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城塞(下) の商品レビュー

4.1

64件のお客様レビュー

  1. 5つ

    18

  2. 4つ

    25

  3. 3つ

    13

  4. 2つ

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2019/07/01

家康がこれでもかと言うほどねちっこい。あらゆるところに謀略を打っていて、やり過ぎじゃないの?というほどの用意周到っぷり。 そしてそれにまんまとハマり続ける淀殿と大野治長にイライラする。 絶望的な状況の中での真田幸村の一瞬の奮闘が唯一の清涼剤。死を覚悟して儚く散る漢達の最期の輝きに...

家康がこれでもかと言うほどねちっこい。あらゆるところに謀略を打っていて、やり過ぎじゃないの?というほどの用意周到っぷり。 そしてそれにまんまとハマり続ける淀殿と大野治長にイライラする。 絶望的な状況の中での真田幸村の一瞬の奮闘が唯一の清涼剤。死を覚悟して儚く散る漢達の最期の輝きに胸打たれるが、全体を通して俯瞰するとやはり家康の凄まじさに感心する。

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2019/01/04

城塞読了。 淀、秀頼方のあまりの情けなさと、家康の黒さに、段々、読むのが辛くなってきた。 真田幸村、毛利勝永の活躍が、その辛さを少し忘れさせてくれました。

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2018/11/19

司馬遼太郎、城塞の前に読んだのはなんだったか この国のかたちを手にとって、一巻のちょっとだけ読んだ 俺は昭和史が嫌いというか、大平洋戦争前後の日本は醜悪過ぎて相手にしたくないので、読めなかった それもあって?しばらく離れてたけど、高校生の頃の新撰組とか、徳川慶喜とか、楽しん...

司馬遼太郎、城塞の前に読んだのはなんだったか この国のかたちを手にとって、一巻のちょっとだけ読んだ 俺は昭和史が嫌いというか、大平洋戦争前後の日本は醜悪過ぎて相手にしたくないので、読めなかった それもあって?しばらく離れてたけど、高校生の頃の新撰組とか、徳川慶喜とか、楽しんで読んだのを思い出した

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2018/05/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大坂冬の陣後の休戦状態から、大坂夏の陣の終わりまで。 誰がどういう理由でその役に付くことになったのか、どうしてこうなるに至ったのかがなど広く細かく描かれている。 小さな点を積み重ねていき、大局が出来ていくのだなと実感できる。 その分というか全体的に盛り上げるべきところ、熱を入れて読みたくなるであろう所をあえて外して、淡々と簡素に進めてある。 特に大坂方の武将勢については家康に比べ描写がかなりあっさりしている。心情風景などに深入りすることがあまりない。最期の奮闘というのも薄味。 彼らの個人個人の想いや行動を読みたいと思っていると、肩透かしを食らうと思う。 その中でだが体感では後藤又兵衛が一番濃厚に描かれ、次点が真田幸村だったかと思う。 真田はどうも他に短編が出ているようなので、そちらで補完してくれということかもしれない。 あくまで全体的に同じ熱量で描写しているという体だと思う。 それがこの作品の作風にもなっていて、熱狂しているはずの最後の大戦をどこか冷えた感覚で読むことが出来る。物語を俯瞰しているという気にさせてくれるのだ。 秀頼の最期について、実際は毛利勝永が秀頼の介錯をしたのだが、今作では違う形になっていた。 それはそれで寂しい雰囲気が漂っていて悪くないのだが、そこの描写に期待していたので個人的には残念。 有名所はこの後どうなったという点に触れられているのだが、最後の見せ所を失った毛利はその説明もなく。少々不憫…。 作中で「古今にない」とか「史上類を見ない」というような表現が頻出するのだが、本当にそうなのか?誇大では…と疑問が。真偽のほどは分からない。 上巻で大物風を吹かせて主役格の動きをした小幡勘兵衛は、当然後藤や真田のような活躍を見せることも無く、名を馳せることも無く、すっかり小さな男になってしまった。 作中で半生を無駄にしたというようなことが書かれていたが、本当にそうだなと。そしてこの程度の事を考え、実行した有象無象が多くいた時代なんだろうなとも。 身の丈に合わない自信や成り上がりをこの時代に夢見た男の代表として、彼は描かれたんだろうと思う。 この点現代にも通じる部分があるように思えて、少し考えさせられる。

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2018/03/13

大阪冬の陣、夏の陣を扱った作品。「関ケ原」と比べ、こちらの作品での家康は、一層、老獪さを増し、豊臣勢を手玉にとる。悪役といってもいいほどの役回りである。 様々な登場人物の背景の解説の細かさや、心理の動きの描写はさすが。個人的には、不利な状況にあっても最後まで戦う真田幸村の姿が最も...

大阪冬の陣、夏の陣を扱った作品。「関ケ原」と比べ、こちらの作品での家康は、一層、老獪さを増し、豊臣勢を手玉にとる。悪役といってもいいほどの役回りである。 様々な登場人物の背景の解説の細かさや、心理の動きの描写はさすが。個人的には、不利な状況にあっても最後まで戦う真田幸村の姿が最も印象に残った。

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2018/03/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勝者家康の知略というよりも汚いやり口、徳川安泰のためには手段を選ばない嘘や恐喝の数々がことごとく成功することで読者の家康評を決定づける本編。対して真田幸村をはじめとした豊臣方武将たちの清々しさ、絶望の中でも正々堂々と知略と武力をもって真っ向から立ち向かう様にどうしてもひいき目が生じてしまいます。淀殿や秀頼を代表する愚物に従いつつも後世の名声をのみ欲する勇ましさ。そして終盤の、家康が大阪方に追われ逃げ惑う痛快な展開。真田十勇士をはじめ様々な寓話が生まれるのも道理と思われます。 人の心を操る陰と陽の好例を歴史上の一大事件のなかで鮮やかに描かれており、共感し学ぶことができます。 本編の主人公あるいは読者目線といえば小幡勘兵衛、そしてヒロインはお夏となるであろうが、残念ながら結局は歴史の傍観者である勘兵衛と創作キャラであるが故に大した活躍もなく、中途半端に創作する必要があったのか?のお夏の存在に疑問です。

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2018/01/28

小説のジャンルではあるものの、多くの部分は史料に基づいて書かれているものと思われる。 それゆえ、登場人物に対する著者の思い入れが少なく中立的、客観的に描かれており、これが読みやすさに繋がっている。ただし、家康を除いて。 家康に関しては、策士、戦略家と言ってもいいと思うが、どうし...

小説のジャンルではあるものの、多くの部分は史料に基づいて書かれているものと思われる。 それゆえ、登場人物に対する著者の思い入れが少なく中立的、客観的に描かれており、これが読みやすさに繋がっている。ただし、家康を除いて。 家康に関しては、策士、戦略家と言ってもいいと思うが、どうしても狡猾性がデフォルメされ、前面に出てきてしまう。 とにかく上中下巻とボリュームたっぷり。 大阪冬の陣、夏の陣をじっくり読むにはオススメ。

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2017/12/13

あらゆる堀を埋められた大阪城での夏の陣。勝敗はすでに決し、その中で見どころはやはり真田幸村の活躍。華々しく死んで名を残すことだけを目指す武将がほとんどの大阪方の中で、彼だけは勝つことを決してあきらめない。綿密な作戦を練り、それがうまく行かなければ、次の策を練る。疲れることのない彼...

あらゆる堀を埋められた大阪城での夏の陣。勝敗はすでに決し、その中で見どころはやはり真田幸村の活躍。華々しく死んで名を残すことだけを目指す武将がほとんどの大阪方の中で、彼だけは勝つことを決してあきらめない。綿密な作戦を練り、それがうまく行かなければ、次の策を練る。疲れることのない彼の精神と徳川方を蹴散らして突進する行動力は痛快だ。 こうした滅びに向かう美を描くことこそが司馬文学の真骨頂。そして、幸村の思考は戦闘のことだけではない。戦闘の合間に自身の娘を今日戦ったばかりの敵将、伊達政宗に託そうとする。そんな大胆な行為を見せる幸村に対して、それに応じる政宗。敵味方の関係を越えた2人の武将のやりとりは本巻の最高のエピソードだ。 幸村をはじめとする大阪方の武将たちの気迫に圧倒される徳川方。大阪の陣で徳川が勝てたのは、圧倒的な兵力差と家康の石橋を叩いて渡る知謀、そして淀殿を中心とする豊臣家の不甲斐なさが原因。 こうして燃え落ちる大阪城とともに、戦国時代は幕を閉じる。

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2017/10/09

秀頼、淀殿を挑発して開戦を迫る家康。大坂冬ノ陣、夏ノ陣を最後に陥落してゆく巨城の運命に託して豊臣家滅亡の人間悲劇を描く。

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2017/09/23

一気に読ませる。 だが、注意して読んだ。 これは読み物であって、歴史書ではない。 2千年前の「項羽と劉邦」みたいな物語なら大目にみられることも、江戸(特に幕末)~のお話では、読み手にも教養・判断力が求められるに違いない。

Posted byブクログ