十一番目の志士(上) の商品レビュー
長州藩に存在しなかっ…
長州藩に存在しなかった暗殺者としての剣豪がもしいたら、という設定のものに書かれたフィクションではあるが、様々な実在した人物との関わりの中、生々しく主人公は「十一番目の志士」として幕末を駆け抜ける。
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架空の人物ですが、高…
架空の人物ですが、高杉晋作の生涯に合わせる形で歴史の裏舞台を生き、たまに表舞台にも顔を出します。
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攘夷思想の渦巻く長州藩「高杉晋作」と巡り合った「天堂晋助」が、幕末動乱期の刺客として京都、大坂、江戸を所狭しと暴れまわる波乱万丈の時代小説です。時代の大波が押し寄せるなか、天堂晋助と桂小五郎、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟、土方歳三など実在した人物と絡み合う場面がふんだんに登場するこ...
攘夷思想の渦巻く長州藩「高杉晋作」と巡り合った「天堂晋助」が、幕末動乱期の刺客として京都、大坂、江戸を所狭しと暴れまわる波乱万丈の時代小説です。時代の大波が押し寄せるなか、天堂晋助と桂小五郎、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟、土方歳三など実在した人物と絡み合う場面がふんだんに登場することから、幕末史秘話の掘り起こしかと錯覚するほどリアリティあふれる小説です。
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武士ならぬ下等農民ながら、高杉晋作に見出された二天一流の達人・天堂晋助が主人公。まず幕末は警察力が低下し武家政権の構成要員も格闘技能力が劣化していたことが描写され、舞台は京から江戸へ。この巻の後半には「フランス=ナポレオン三世から大枚六百万ポンドを借款し近代装備で長州征伐を成功さ...
武士ならぬ下等農民ながら、高杉晋作に見出された二天一流の達人・天堂晋助が主人公。まず幕末は警察力が低下し武家政権の構成要員も格闘技能力が劣化していたことが描写され、舞台は京から江戸へ。この巻の後半には「フランス=ナポレオン三世から大枚六百万ポンドを借款し近代装備で長州征伐を成功させ幕府の権威を回復させいっそ外敵対抗の中央集権体制に持っていこう」とする小栗上野介を暗殺しようとする。人斬り以蔵、など暗殺者は《時勢》に疎いから革命後は冷遇されるのが実情だが(奇兵隊もそう)、晋助は勝海舟と出会い多少の知恵を授かる
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架空の人斬り。陰惨にならない筋立てと展開は巧いと感じさせます。スラスラ読めちゃうし、やはり司馬さん凄い。
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天童晋助は高杉晋作と出会うことで、幕末の動乱期を刺客として生きることになる。晋助は毛利家領内周防に村の出身である。身分は百姓だが田地がない、父の時代から他家の家僕をしている最下級の身である。ただひとつ誇れるものがあるとするなら、宮本武蔵から伝わった兵法がある。亡き父をして晋助の...
天童晋助は高杉晋作と出会うことで、幕末の動乱期を刺客として生きることになる。晋助は毛利家領内周防に村の出身である。身分は百姓だが田地がない、父の時代から他家の家僕をしている最下級の身である。ただひとつ誇れるものがあるとするなら、宮本武蔵から伝わった兵法がある。亡き父をして晋助の剣を神技と言わしめた。彼の人生を大きく狂わすことになる兵法は果たして彼に幸福をもたらすのだろうか・・・司馬遼太郎のこの手の小説が面白い。
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なぜ。刺客である天堂晋助を主人公にしたのか? というのが 上巻を読んで感じたことである。 主人公は 天堂晋助ではない ということかも。 幕末 そして 明治維新に向かう 志士たちが主人公だった。 時代の流れの中で 天堂晋助がであう 志士たちの逸話を ちりばめて 群像を描こうとして...
なぜ。刺客である天堂晋助を主人公にしたのか? というのが 上巻を読んで感じたことである。 主人公は 天堂晋助ではない ということかも。 幕末 そして 明治維新に向かう 志士たちが主人公だった。 時代の流れの中で 天堂晋助がであう 志士たちの逸話を ちりばめて 群像を描こうとしているのですね。 そのためには 無口であり 行動力がある。 そして、危機にあっても 命を落とさないという 剣力を持ち、それが 宮本武蔵の流派である という フィクションの主人公が 創造された。 高杉晋作、坂本竜馬、小栗上野介、土方歳三、近藤勇。 その断面が 表現される。 赤根武人という人物を通じて 高杉晋作の 限界性を 表現しているのが 特筆に値する。 それにしても 天堂晋助。 実にたくさんの オンナ とマグあうのである。 晋作のお下がりのオンナからはじまり 粟屋菊絵。妹お冴。絵師お咲ー娘婿となる。 小若。五助の女房。六道の政の妾ー小梅。南京屋女中。 菊絵。与力の姪お弥寸。お里。おのう。 しかし、その所為は まこと 動物的である。 もっと工夫がないのか 司馬遼太郎さん。
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一年ぶりの再読。 高杉に惚れた天堂が踊らされてる気がしつつも生き甲斐を見付けて体を張って斬って斬って斬りまくって頑張っちゃう話。 前回は知識ほぼゼロで、歴史の流れもよく分かっていなかったけど、それでも単純に楽しめました。 今回は少々知識も付いたのでなお楽しい。元治元年の、正に激...
一年ぶりの再読。 高杉に惚れた天堂が踊らされてる気がしつつも生き甲斐を見付けて体を張って斬って斬って斬りまくって頑張っちゃう話。 前回は知識ほぼゼロで、歴史の流れもよく分かっていなかったけど、それでも単純に楽しめました。 今回は少々知識も付いたのでなお楽しい。元治元年の、正に激動の転換点から始まっていたのですねぇ…。 緋村剣心のモデルじゃないかとも言われている天堂晋助だけども、賢いんだか単細胞なのかわかりませんな。 強いことと誑しなのは確か。
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上下巻読了。舞台は幕末。高杉晋作に剣の腕を見いだされ百姓から刺客となった天堂晋助の物語。京大阪江戸で次々に人を斬りまくるもやがて心境の変化が。超面白い。一気に読んだ。坂本竜馬より劇的な人生だろコレ!と思ったら架空の人物だった。司馬さんフィクションやるんだ。
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