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細雪 全 の商品レビュー

4.5

80件のお客様レビュー

  1. 5つ

    47

  2. 4つ

    16

  3. 3つ

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映画化もされましたが…

映画化もされましたが、原作も情景が思い浮かぶような美しい文章です。美しい四姉妹の鶴子、幸子、雪子、妙子のそれぞれが異なった魅力があり何度も読み返しました。

文庫OFF

少し長い本ではありま…

少し長い本ではありますが、非常に楽しかったです。寝る前に本を広げると、目の前に小さなスクリーンが出現するみたいで、毎夜が楽しみでした。下巻になるともうすぐ終わってしまうと、読み進めるのを躊躇してしまったくらい…。少し古めの、流れるような関西弁がとても気持ちよかったです。

文庫OFF

四姉妹の物語。その本…

四姉妹の物語。その本筋のストーリーも豊かで楽しめますがその途中に折り込まれる上方の風俗、四季が非常に細やかに記されており絵物語のように美しかったです。

文庫OFF

四姉妹の物語。私は4…

四姉妹の物語。私は4人の中では次女が子供を流産したことを何時までも嘆き悲しんでいるところが1番涙を誘った。

文庫OFF

2025/12/17

挿絵が時折入っているにしろ、900ページ以上ある、分厚い中公の文庫。 谷崎作品は有名なものはそれなりに読んだものの、この大作だけは、いつか読もう読もうと先送りにしてきた。 やはりその分厚さに圧倒され、どうも手を伸ばすのを避けていた気がする。 読み終わってみて、これはもっと早く読...

挿絵が時折入っているにしろ、900ページ以上ある、分厚い中公の文庫。 谷崎作品は有名なものはそれなりに読んだものの、この大作だけは、いつか読もう読もうと先送りにしてきた。 やはりその分厚さに圧倒され、どうも手を伸ばすのを避けていた気がする。 読み終わってみて、これはもっと早く読んでおけば、と多少の後悔もあるが、今だから物語も楽しめる年齢になったのかな、とも感じた。 まさに上方の「絵巻物」のようであり、王朝文学や古典の匂いもしながら、長文も多いが、流れるような文体と文章で、非常に読みやすい。 そして昭和初期の、没落した名家の四姉妹、主に三姉妹を中心に、飽きさせることなく出来事が纏綿と繋がり、三女に思い入れを持てば、次女の心情も分かり、また四女に……と読む側も同じように心移りしてしまう。 キャラクターの違う姉妹の、細やかな心情を鮮やかに、生き生きと書き切っている。 「ふん」「ふん」という返事すら、愛らしくクセになってしまった。 また現代と対比して読めば、良くも悪くも家や土地、人間の思考や価値観の差異は、たった約80年経っただけでも、色濃く変化が見える。 彼女たちは、はたして滅びたのだろうか? 底通しているものは時代は変わろうとも、人の中に残っている……かもしれない、と信じたくなる。 とにかく長さを感じさせない、軽いが濃密な読書体験が出来て良かった。

Posted byブクログ

2025/06/23

昭和初期の、比較的裕福だがよくありそうな家庭の日常を描いた話。だがどんな一家にも、それぞれの深遠なドラマがある、この物語はそれを今もなお教えてくれる。 個人的にこの物語の最大の見どころは、阪神大水害の描写やそれに纏わる逸話ではなく、末妹二人、つまり雪子と妙子の終盤の一幕にあると...

昭和初期の、比較的裕福だがよくありそうな家庭の日常を描いた話。だがどんな一家にも、それぞれの深遠なドラマがある、この物語はそれを今もなお教えてくれる。 個人的にこの物語の最大の見どころは、阪神大水害の描写やそれに纏わる逸話ではなく、末妹二人、つまり雪子と妙子の終盤の一幕にあると思っている。そこでこの感想では二人だけに注目してみよう。 三女の雪子はどこか神秘的な女性であり、非常に物静かで、表面上は周りに流されているだけにしか見えないかもしれない。生活力にも自信を持っていなさそうだ。 だが実は芯が極めてしっかりしていて、内にはちょっとやそっとでは動じない意志が燃えている。結婚が遅かったり近畿に固執していたりすることも、その理想の高さ、意志の強さを物語っている。 持ち前の対人恐怖と決断の遅さから時にはヘタれることもあるものの、レジリエンスは高く、また鋭敏な洞察力や家族への深い献身性をも併せ持っている。 典型例な大和撫子のように見えながらも、以上のようにかなり独特な個性を持つ。物語の主人公と評されるのも頷ける女性である。 四女の妙子にはそういう深みはない。決して性格の悪い人物ではないのだが、彼女の内ではすべてのものが自分を中心に周っているのだ。 ゆえに周りを振り回すことを、潔いまでに終始一貫して繰り返す。容易にわかるようにレジリエンスは雪子以上に高く、深刻なトラブルに何度巻き込まれようとも、日を開ければケロッと元に戻ることができる。 意外に芸術的才能も高いのだが、本人はそれを金儲けや暮らしのためのツールとしてしか捉えていない節がある。 とまあ、生活力の極めて高い女性である。 今が楽しければ良いじゃない、他の人のことなんてどうだっていいのよ、シンプルに生きなきゃ、というのが彼女の信条であろう。 このように完全に真逆の二人であるが、容易に想像できるように、この二人は気が合うわけがない、そう考えるのは妥当ではなかろうか。 表面上では仲の良い姉妹を維持しているが、勘の良い読者なら、物語終盤に至るまでに、雪子と妙子が会話しているシーンが不自然なまでに少ないことに気づくだろう。だがよくよく考えてみれば、不自然なことは何もないとも気づくはずである。 物語の終盤の静かではあるが鬼気迫る爆発には、ありふれた家庭のありふれた現象だと分かっていても、手に汗を握るものがあった。 名前とは裏腹に雪子が熱いのである。その言葉一つ一つには妙子に対するある種のカタルシスがあったと言えよう。 次女の幸子をして『内気な人はどうかした拍子に途方もなく強くなるものであろうか』と思わしめるこの一幕を読めるだけでも、この長大な小説を読む価値があったというものであろう。 妙子も妙子で、上記のような引き摺らない女性であるから、こういう諍いがあった後でも、雪子との関係を速やかに修復することができるのだ。それどころか、前より姉妹の絆をずっと深いものにすることができている。 この機転にもまた素晴らしいものがあることは言うまでもなく、総じてこの二人から学べることは僕らも多いはずだ。 余談になるが、ちょうど阪神地域に住んでいるので、この作品に出てくる地名の多くを、鮮明なイメージとして頭に思い描くことができた。このアドバンテージにより、読書が一層楽しくなったことはもちろんだ。 このように近畿地方、特に阪神地域にゆかりのある方に、とりわけお薦めしたい傑作である。

Posted byブクログ

2025/02/02

完読するのに、かなりの時間を要しましたので、最早蒔岡家の一員になった気分です。 日常の出来事や人間の機微が、非常に的確な言葉で表されている点が特に好きです。文字数が膨大であるが故に、言語化された事物も膨大です。語彙力と言語化のテクニックが強化されたような心持ちがします。

Posted byブクログ

2024/09/23

変態度が印象が強い谷崎文学でも、この作品はそうでもないと思った。段落がすくなくすーっと続いていく文章でも、なんとなく集中して読むことができた。個人的に盛り上がりを感じたのは水害の場面で、これは現実のこととも重ねて読んだからかもしれない。途中で出てきた東京評「銀座から日本橋界隈の街...

変態度が印象が強い谷崎文学でも、この作品はそうでもないと思った。段落がすくなくすーっと続いていく文章でも、なんとなく集中して読むことができた。個人的に盛り上がりを感じたのは水害の場面で、これは現実のこととも重ねて読んだからかもしれない。途中で出てきた東京評「銀座から日本橋界隈の街通りは、立派と云えば立派だけれども、何か空気がカサカサ乾枯らびているようで、彼女などには住みよい土地とは思えなかった。」がなんか分かる気もした。

Posted byブクログ

2024/08/31

オーディブルでちまちま聞いていたら終わってしまった、、さみしい オーディブルの谷崎潤一郎作品のナレーターさんがとても良いので立て続けに聞いてる 芦屋のお嬢さん(と言っても30代)の日々のあれこれ 主に三女ゆきこの縁談

Posted byブクログ

2024/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

このお話の根底にあるものとは一体なにか? 当分のあいだ考え込んでました。 登場する蒔岡の四姉妹を取り巻く世界は、 隣家から東京までを範囲に、ここまで子細に描かなくてもいいんじゃない? ってほど、人対人の瞬間・瞬間のやり取りを活写されていて、 あたかも一緒の空間に入り込んでシーンを見ている様に 臨場感の伝わるものとして描かれていると感じました。 しかし、話そのものはつまらないものとして映りましたし、 もっと言うなら単に人間模様を書き殴ってるだけで 実際これって話として成立してもないのでは?? 全編読み終わって、なんだこりゃ感がすさまじかったです。 ただ、これが、話の前の段階で亡くなっていて、作品中に あまり存在を語られない四姉妹の『両親』を意識すると、 これが全ての羅針盤のように機能していて 個人個人の動きに色がついて見えてくる様な印象は受けました。 ストーリーテラーの次女・幸子の繊細な心の機微は 良く言えば思いやり、悪く言えば極度の心配性であり、 日がな一日こんなに考えすぎてたら、いろいろと窮屈そうだなと 真っ先に感じるんですが、他の姉妹の板ばさみになっている以上に、 何が幸子をこういうポジションにしているのか、 ここを考えてこそ一番の核心に近づけるのかなと思いました。 『人間とは、両親の愛情をたくさん受けすぎても、受けなさすぎても 思いやりが不足して歪んだ形になるのかも?』 それをふまえて自分が真っ先に思ったのはコレです。 長女の鶴子は、当然ながら四人中一番両親との関わりが濃く、 当たり前に母親となってたくさんの子を育てる事に勤しんでいて 作品を通してそれほど出番はありませんが、 彼女がやる事といえば、没落していながら蒔岡の家柄にこだわり、 下に続く雪子ほかの障害となって立ちはだかっている点です。 そして、物語の終盤では下3人の妹たちだけで芝居を観劇に行く姿を見て、 涙をこぼすプライドの高さが目につきます。 雪子は基本ポンコツの内弁慶。物語の冒頭の描写では 妹のかけおち騒動のとばっちりを受けて婚期が遅れたとありますが、 実際は本人の危機意識の低さと、単に蒔岡の家に生まれた それだけで息をしている様な状態なわけで、本家の妨げは あってもなくてもそう変化はないのでは?と思えるほどで、 四姉妹でトップクラスの家庭依存ぶりが際立っています。 末娘のこいさんこと妙子は、両親の影響をあまり受けずに育ち、 姉たちと比べて、悪い意味での自立心としたたかさが目立ち、 人として理性を保って行動をするというより、動物的本能の おもむくまま動いてはそこらじゅうにトラブルの種を まきちらしてしまう、トンデモキャラとして存在感を発揮して、 本家から煙たがられるほどアクの濃い人間像を演出されています。 4人にはどれも欠けたところがあり、雪子は家族への 過剰な依存、妙子は行きすぎた自立心がエゴになり暴走、 そして、家族を過信する幸子の甘さ、鶴子は身の丈に合わない 華族としてのプライド、と、少なからずここには各々、両親から 影響を受けた負の感情がくすぶっていることが読み取れます。 蒔岡家と関わる隣家のシュトルツ一家ないし、 ロシア人一家などの描写からは、家族での団体生活を営みながらも 『個人としてどうしたいのか』の意志も同時に自分の中に持ち、 どちらか一方向に偏らずに自己を確立させる姿が見て取れます。 蒔岡四姉妹に無く、他の見本が有しているものとは、 これら自己の意志における方向性の正しさと、 今の現在地を正確に把握できているのかどうか、 その差を全編通して描き出された作品なのでは?と。 落ち着いて考えた結果、恐らく、ここが一番のテーマなのではと 今の時点では感じます。 家柄に縛られることで個人の意志が消され、 個人の意志で突っ走れば身を崩す、 戦争の足音が響く時代柄ではあまり目にしたことの無い、 昭和初期の上流階級における心の葛藤がここにはありますね。 ここまで内容が重厚でありつつ、読み物としてつまらない、 アンビバレンツな感情をかきたてられる作品もなかなかないと思います。 谷崎潤一郎は最高・谷崎潤一郎は最低。 このまったく違う感情が同時に成立してしまう読書体験でした。 悔しいですが完敗です、ありがとうございました。

Posted byブクログ