珍品堂主人 の商品レビュー
井伏氏の傑作小説のひ…
井伏氏の傑作小説のひとつであるそうだが、どこが傑作なのか解らないうちに読了してしまった。そこが井伏作品の傑作である所以であると見た。こういった作品の意味を追求し、もっともらしい解説等をするのは野暮というものだろう。
文庫OFF
朝日新聞で紹介された本である。能登半島地震についての説明とともに書かれたが、この小説では能登半島について書かれているかどうかがはっきりしない。 でも骨董屋が料理屋を経営してまた追い出されるというストーリーである。
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高校生の時、「黒い雨」を読んで何とも言えぬ衝撃を覚えました。井伏鱒二にはそんなイメージしかなかったので、そのギャップにちょっとびっくりしながら、最近の「骨董ブーム」の余韻に浸りながら読みふけってしまいました。 結局、真贋を養うには痛い目にあいながら修業を積んでいくしかないのだろ...
高校生の時、「黒い雨」を読んで何とも言えぬ衝撃を覚えました。井伏鱒二にはそんなイメージしかなかったので、そのギャップにちょっとびっくりしながら、最近の「骨董ブーム」の余韻に浸りながら読みふけってしまいました。 結局、真贋を養うには痛い目にあいながら修業を積んでいくしかないのだろうか?やられた分だけ強くなるのか?このまま、この世界に足を突っ込んでしまっても良いものだろうか?と自問自答しながら、さらに骨董について読みふけるのでした。笑
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骨董屋好きとしては前半が面白い。後半は料理屋のくだりが多くて少しダレる。骨董をめぐる人々の生ぐさい感じが軽妙に描かれていて軽く読める。
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★2.5かな、井伏鱒二にしてはちょっと焦点がぼけてる気がする。 この作家は暢気なキャラクターを設定しているようで、実のところ闇深い奥行きがあるんだけれども、この作品はちょっとどうかな?文章の美味さとかは改めて触れるまでもないけれども。
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お寺に生まれの元教育者が趣味で始めた骨董にどっぷりはまって抜けられない。騙し合いや駆け引きや、どうしても手放せないもの愛してやまないものなんかがあってどうも人間くさい。掘り出しものと出会えないスランプに始めた高級料亭もどうなることやら。
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骨董屋の主人「珍品堂」の骨董収集と、料亭経営の話 掘り出し物を売ったり売られたり、時に口を拭って安く買い取ったりと、狐と狸の化かし合いのごときあれこれ。通人の「騙された方が悪い」は、後味も悪くないし、子供の喧嘩のようで微笑ましい。ところが後半の、経営していた料亭の顛末は、なぁ。...
骨董屋の主人「珍品堂」の骨董収集と、料亭経営の話 掘り出し物を売ったり売られたり、時に口を拭って安く買い取ったりと、狐と狸の化かし合いのごときあれこれ。通人の「騙された方が悪い」は、後味も悪くないし、子供の喧嘩のようで微笑ましい。ところが後半の、経営していた料亭の顛末は、なぁ。なんとも意地の悪い現実だった。まぁ本人は持ち直したので良いか。 そもそもはタイトルにひかれて手に取った。「教科書に出てくる『井伏鱒二』の小説!」と思って身構えてはいたけれど、そんな必要の全くなかった、楽しい一作でした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本の主人公の骨董好き「珍品堂」にはモデルがあります。モデルとなったのは、料亭の主で、骨董商であった秦秀雄氏。 号は珍堂と言われたかと思います。北大路魯山人に見込まれ、星岡茶寮のあるじとなりますが、職を退き、目黒茶寮・梅茶屋などの料亭を経営。ことに梅茶屋は、青山二郎・小林秀雄らが出入りする店だったそうです。 白洲正子さんのご著書「遊鬼」にそのことが記されてあり興味を持って読みました。 骨董好きの、骨の髄までの駆け引きや、料亭のあるじになってからの珍品堂の数奇者・凝り性ぶりが面白く書かれて、けっこう悪いところやなさけないところもあるのに、読者は彼を嫌いになることが出来ません。 彼の足を掬う茶の師匠「蘭々女」のただならなさや したたかさも、二人の対決も泥臭くなく、どこかほのぼのと、温かい味わいがあって、井伏さん自身が この主人公を深く愛していたんだなということがじわりと沁みてくる佳編です。 大人のための小説だなぁと、しみじみ楽しかった。 人生は、ままならなくても、終わりまでは生きなくてはならない。その物悲しさやおかしさ、愛おしさがぐっときます。 人に小説を書かせ、あるいは読ませているのは、 その約束故なのかも知れません。
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タイトルが面白いので買ったみたが、井伏文学の真骨頂ともいれるリズミカルな文体と予想外の展開に引き込まれ、アッと言う間に一気読み。最高です。終わり方がまたいい。
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読み始めた最初、このまま延々と骨董の話で始終終わるのかと思ったのだが、途中から展開がある。 周り道も、罠の苦痛も、全てこれから珍品堂主人の糧になり、何も無駄ではないのだと思う。
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