感あって面白かったけどとにかくくどい 自分はガヴリーラやイポリートに近いかなあ 平凡だと批判されればそれと違う方向に偏りたくなるが、そうやって一般的に単純で浅慮だと分析される対象から無意識に逃れようとすること自体が凡という循環を多少自覚しているのがガヴリーラで、...

最後らへんは疾走感あって面白かったけどとにかくくどい 自分はガヴリーラやイポリートに近いかなあ 平凡だと批判されればそれと違う方向に偏りたくなるが、そうやって一般的に単純で浅慮だと分析される対象から無意識に逃れようとすること自体が凡という循環を多少自覚しているのがガヴリーラで、どこまでも平凡を脱しようと終末期を理由に自己特別視に没入するのがイポリート やっぱり現在は幅をもって自覚される、つまり、いつかこうなるだろう、いつかこうなりたい、という「いつか」の想定作業が現在だから、いつかの存在が幻ということを明確に宣言される死刑は、死を覚悟していたとしても現在の知覚、自分の存在すら崩壊させてくる。それが恐怖につながるのでは。 コロンブスの幸福は大陸の発見そのものではなく、発見の過程にあったとはよく言い得たものだなあと 自意識の肥溜めみたいな独白が多過ぎて、ずぶずぶの自意識に対する嫌悪感と、自分自身もその嫌悪の対象であるはずなのに一歩ひいたところから安全に見下ろしている卑怯さに対する不快感がずっと尾を引く。 自身の卑小さ、虚栄心に縋って他人を冷笑しながらも自罰的に生きてきたから、その、不幸というアイデンティティを揺るがすようなロゴージンのまっすぐすぎる好意や、自分と釣り合わなさそうな高潔さ、無邪気な心を持つ公爵を遠ざけるナスターシャが切ないね 公爵は、由緒ある高貴な女性も、ナスターシャのような傲慢かつ不遜な態度をとるお手付き女性も同等にみなすという、「自分は彼女を決して堕落した女性とは思わないというりっぱな感情を、公然と表明できる機会に飛びついた」のかもしれない的なことをエヴゲーニイが言ってたけど、それも含めて対人関係は自分を表す鏡なのだから、ナスターシャを通して映った自分に惹かれて好きという感情だと判定するのも一形態の妥当な愛情だと思う。よくある思想が絡み、愛情のように思えるものの背後にあるシステムが説明できてしまうと、偽物の情動、一瞬の感激に過ぎないように感じられてしまう。まあナスターシャの虚栄心に頼らざるをえないが、内に潜んでいる子どもらしい心細さやお人よしさを庇護しなければいけないという恐怖心からの愛かもしれないし。 公爵は誠意があって自分の発言の内容自体をきちんと偏見なく吟味してくれる。偽りのない傾聴の姿勢を目前にすると、この人なら信頼してもいいかもしれないと揺らいでしまうのか。純朴で、いつでも柔軟な聞き手であり自分の立場や意見を変えることを厭わない、その危ういまでの誠実さに、子を見守るような懸念と、全幅の信頼が生じるのだろうな。 名前ややこしすぎるから登場人物の表とかほしかった 宗教観とか興味なさ過ぎてよくわからん アグラーヤ、ツンデレすぎるでしょう!!

Posted byブクログ

2025/08/31

後半も後半の展開が面白かった、てかそこだけで良かったのではと思ってしまうくらい。 アクラーヤとナスターシャが対峙しムイシュキン公爵を奪い合う場面こそこの作品の1番の醍醐味か。または死んだナスターシャを公爵とロゴージンが二人で囲って一緒に寝ようとしたところか。 前半のイポリートの演...

後半も後半の展開が面白かった、てかそこだけで良かったのではと思ってしまうくらい。 アクラーヤとナスターシャが対峙しムイシュキン公爵を奪い合う場面こそこの作品の1番の醍醐味か。または死んだナスターシャを公爵とロゴージンが二人で囲って一緒に寝ようとしたところか。 前半のイポリートの演説は読んでてしんどかったし、リザヴァータ夫人の公爵への評価が二転三転するのもよくわからないし、読みづらいところは多々あった。 公爵は「完全に美しい人」つまりキリストを題材に描かれているそうだけど、はっきりいってそうなのかとは思った。しかし結果的には全ての登場人物が彼に魅了されていてるのは事実。あとロゴージンも欲の化身みたいに言われてるけどずっとナスターシャを愛しており一途であったところはもっと評価されるべきか。

Posted byブクログ

2025/07/24

綺麗なままで生きていくことの難しさを痛感させられるような作品だった。不条理な世の中で、どれだけ周りの人を愛し、受け入れ、かつ自分を見失わない強い心を持てるか。 自分に胸を張って、ずるいことをしないで生きていくために必要なことはそれだけなのかなとおもった。

Posted byブクログ

2025/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後にかけて怒涛の展開だった。終わり150ページくらいはずっと心臓がドキドキしていた。 ムイシュキン公爵が急にアグラーヤを愛してると言うし、最後にやっぱりナスターシャに乗り換えるし…理解に苦しんだがなんとかついていけた。多分、アグラーヤは友情における愛で、ナスターシャは恋愛だったんじゃないかな。それを公爵は混合してたのかなと考えた。 あとやっぱり心理描写が非常に美しい。登場人物は一人一人が唯一無二の個性を持っているし、それぞれの思想の殴り合いも読んでいて楽しかった。 個人的にドストエフスキーの中で『罪と罰』の次に好きかも。

Posted byブクログ

2025/04/18

ドストエフスキーの「白痴」を上と下、読み終わった。 読み終わりは、自分の頭がスパーンと切って開けられて、その中からカラフルな紙吹雪が飛び散って出てきた感覚だった。 「何それ」だけど、それが最初に自分に湧き起こったイメージ。 ルーツ的に、自分にとってとても親しみのあるアジアとヨ...

ドストエフスキーの「白痴」を上と下、読み終わった。 読み終わりは、自分の頭がスパーンと切って開けられて、その中からカラフルな紙吹雪が飛び散って出てきた感覚だった。 「何それ」だけど、それが最初に自分に湧き起こったイメージ。 ルーツ的に、自分にとってとても親しみのあるアジアとヨーロッパ、映画とかで何となく馴染みのあるアメリカ、ドキュメンタリーと何人かの知人のお陰で知った気になっているアフリカ、でもロシアはそのどれにも属さない未知の世界だった。何となくヨーロッパに近しいと思っていた。物理的にということはではなく、心理的に。だけど初めてのロシア文学を読んで、違う、全く自分にとって新しいものだ、ということが分かり、何かが弾けたのだと思う。 まずはそのロシアという文化的な異世界に驚き、その後はドストエフスキーの描く人間たちに感銘を受けた。 人のことを疑わず、誰に対しても寛容で優しく、どんな人のことも許すことができ、自分の名誉や利益を一切求めず生きる「無条件に美しい人」である主人公。そんな人はこの社会で嘲笑され「白痴(ばか)」と呼ばれる。 人間社会の根本への問いかけに、ドキリとさせられる。 自分自身でさえも、「いや、もっと生き上手になろうよ。」と主人公に対して思うので、人間はある程度汚れていないと、この社会で生きれないと思っているのだと思い知らされる。 因みに自分はガーニャタイプだと思う。 読んだ方も教えてほしい。 ご自分は誰タイプ?笑 読み応えがありすぎて、他のドストエフスキーはもちろん、トルストイも絶対に読んでみたいと思わせる読書体験だった。 カンディンスキーやマレーヴィチという、19世紀、20世紀初めのロシア(帝国)の芸術家たちが若い時から大好きだけど、ロシアの文豪たちもすごいんだろうなぁ。もっともっと読んでみたい。 彼らの偉大さは何なんだろう。当時のロシアが生み出した人たちはなんてすごいんだろう。 彼らは今のプーチンのロシアをどう表現するのだろうか。

Posted byブクログ

2025/01/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

物語が動き出した下巻。主人公のムイシュキン公爵は清廉潔白というよりは結構浮気性なのではと思った。アグラーヤ嬢を振ってナスターシャと結婚する意思を示したはずなのに「二人とも愛している」など、自分の保身しか考慮していないように見える。結婚式直前の展開には驚かされたのでさすがと思ったが、最後は悲しく終わってしまった。 同じ作者の「カラマーゾフの兄弟」のような爽快な読後感はない。

Posted byブクログ