橋のない川(第5部) の商品レビュー
差別を無くして欲しいという願い1つ叶わず、挙句の果てには強情だと牢屋に入れられる。 自身(部落)の訴えを申し出ただけであるにも関わらず、時代は自然に帰る自由を許さない。 差別は利き手から始まる。 刀を元にした利き手の話はためになったし、云われてみれば大方が右利きも変な話だと感じ...
差別を無くして欲しいという願い1つ叶わず、挙句の果てには強情だと牢屋に入れられる。 自身(部落)の訴えを申し出ただけであるにも関わらず、時代は自然に帰る自由を許さない。 差別は利き手から始まる。 刀を元にした利き手の話はためになったし、云われてみれば大方が右利きも変な話だと感じた。 そら豆が食べたくなる。
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大正11年3月3日、全国水平社結成。古い因習と偏見による抑圧と宣言を拠点に立ち上がる抵抗の激しいぶつかり合い。孝二たち7人は、正太、熊夫の通う小学校の校長に「差別待遇廃止」の決議書を提出するが、校長は差別はないと受け取らず、騒擾罪として監獄に収監される。孝二は首魁として独房に。70余日で保釈。後の公判では、実刑なるも執行猶予。杉本まちえは自分の気持ちを渡辺豊太に書簡で示し、豊太はその手紙を孝二に差し出す。1年遅れの徴兵検査、孝二は丙種。住井すゑ「橋のない川」、昭45.11刊行、480頁。
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これまで耐えに耐えてきた差別、偏見、搾取、弾圧などに力強く抵抗し始める住民たち。筆者が描くその思いは、人として当たり前のことばかりであるが、この小説の中だけでなく、**ファーストやヘイトスピーチなど、現代でも起こっている事柄に思えてならない。
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不当な差別に虐げられてきた人たちが、今や“賤民”を返上して、“選民”の道をいかんとす。歴史の教科書では理解し得なかったできごとが、生きた言葉で語られることのおもしろさ。長~い語りや手紙のやりとりが多く、またかぁ~なんて言いたくなるところもなくもないが…。思いがけず、孝二らが裁判に...
不当な差別に虐げられてきた人たちが、今や“賤民”を返上して、“選民”の道をいかんとす。歴史の教科書では理解し得なかったできごとが、生きた言葉で語られることのおもしろさ。長~い語りや手紙のやりとりが多く、またかぁ~なんて言いたくなるところもなくもないが…。思いがけず、孝二らが裁判にかけられたりして、いよいよ歴史が動き始める。年内に7部まで読み終えられるかしら。
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どんどん引き込まれていく。 生涯をかけて己が内なる鬼の追放に精進するまちえ。 私の中にもある己が内なる鬼。 気づかないふりはできない。
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表紙裏 大正11年3月、全国水平社は結成された。故なき差別に泣かされてきた多くの人々は、これを拠点に力強く立ち上がる。しかし、ふるい因襲と偏見はなお、かたくなに厚い壁をめぐらして人々を寄せつけまいとする。抑圧と抵抗の激しい騒ぎのなかで、孝二ら小森の青年7人は獄舎に送り込まれる。だ...
表紙裏 大正11年3月、全国水平社は結成された。故なき差別に泣かされてきた多くの人々は、これを拠点に力強く立ち上がる。しかし、ふるい因襲と偏見はなお、かたくなに厚い壁をめぐらして人々を寄せつけまいとする。抑圧と抵抗の激しい騒ぎのなかで、孝二ら小森の青年7人は獄舎に送り込まれる。だが、真実と正義を求める人々の声は消えることなく、燎原の火のように各地にひろまってゆく。
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はぁ。5巻まで読み終えた。 つらい経験をしたけど、それでまた一回り大きくなったね。 ただ、世間は悪、孝二たちは善という単純な構図になっているのがちょっと気になる。
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孝二の心の支えとなった詩集『草の葉』からの一節「歌のような大地の調和 その完成は哲学をこえて 申し分のない人類の母」。かつて日本の農村にもこのような自然のすばらしさがあったのであろう。
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