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飢餓海峡(上) の商品レビュー

3.9

17件のお客様レビュー

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戦後の日本が舞台の社…

戦後の日本が舞台の社会派推理小説。2人の主人公が印象的です。

文庫OFF

2025/12/10

雷電の朝日温泉、登山で廃屋となったかつての温泉宿を見聞したのをきっかけとしてこちらの本を知りました。図書館でたまたま見つけ読み始めましたけど、面白かったです。 昭和22年は終戦の混乱が収まりつかない激動期、世相がわかるというもの。女が一人で生き抜くのは特に厳しい時代。 ラスト...

雷電の朝日温泉、登山で廃屋となったかつての温泉宿を見聞したのをきっかけとしてこちらの本を知りました。図書館でたまたま見つけ読み始めましたけど、面白かったです。 昭和22年は終戦の混乱が収まりつかない激動期、世相がわかるというもの。女が一人で生き抜くのは特に厳しい時代。 ラストに八重が…、こんなことになるとは! 下巻が早く読みたい。 ちなみに岩内大火も洞爺丸の遭難沈没も実際の出来事なんですね。

Posted byブクログ

2025/09/13

2025/9/13読了(再読) 有栖川有栖『ミステリ国の人々』で知った作品。昭和29年('54)の洞爺丸遭難事故と岩内大火に着想を得たことで知られる社会派推理小説である。 終戦後の混乱も収まらぬ昭和22年、北海道岩幌町で質屋一家を惨殺、更に共犯者も殺害して本州に逃れた犬...

2025/9/13読了(再読) 有栖川有栖『ミステリ国の人々』で知った作品。昭和29年('54)の洞爺丸遭難事故と岩内大火に着想を得たことで知られる社会派推理小説である。 終戦後の混乱も収まらぬ昭和22年、北海道岩幌町で質屋一家を惨殺、更に共犯者も殺害して本州に逃れた犬飼多吉と、青森大湊の娼家で犬飼と関わった杉戸八重との物語。上巻は、ほぼ八重サイドの物語で、最後に余りに残酷な運命が待ち受けているのだが……。兎に角、戦後日本の人々の暮らしぶりの描写が生々しい。犬飼との関わりを疑って、八重を訪ねる函館署の弓坂刑事は、八重から「いやらしい眼つき」とか酷い言われようだったが、食糧難で皆が闇米に手を出し(※)、いわば全国民が“脛に傷持つ”状態だった当時、警察官の嫌われようは今現在の比ではなかったのだろう。 時は流れ昭和32年、東京で娼婦として生きる八重が、新聞記事に載った京都の食品会社社長、樽見京一郎の写真に犬飼多吉の面影を見出したことで、新たな悲劇の幕が上がって、下巻に続く。 ※)当時の食糧管理法違反担当の判事が、自ら闇米を拒否して配給食のみを食べていた結果栄養失調で亡くなったという逸話もある通り、『配給食だけでは生きていけない』というのが、比喩とかでなく単なる事実だったというのが酷い。 翻って、コメ不足、価格高騰が懸念されている現在、政府及び農水省には、国民がちゃんと食えるように、確りと仕事をして頂きたい(八つ当たり……?)。

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2025/07/22
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な、、なんで!八重ちゃんいい子やな~幸せになってほしいな~と思ってたところで! 網走監獄の人、がんばっている

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2025/05/17

戦前から戦後にかけて、この本に書かれたように日本は貧しかったのだろう。貧しさから罪を犯す、貧しさから身を売る。生きるために必死だった時代を思い、やり切れなさを感じる。

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2025/04/09

水上勉作の社会派推理小説。 尤も犯人当てタイプではなく、北海道や東北の貧しい村に生まれた男女と、彼らが貧困から逃れられない仕組みを描いていると思われる。 詳しくは下巻で。

Posted byブクログ

2024/07/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 昭和22年9月20日、青函連絡船「層雲丸」は颱風の影響を受けて転覆。854名の乗員乗客のうち半数が死亡する大惨事となった。対策本部がある函館警察署の弓坂吉太郎警部補は、乗客名簿に該当しない男性2名の遺体があることに注目する……。  同日の朝、函館から20㎞ほど離れた岩幌町にて全町の⅔が焼失する大火災が発生。火元と見られる質店の一家強殺犯による放火が原因と推定された。警察は同年3ヶ月前に仮釈放された受刑者2名と、彼らと行動を共にしていた大男“犬飼多吉”による犯行と断定。その行方を追うも捜査はなかなか進展しなかった……。  青森県大湊の娼婦 杉戸八重は軌道車で知り合った関西訛りの大男を客に取った。“犬飼多吉”と名乗った男は返礼に6万8千円の札束を渡して去る。戸惑う八重だったが曖昧宿への借金返済と、上京・再出発への資金に用いんと決意する……。  戦後間も無い、ヤミが跳梁跋扈する日本社会が舞台のミステリー作品。ヤミに頼らねば生き残れぬ都市部の厳しさと、ヤミすら手に入らぬ地方部の貧しさ、そして双方の住民たちの生存への執着の描写が凄まじい。また内田吐夢監督の映画版と比べ、本作では弓坂の執念の捜査や、八重の苦難と強かさがより詳細且つ叮嚀に描かれている。これは下巻にも大いに期待できる!

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2023/08/28

1954年9月26日に起きた洞爺丸沈没事故と同日の岩内の大火を結びつけた雄大な社会派推理小説。しかし、推理には重きを置かず、主人公とヒロインの人物描写に紙幅を割く。やがて浮かび上がる壮絶な過去。津軽海峡は、まさしく飢餓の海峡だった。

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2023/05/07

映画が気に入った流れで原作も、ということで比較しながら楽しめた。台風が引き起こした大火と旅客船転覆を元に戦後の混乱と貧困を組み合わせてこれを創作したひらめきがすばらしい。更にこの小説からあの映画が作られたのもすごいと思うし、それぞれ違った良さがある。八重さんは原作の方が怜悧な人で...

映画が気に入った流れで原作も、ということで比較しながら楽しめた。台風が引き起こした大火と旅客船転覆を元に戦後の混乱と貧困を組み合わせてこれを創作したひらめきがすばらしい。更にこの小説からあの映画が作られたのもすごいと思うし、それぞれ違った良さがある。八重さんは原作の方が怜悧な人で映画のように極端に一途ではない。弓坂刑事の他に八重さんを探していた謎の人物は結局下間でも未回収?

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2022/10/10
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※このレビューにはネタバレを含みます

水上勉の視点が大変に好きだ。その土地に根付いたような、寄り添うような視点で描いてくれる。車窓から田畑を眺めて土地の生活を想起するような、僕の理想としている見方に近い。まだもう少し書きたいが未だ興奮さめやらぬ 越後つついし親不知に続いて2作品目。北国らしさがひしひしと伝わる。北海道に下北に舞鶴、近畿に住む僕には全て北国に見えてしまう。いつか現地を歩いてみたい。

Posted byブクログ