星々の悲しみ の商品レビュー
全編を通して灰色がかっているけれど,そのなかにきらきらしたものが見え隠れしているような雰囲気。濁った川でも偶に輝いて見える,といった感じ…? 主人公の生活ぶり(どうやって食べているか)がやたらしっかりと書かれていて,そのせいかしら,そのすぐ傍の「死」が,現実味たっぷりに感じられた...
全編を通して灰色がかっているけれど,そのなかにきらきらしたものが見え隠れしているような雰囲気。濁った川でも偶に輝いて見える,といった感じ…? 主人公の生活ぶり(どうやって食べているか)がやたらしっかりと書かれていて,そのせいかしら,そのすぐ傍の「死」が,現実味たっぷりに感じられた。 この版の表紙も好きです。
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星々の悲しみ 予備校時代の密やかな話。そして、友人の死。 こころが不安定な時期に 沈殿する青春の苦さ。 死んだように本を読んでいる青年の絵が こころを揺さぶる。 それを 3人で盗もうとする。 それがきっかけで 妹に焦がれる友人。 頭も良くて 美青年に 何となくいらだつ。 西瓜ト...
星々の悲しみ 予備校時代の密やかな話。そして、友人の死。 こころが不安定な時期に 沈殿する青春の苦さ。 死んだように本を読んでいる青年の絵が こころを揺さぶる。 それを 3人で盗もうとする。 それがきっかけで 妹に焦がれる友人。 頭も良くて 美青年に 何となくいらだつ。 西瓜トラック スイカ売りのアルバイトをしたが。 そのオトコの奇妙な振る舞いが 印象的。 北病棟 死を予感する人の せつない想い。 雨の中で、影絵をじっと見る 夫が、沁みていく。 火 蓄膿症と マッチの火をつけるオトコ。 小旗 父親が精神病院で死んだ。 流転の海の 熊吾が モデル。 蝶 蝶々好きな理髪師が 行方不明になった。 標本の蝶が怪しく羽ばたく。 不良馬場 肺病棟。死に選ばれる人と復活する人。 競馬場に気晴らしに行くが。 『死』を じっと見据えて 静かに描いていく。
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人生のあかしを求めて劇しく生きる青春群像を描いた短篇集。 だそうですが。 身近にある「死」を、淡々と描いてあります。 相性の問題か、読むのにとてつもなく時間がかかった作品です。
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小学校の教科書に載っていた小説をいまだに読みたくなる。それが、宮本輝の「星々の悲しみ」。表題他7篇の短編集。 読後に楽しさも、悲しさも感じないけれど、誰もが必ずは迎えるであろう日を想像して、ただただ切なくなります。
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「星々の悲しみ」どこかで読んだことがあるかも? 大阪の懐かしき地名が読んでいてノスタルジーにおちいる。(東京に出てきてから4年目)なぜか懐かしさがあふれ出る物語集。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
短編集 落ち着いた人が読んでそう。 落ち着きない人代表!みたいな私には物語ごとの余韻を楽しむことができなかったように思う。 盛り上がってまいりました!と思ったあたりで大体物語が終わっちゃう! いや、短編集はそんなモンっていうんじゃなくて! なんか悔しいからいつかまた読もう!よもうよもう! 文書はすごく好きです。表現もきれいでうっとりするわけです。
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なんかすっっごく好きと思った! 空気が淡々としてるんだけど、先が気になる。 表現も、とてもきれい。 北病棟: 六月の薄曇りの中から時折ちてくる光。
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「星々の悲しみ」「小旗」は前に教科書で一部読んだことがありました。 もしかしたら、予備校の模擬試験でだったかも…? 悲しいですね。 どうしようもなくね、分からないのです。 この作品の何が悲しいのか。 例えばね、有吉がじいさんだったら悲しくないんですよ。 彼が、こんな若い彼が、...
「星々の悲しみ」「小旗」は前に教科書で一部読んだことがありました。 もしかしたら、予備校の模擬試験でだったかも…? 悲しいですね。 どうしようもなくね、分からないのです。 この作品の何が悲しいのか。 例えばね、有吉がじいさんだったら悲しくないんですよ。 彼が、こんな若い彼が、 そして彼が美声年で、それが、悲しい。 若くて美しくて優しく賢い人間が何かを諦めるということに、 胸が震える想いでした。 でも本当の所、 生きてるってそのことが無性に悲しいのだと思いました。
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(昔書いた感想を引っ張ってこようシリーズ) テルちゃん昔は結構読んでたんすよね。有名どころを20冊くらいは読んだような。 でも結局はこれが一番好き。イメージがキレイで、出てくるキャラも美少年くんなので(私こんなんばっかりや)。 いやーでもこの美少年くん、ほんま爽やかで儚い美少年く...
(昔書いた感想を引っ張ってこようシリーズ) テルちゃん昔は結構読んでたんすよね。有名どころを20冊くらいは読んだような。 でも結局はこれが一番好き。イメージがキレイで、出てくるキャラも美少年くんなので(私こんなんばっかりや)。 いやーでもこの美少年くん、ほんま爽やかで儚い美少年くんでいいよ!読むといいよ!短いしね。 (今さらながら思うんですけど、小説で美少年描写がなかったら私はどれくらいの小説のイメージを落とすことであろうか) ちなみにテルちゃんでは他「蛍川」「道頓堀川」「青が散る」が好きです。
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どの短編もそれぞれにじわりと染みるのだが、 その中でも表題作がとても好きだ。 ヒリヒリするぐらい痛いのに、すっと楽になるような。 どうしようもなく「流れ」を感じ、激しい怒りと、激しい憤りと、 そしてそのどうしようもなさへの優しさを感じる。 悲しければ悲しいほど、こんなにも優しい気...
どの短編もそれぞれにじわりと染みるのだが、 その中でも表題作がとても好きだ。 ヒリヒリするぐらい痛いのに、すっと楽になるような。 どうしようもなく「流れ」を感じ、激しい怒りと、激しい憤りと、 そしてそのどうしようもなさへの優しさを感じる。 悲しければ悲しいほど、こんなにも優しい気持ちになるのは何故だろう。 「逃れようのない決定的な絶望に勝つためには、人間は祈るしかない筈だった」
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