大いなる眠り の商品レビュー
文章の格好よさとその…
文章の格好よさとその世界の格好よさとがばっちりあってて、惚れ惚れします。
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チャンドラーの処女長…
チャンドラーの処女長編。雨の降る街を舞台に、悲痛でやるせない悲劇の真相を追う探偵の姿。
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探偵のフィリップ・マ…
探偵のフィリップ・マーロウや、狂気じみた富豪の令嬢など、人物が個性的。テンポが良く的確な描写のおかげで、情景や行動が目に浮かぶようです。
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有名な私立探偵フィリ…
有名な私立探偵フィリップ・マーロウ誕生の記念すべき作品。会話文や比喩がカッコイイですよ。
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ルルーシュ「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」の元ネタ?私立探偵フィリップ・マーロウ長編第1作。 ストーリーについては、かなりこねくり回している印象。入り組んでいて、ちょっとわかりにくい。本作で目がいくのは、やはり何といってもマーロウの人間的魅力。女性にはそっけないよう...
ルルーシュ「撃っていいのは撃たれる覚悟のある奴だけだ」の元ネタ?私立探偵フィリップ・マーロウ長編第1作。 ストーリーについては、かなりこねくり回している印象。入り組んでいて、ちょっとわかりにくい。本作で目がいくのは、やはり何といってもマーロウの人間的魅力。女性にはそっけないようでやたらモテたり、普通に死んでもおかしくないだろうという無茶アクションだったり、安い依頼料ながら警察を敵にまわしても依頼人の秘密を守ろうとしたり。会話の妙もよく言われるが、自分にはオシャレ?すぎてついていけないかも。 P139 「たったそればかりの金で、この土地の警察の半分以上を敵にまわしてもかまわんというのかね?」 P234 「あなた、すごいシンゾウね。こんな危ない目にあいながら、一息ごとに冗談をとばすのね」 とはいえ、謎解き部分も密が濃く、意外な結末は面白かった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
かなり古い訳なので日本語の言い回しが独特で理解に時間がかかった。「うふう」とか、グレープフルーツにつく注釈だとか、「おけらになる」なんて言い回しとか……。特に「おけらになる」については、辞書を引いたよ!全然わかんなかった! 翻訳だけじゃなくて原文もかなり古いわけだから、もとから独特の古き良きアメリカ文化を描いているわけで、そこに馴染みがなさすぎるのも読解に難儀した理由かも。でも、そんなことも含めて大変楽しんだ。時代がかった雰囲気が、そのまま作品の持ち味に感じられる。 いろんな人が(特に警察、検事関係?)次から次へと大した説明もなく出てきて、「えーっとこれは誰だっけ?」と、翻訳ものにありがちの混乱にも陥り、筋を追うのに一苦労。 でも、マーロウの独特の抒情的な一人称の文章が、するすると情景を浮かべさせ、楽しませてくれる。筋を追う、ミステリとして楽しむというよりは、場面場面をただ楽しむというのが、実際のところこの作品を楽しむ一番の読み方なんだろうと思った。 謎が謎のまま残り解決されないところもあるし、推理らしい推理もなく、そういう意味では私の期待するミステリではなかった。チャンドラーのハードボイルドとはこういうものなのか、どうなのか……。一応、謎は解かれるわけだから、ミステリではあるんだろう。 最後、タイトルにもある「大いなる眠り」についてマーロウが独白するところが、とても素敵だった。こういうのが、フィリップ・マーロウの面白さなのかな。謎解きのミステリーとして楽しむんじゃなくて、タフでかっこいいマーロウの生きざまを楽しむ。他の作品も読んでみようか、どうしようか。村上春樹訳も試してみるべき? 分からなかったことが何点か。 カーメン・スターンウッドは結局、なにかしらの病名のつく精神疾患にかかっているという理解でいいのかな? それから、マーロウの心がどうもよくわからないんだけど、彼は、ヴィヴィアンに惹かれていたの? 惹かれていたけど、探偵の倫理で結局深い仲にならなかったってこと? テイラーは結局殺されたの? 自殺したの? 謎が多いよ~。読み返したら理解できるかしら。
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マイク・ハマーのシリーズの次に、同じジャンルの作品として選んだのが、チャンドラー。 マーロウより年上となった今、初読時(高校生)に気付かなかった魅力に、今なら気付くだろうか?
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チャンドラーを読んだのは社会人になってからだった。学生の頃、私は敢えて読むのを避けていた。ある程度社会に揉まれてからでないとその面白さが解らないと思ったからだ。 学生の頃、ふいに目覚めたミステリへの興味は尽きることなく、島田荘司を足掛かりにしてその後新本格1期作家から派生していき...
チャンドラーを読んだのは社会人になってからだった。学生の頃、私は敢えて読むのを避けていた。ある程度社会に揉まれてからでないとその面白さが解らないと思ったからだ。 学生の頃、ふいに目覚めたミステリへの興味は尽きることなく、島田荘司を足掛かりにしてその後新本格1期作家から派生していき、やがてガイドブック、『このミス』を片手に自分のミステリの幅を広げていった。そしてどのガイドブックにも書かれているのはハードボイルドというジャンルにおいてハメット、チャンドラー、ロスマクの御三家の名だ。特にチャンドラーの評価は三者の中でも広範囲の書評家に賞賛され、代表作とされる『長いお別れ』は早川書房から当時出ていた『ミステリ・ガイドブック』のオールタイムベストの人気投票で2位か3位に位置していた。 そんなことから社会人になったらチャンドラーを読むぞ!といつの間にか自分の中で目標が出来てしまった。しかし最初に手に取ったのは本書ではなかった。それは『長いお別れ』だった。この辺の経緯については語ると長くなるので、また後日語ることにする。 通常ならば読んだ順に感想を語るのが普通だが、私が読書メモを書く前に読んだ本に関する感想はその本に纏わる私の追想も混じっているので、順番自体に特別に意味はない。従って刊行順に即してチャンドラー作品の感想をこれから述べていきたいと思う。 この『大いなる眠り』はチャンドラーの長編第1作でハンフリー・ボガード主演で『三つ数えろ』という題名で映画化もされた。 既に有名な話だが、チャンドラーはこの『大いなる眠り』を著わす前に既に『ブラックマスク』誌などに短編の数多く発表しており、ほとんどの長編はそれら短編を原型にして組み合わせたような作り方になっている。従って、事件の途中でマーロウの捜査対象が変わり、寄り道をしているようで、その実、最後には最初に追っていた事件と繋がり、関係者に苦い余韻を残して事件が閉じられるというパターンになっている。 またこれらの短編にもマーロウは登場するが、これは後年チャンドラーが主人公をマーロウに書き換えたものだ。従って本書がフィリップ・マーロウ初登場作品である。つまり本書に描かれたマーロウこそ、当初からチャンドラーが構想していた“卑しき街を行く騎士”なのだ。 冒頭の一節からチャンドラーの本作に賭ける意気込みがびしびしと伝わってくる名文が織り込まれている。丘の上に立つ富豪を訪れるマーロウのちょっと緊張気味の仕草などは後のマーロウからは見られない所作で初々しさすら感じる。 端的にいえば金満家の娘に訪れたスキャンダル処理を頼まれたマーロウが自分の納得行くまで調査を行う物語。 ストーリーは難解(というよりも捻くり回されている?)でボガードが原作を読んだ後、「ところで殺したのは誰なんだ?」とぼやいたのは有名な話だ。 本作はアメリカの富裕層の没落を犯罪を絡めて描き、一見裕福に見える家庭が豊かさと幸せを履き違えたために招いた悲劇を卑しき街を行くマーロウという騎士が、自嘲気味の台詞を交え、自身の潔白さをかろうじて保ちながら浮き彫りにしていく。このフィリップ・マーロウ第1作にその後ロス・マクドナルドが追究するテーマが既に内包されている。 私はハヤカワミステリ文庫の清水訳を読んだ後だったので、本書で初めて接した双葉氏の訳は新鮮だった。個人的には清水氏よりもこちらの方が好きだ。 この作品で登場した時のマーロウは33歳。この時代の33歳と現代の33歳では明らかにその成熟さは異なる。なぜなら時代の不便さと治安の悪さゆえに、男が社会で生きていくことの厳しさが違うからだ。それは後年チャンドラーのあの有名な台詞でも証明されている。 そしてその戦いに疲れた男は題名が示す「大いなる眠り」に就くのだ。 ミステリにリアリズムを持ち込み、ハードボイルドという新しいジャンルを確立したのがハメットならば、それを文学に押し上げたのがチャンドラーだ。本書を読んだ後、しばらくの間、書く文章がことごとくなんだか皮肉めいて、そして比喩が多くなった。この偉大なる文豪はそんな風に僕にかなり大きな影響を与えている。
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ハードボイルドの原点なので。 うーん、散々ハードボイルドに属する作品を読んできたせいか、 思ったほど感動はなかった。 ストーリー自体は次々と殺人が起こって面白かったが。 将軍の存在がきいていた。 あえて古い方の訳を読んで、楽しかった。 子供の頃読んだ翻訳ものってこういう感じだ...
ハードボイルドの原点なので。 うーん、散々ハードボイルドに属する作品を読んできたせいか、 思ったほど感動はなかった。 ストーリー自体は次々と殺人が起こって面白かったが。 将軍の存在がきいていた。 あえて古い方の訳を読んで、楽しかった。 子供の頃読んだ翻訳ものってこういう感じだったな、と懐かしかった。 使われている単語が古臭いが、古典ともいえる作品にはその方がふさわしいのでは。
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20年近く前に購入したきり読んでなかった。かの有名なフィリップ・マーロウが登場する作品。正直、読みにくかった。ただ、名作であることから挑戦してみた。次回は村上春樹の訳で読んでみたい。 ★表紙も変わっている。
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