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亜愛一郎の転倒 の商品レビュー

3.7

43件のお客様レビュー

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2022/07/10

とにかく面白い。殺人事件なのになぜか喜劇を読んでるような感覚に陥る。定番の名乗りもバリエーション豊富。三易の発祥→三助の発情 亜の言う通り→アニュートーリ 本筋と関係ない遊び心満載。藁の猫に連城三紀彦みを感じつつ、すごく楽しめました。

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2022/05/08

名探偵リストの先頭に来るよう名付けられた名探偵・亜愛一郎の活躍(あるいはドジ)を描く連作集。風俗の風化の影響を受けやすいのが、ユーモアものの定めで、迂生はユーモアものの良い読者ではないから断言はしないが、もっさりとしたギャクはあまり笑えない。一方、トリックのさえはいっかな衰えない...

名探偵リストの先頭に来るよう名付けられた名探偵・亜愛一郎の活躍(あるいはドジ)を描く連作集。風俗の風化の影響を受けやすいのが、ユーモアものの定めで、迂生はユーモアものの良い読者ではないから断言はしないが、もっさりとしたギャクはあまり笑えない。一方、トリックのさえはいっかな衰えない。首を傾げたくなる作も混じってはいるものの、走行するタクシーの中に死体が現れる「三郎町路上」のハウダニット、横溝な童歌殺人の、意外な理由を解き明かす「意外な遺骸」のホワイダニットはあたりは実に鮮やか。ガチガチのパズル小説の方が、経時変化には強いのかなとそんなことを思う。

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2021/09/08

とにかく面白いの一言。 どんな結論が導きだされるのかワクワクしながら読んだ。 「ああ!そういうことか!」と何度思ったことか。 不可思議な箇所のある絵、一夜にして消失した合掌造り、タクシーの後部座席に現れた死体、周囲に誰もいないのに刺された男。 明かされた真相に、思わず唸ってしまう...

とにかく面白いの一言。 どんな結論が導きだされるのかワクワクしながら読んだ。 「ああ!そういうことか!」と何度思ったことか。 不可思議な箇所のある絵、一夜にして消失した合掌造り、タクシーの後部座席に現れた死体、周囲に誰もいないのに刺された男。 明かされた真相に、思わず唸ってしまう短編集。

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2019/07/16

昨年の8月に読んだ世評高い『~の狼狽』は些か肩透かしを食らった感があったが、この2作目はどうしてどうして逸品揃いだ。 何が1作目と違うかと云えば、現在の泡坂作品に見られる歪んだ論理がエキスとして加わったことが大きい。読者の、というか常人の考えの及ばない人間の不思議さ、曖昧さをまざ...

昨年の8月に読んだ世評高い『~の狼狽』は些か肩透かしを食らった感があったが、この2作目はどうしてどうして逸品揃いだ。 何が1作目と違うかと云えば、現在の泡坂作品に見られる歪んだ論理がエキスとして加わったことが大きい。読者の、というか常人の考えの及ばない人間の不思議さ、曖昧さをまざまざと、しかもコミカルに提示する手際は見事! 更に上手く云えないが、ひっくり返すことの面白さ、最後の「病人に刃物」が正にそれなのだが、わかるかな?

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2019/06/14

短編集で視点が毎回違うことがとても面白いです。一度くらい亜視点の作品も読んでみたいものだけれど、どうなんでしょう。どの短編も納得させられてしまい、読後感も悪くなくて好きです。今回は三角形の顔をした洋装の老婦人が赤いフェラーリを運転して行く記述があるのだけれど、後の短編で三角形の〜...

短編集で視点が毎回違うことがとても面白いです。一度くらい亜視点の作品も読んでみたいものだけれど、どうなんでしょう。どの短編も納得させられてしまい、読後感も悪くなくて好きです。今回は三角形の顔をした洋装の老婦人が赤いフェラーリを運転して行く記述があるのだけれど、後の短編で三角形の〜の記述ではなく赤いフェラーリと覗くブルドックの顔、で彼女の登場を表していたところがあって嬉しくなりました。遊び心が楽しいです。

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2018/08/05

再読。昭和の香りがする。 リァリティには欠ける。落ちは奇抜のものが多く騙された感が強い。が、読み物としてはそこそこ楽しめるので良い。 人物造形に多少無理のある作品が多い。

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2017/11/14

自分で推理するのはなかなか難しいミステリーだと思う。 真相は奇抜で、それを解き明かす亜愛一郎もまた、奇特な人間で魅力的だ。 案外、ギャグ?のような描写も多々ある。 おすすめの話は「病人に刃物」

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2016/09/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

藁の猫:語り手の鼻炎、絵画の中に含まれる間違い、画家の周りで起きた度重なる自殺が全部繋がってあの逆説に辿り着く。やーらーれーたー。たこベンドの話が出てきてテンション上がった。 砂蛾家の消失:土砂崩れで鉄道が足止めされたため山中に分け入った語り手たちは遭難しかけながらも人家に辿り着く。家主が封印した窓を勝手に開けて見たのは切妻合掌造りの家と人影、しかし翌朝窓の外に家はなくーー。消失の原因も大仕掛けもヒントに気付けず無念の敗北。 珠洲子の装い:流行歌手・加茂珠洲子の飛行機事故から一年、彼女を題材にした映画の主演を決めるコンテストには珠洲子を意識した外見や歌唱をする候補者が並ぶが、その中に珠洲子に似せるポイントを押さえていない女性が現れーー。逆説のキマり方とウエスト吉良の造形が良い……。 意外な遺骸:仙波山であの童歌に見立てられた他殺死体が見つかる。犯人のとったある行動が結局自分の首を絞める結果となる趣向が面白かった。タイトルにもニヤリ。 ねじれた帽子:語り手と亜は拾った帽子を持ち主に返そうとするが、持ち主は逃げるように立ち去った。二人は帽子を返すために少ない手がかりから追跡を始めるのだがーー。捜査パートも持ち主の抱える秘密も大きな驚きはなかったが、語り手の性格故の行動が楽しい短編でした。 争う四巨頭:定年退職した元警官・鈴木の退職後に料理に目覚めるエピソードにまず惹かれ、彼が料理を作る描写にやられる。尾行パートのくだりが「黒い霧」の商店街パートっぽくて好きだ。 三郎町路上:タクシーから降りたはずの乗客の死体が車内に出現したという怪事件を、事件の直前にそのタクシーを利用した昆虫学者と亜愛一郎が解き明かす。死体の特徴からトリックは割れやすいかな。 病人に刃物:病院の屋上で元患者と患者とが接触転倒した後、元患者が死亡する事件が発生。凶器と思われるナイフがいつどこで現れたかが分からないという不可解な状況を亜愛一郎が解き明かす一編。とある漫画のせいでタネに気付いたが、端々の伏線が回収される快感がたまらない。

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2016/05/12

転んでもただでは起きぬ名探偵  彼が白目をむいた時、全てが解決する ー 亜愛一郎シリーズ第2弾。  個人的ベストは「砂蛾家の消失」。同シリーズではやや異質とも言える大仕掛けに意表を突かれました。伏線が残らず回収されていく妙が気持ち良いです。次点は「病人に刃物」。既視感はあるものの...

転んでもただでは起きぬ名探偵  彼が白目をむいた時、全てが解決する ー 亜愛一郎シリーズ第2弾。  個人的ベストは「砂蛾家の消失」。同シリーズではやや異質とも言える大仕掛けに意表を突かれました。伏線が残らず回収されていく妙が気持ち良いです。次点は「病人に刃物」。既視感はあるものの、逆転の発想が光ります。明らさまに伏線と思われる描写が一体何を意味しているのか。そこに注目し、そこに感心しました。「亜愛一郎の狼狽」収録の「DL2号機事件」と同じく、人間の深層心理から謎をひも解く「藁の猫」もなかなかです。

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2017/12/17

8篇の中では「意外な遺骸」が好き。もう一作も読むぞー。以下に詳しい感想が有ります。http://takeshi3017.chu.jp/file6/naiyou1103.html

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