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リセット の商品レビュー

3.9

188件のお客様レビュー

  1. 5つ

    57

  2. 4つ

    56

  3. 3つ

    49

  4. 2つ

    8

  5. 1つ

    4

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2023/03/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

戦争が大きなテーマの一つのなっているので、途中読むのが辛くなることがあった。でも、読み終えた時に胸に広がる温かい気持ちはなんなのだろうか…決して幸せとは言えないけれど、何度も何度もめぐり合う二人に涙が出そうになった。日本版ライオンハートって感じ(こっちの方が先に出てるかな?)。

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2022/02/21

北村薫時間三部作の最後。 リセットって、意味的にはターンと一緒じゃないの?と思いながら読んでたが、実際全くの別物立と途中で気づく。 この人の作品は劇的な展開と言うよりも、かなりじっくりと進んでいくのでちょっと退屈になりがちだけど終わり方がいつも綺麗で良い。この作品も、時間につ...

北村薫時間三部作の最後。 リセットって、意味的にはターンと一緒じゃないの?と思いながら読んでたが、実際全くの別物立と途中で気づく。 この人の作品は劇的な展開と言うよりも、かなりじっくりと進んでいくのでちょっと退屈になりがちだけど終わり方がいつも綺麗で良い。この作品も、時間についての話は終盤になるまでほとんどないという。 時の流れの力強さを感じた。

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2021/09/10

新手のタイムトラベルもの、心の時間空間遊泳。生きるよすが。 心のゆくえを文学は様々な描き方をしてくれる。それを楽しむ読者は幸せというもの。 「しし座の流星群」のことが印象深くあった「愛の一家」を子供のころ読みましたとも。 だから...。 ちょうど、私はヒロインまあちゃんこと、...

新手のタイムトラベルもの、心の時間空間遊泳。生きるよすが。 心のゆくえを文学は様々な描き方をしてくれる。それを楽しむ読者は幸せというもの。 「しし座の流星群」のことが印象深くあった「愛の一家」を子供のころ読みましたとも。 だから...。 ちょうど、私はヒロインまあちゃんこと、真澄とあの人こと、村上君の中間の世代に生きた。だから、お姉さまたちのまだ物のかろうじてあった時代(戦争が始まる前)の話はうらやましく、なつかしく、いぶし銀の輝きのごとく見える。そして、村上君の時代(戦後16年経って)は、私がもう成年になっていたからよく知っている、それはそれで懐かしい。 村上君の小学時代の日記(たぶん作者)の記述の数々から思い出す私の経験。 フラフープ、ホッピング。 そして、忘れもしない高校入学を果たしたので、家でも買うことになった白黒のテレビジョン。 アメリカTVドラマ『パパは何でも知っている』キャシーの初恋。 ...。 ほんとに、作者は資料をよく調べこんで描いている。出てくる風物ことごとく懐かしくて、懐かしくて仕方が無かった。いずれにしても帰らない日々。 でも、『百年前の人は、今のものを見られないし、今の人は百年後のものを見られない。だからって、後の人のほうが得だってことはないと思うの。』という真澄の言葉。 感動の時の流れ!それしか言えない。読んでよかった。

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2021/08/14

「スキップ」「ターン」と来て、最後が何とも不吉な「リセット」になるのだが…前2作と比べて全く時間に変化が起こらない…。第2部になっても兆候が見られなかったのだが、突然襲い掛かってくる「リセット」要素がかなり衝撃。 タイトル回収まで時間がかかるのと、伏線や匂わせを多々散りばめさせ...

「スキップ」「ターン」と来て、最後が何とも不吉な「リセット」になるのだが…前2作と比べて全く時間に変化が起こらない…。第2部になっても兆候が見られなかったのだが、突然襲い掛かってくる「リセット」要素がかなり衝撃。 タイトル回収まで時間がかかるのと、伏線や匂わせを多々散りばめさせているのも、前2作との相違点となっていて、ガラリと印象が変わる。 ただこの作者は物事がそうなるまでの「過程」を非常に描いており、中には伏線でも何でもないただの「脇道」にそれるような描写もあるのだが、それが逆に「一人の人間がしっかり存在している」という雄弁な証になっている。 正直オチは途中で読めてしまったが、(頼むぞ…変なことしないで、頼むぞ…)という良い意味での期待をしっかり裏切らずに成就させてくれて嬉しい。

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2021/08/07

時の流れが漣のよう。穏やかに寄せては返し、時々大きなうねりとなって。 戦時中に心は通い合ったが、終に一緒になれなかった二人の時間はそのまま永遠にバラバラになってしまうはずだった。時代を超えて再び出会えて、そしてまた別れ。次に出会えた時、戦争という悲しい過去によって交わらなかった時...

時の流れが漣のよう。穏やかに寄せては返し、時々大きなうねりとなって。 戦時中に心は通い合ったが、終に一緒になれなかった二人の時間はそのまま永遠にバラバラになってしまうはずだった。時代を超えて再び出会えて、そしてまた別れ。次に出会えた時、戦争という悲しい過去によって交わらなかった時がようやく一つになったんだな、と優しい気分になれた。

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2021/04/13

北村薫の時と人シリーズ第3弾。第2弾「ターン」を読んだのが2011年2月だから、まさに10年前。読もう読もうと思っていながら、なかなか手に取ることをためらっていたのは、なんだか読み切ってしまいたくないな、勿体ないな、という貧乏性が故か。とはいえ、いつかは読まないといけないというこ...

北村薫の時と人シリーズ第3弾。第2弾「ターン」を読んだのが2011年2月だから、まさに10年前。読もう読もうと思っていながら、なかなか手に取ることをためらっていたのは、なんだか読み切ってしまいたくないな、勿体ないな、という貧乏性が故か。とはいえ、いつかは読まないといけないということで、意を決して購入。 「リセット」、「ターン」ともに10年以上前に読んだので、その記憶も定かではないのですが、今回の「リセット」はそれらと比べて、とてもおとなしいようです。これまでの2作は、どちらも時の理不尽さに翻弄される主人公がなんとか抗っていた印象が強いのですが、本書は時の流れに身を委ねている感じ。理不尽なのは時代の方であって、時がそれを洗い流してくれるような印象さえ抱きました。 さて、本書で紹介されていた石川啄木の一句。とても印象に残りましたので、備忘がてら。 かの時に言いそびれたる 大切の言葉は今も 胸に残れど

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2021/03/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

僕の大好きな、ちょっぴりタイムパラドックス系のテイストが入ったお話。最初の300ページほどは若干読むのが苦痛でしたが(笑)、ラスト100ページは最高に面白く、かつラストまで読んだらまた最初の300ページを読み返したくなる素敵な物語でした☆どちらかと言うと男性よりは女性向けの本だと思いますが、面白いので是非一度読んでみて下さい♪

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2021/03/14

北村薫の「時と人 三部作」と呼ばれる作品の3作目。 太平洋戦争末期、神戸に住む女学生の水原真澄は、時局の厳しさを横目で見ながら友人たちと青春を謳歌していた。 真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。 幼い記憶にある、30数年に1度しか見られないという獅子座流...

北村薫の「時と人 三部作」と呼ばれる作品の3作目。 太平洋戦争末期、神戸に住む女学生の水原真澄は、時局の厳しさを横目で見ながら友人たちと青春を謳歌していた。 真澄には、結城修一というほのかな恋心を抱いている少年がいる。 幼い記憶にある、30数年に1度しか見られないという獅子座流星群をいつかふたりで眺めてみたいと真澄は心に期していたが、 度重なる戦火がふたりを引き裂いてしまう。。。 やがて終戦を迎え、東京オリンピック開催が近づく昭和30年代前半。 小学5年生の村上和彦は、自前で小学生に絵本や児童書を貸し与える女性と知り合う。 彼女こそは水原真澄だった。折りしも獅子座流星群の到来まで、あと4年と迫っていた…。 前2作である「スキップ」「ターン」は、共に 時間に翻弄されながらも強い心で生きていく女性を描いていた。 優しい文体の中にも主人公の芯の強さと時間の残酷さが感じられ、 当然のように同じようなモノを、この「リセット」という作品にも期待していた。 …期待は大きく裏切られた。 が、それは「期待外れ」「つまらない」という事ではなく、 自分で考えていたような作品ではなかった、という事だ。 第一部、第二部と、主人公が替わりながらも淡々とその生活が描かれる。 戦時中だったり終戦後だったりと状況は違うし、それぞれの生活は色々な困難があったりもするが 基本的には大きな事件は起こらない。 起伏の少ない物語になっている。 それらが全て、大きな「前フリ」なのだ。 第二部の後半、物語は大きな展開を見せる。 真澄と修一が、意外な形で再会するのである。 そこからの話がこの「リセット」の全てと言っていい。 この再会を必然的なモノにする為に、第一部と第二部の途中までが存在すると言っても過言ではない。 よって第二部から第三部にかけては、一気に読んでしまった。 すれ違う二人の、それでも繋がろうとする心。 その気持ちが強いからこそ、些細な切っ掛けで再会する事が出来るのであろう。 『我々は死んだりしない』と、村上和彦は言う。 生物学的な問題ではなく、人と人との繋がりから生まれる「受け継ぐ心」。 そういう意味で、誰もが簡単に死んだりしないのである。 ラストまで読み、心が穏やかになった。全てがスッキリして終わる。 が、これも前半部を読み切ってこその事であり、盛り上がる部分まで来るまでが若干苦痛かもしれない。

Posted byブクログ

2021/02/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

北村さん作品のレビューのたびに書いてるけど、北村さんの文章は難しい表現を全く使わない、それでいてさらさらと流れるような美しい文体なので、ストレートに感情に届いて、こちらが負うダメージが大きい(笑)。 メンタルが健康な時じゃないと読めない。 この作品も随分長いこと積読していて、やっと、やっと読めました。 時と人シリーズ三部作の最後。書かれたのも、私が読んだのも最後。 個人的には3冊の中で一番好き。 ただ、通勤電車で読んじゃいけないヤツだった(泣く的な意味で)。 三部構成で、一部と二部が長い。 第一部は、今風に言うと「上級国民」の末端にいる女学生真澄さんの戦時中の話。 北村さんの女子力が炸裂する。 そして戦時下のリアリティが半端ない。 時代の行く末を知ってる未来人(私)が読むと、上級国民の戦争体験は庶民とはこんなに違うのかとの驚きもあるけど、そのレベルなりに凄惨で、ずーっと哀しい。真澄さんがお友達と楽しい話をしてて笑ってても、哀しい。 末期になると、こんな状態から逆転勝利なんてあるわけないやんなんで降伏しなかったんだ!って思いがずーっと続く。 …いや違うんだ、この作品は戦争批判が主題ではなくて(もちろん賛美もしてないけど)、自分ではどうしようもない時代の渦中で想い人を失う話だ。 そして最後まで深刻なままでの幕切れ。 ほんと、北村さん読むのは大変。 で。第二部はガラリと変わって戦後生まれの男性が少年期を思い起こす話。 最初、これは1つの話なのかそれとも短編集なのか何とも言えないなかで読み進め、30を超えた真澄さんが登場してからは、何となくストーリーの辿る筋が予想できる。 予想できるんだけど、予想通りに展開しても心を掴まれる。 前世の思い出し方がこの手の作品としてはとてもはっきりしていたところは意外だった。 そして第三部の、真澄さんの輪廻転生のあっけなさが、これはこれで良かった。 最後ハッピーエンドだったし、良かった。 中心となる話の周囲に散りばめられている、本筋には直接関わらない小さなエピソードの数々が、実は作品を堅牢にする血肉だったりする。楠の話とか、和歌の解釈の話とか、優子さんの生き様とか。 特に本にまつわるエピソードは、本読みの北村さんならではの素敵な話ばかりで、とてもいい。 獅子座流星群を見たドイツ人が綴った文章を、ひとまわり未来の日本で流星群を見た真澄さんが読むとか。 ちょっと違うかもしれないけど、20年前に誕生した本をすぐ読んで書かれたレビューに、20年後の未来に本を読んだ私が共感する、っていうブクログ体験と重なる。 ブクログのおかげで時空を超えて20年前の読者と対話できた私は、本を巡る物語にはグッとくる。 本は上手く行けばヒトよりも長く生きるのね。 この作品も永く生きて、忘れられてゆく過去の日常と普遍的な人を想う気持ちを未来に伝えて欲しい。 最後の北村さんと宮部さんの対談は、二人とも40そこそこのはずなのに「今の若い人にも知って欲しい」とか老成したようなコメントが面白かった。 タイトルの「リセット」っていうのがいつまでもしっくり来ない。 多分本当の意味を知らないせいだけど。 あなたは我々で、我々は永遠に行き続けるなら、私なら「リバース」にすると思う。 あ、タイトルでネタバレしちゃうか。

Posted byブクログ

2021/02/06

戦時の暗さと情景の美しさのコントラストが印象に残る。時代を超えた出会いと別れ、そして約束。ジーンとした気持ちになる。描写の仕方も好き。

Posted byブクログ