砂の女 の商品レビュー
設定と世界観、じっとりした感じが黒手塚を連想させた。ザ・クレーター的な。最初、物語に入り込んだが、中弛みも手伝ってか、読了に1年くらいかかりました笑 砂の女のイメージも人それぞれあるでしょう。なんか途中から砂の女に知らず知らずのうちに惹かれていく自分もいました。 世界各国で翻訳さ...
設定と世界観、じっとりした感じが黒手塚を連想させた。ザ・クレーター的な。最初、物語に入り込んだが、中弛みも手伝ってか、読了に1年くらいかかりました笑 砂の女のイメージも人それぞれあるでしょう。なんか途中から砂の女に知らず知らずのうちに惹かれていく自分もいました。 世界各国で翻訳され評価を受けているみたいだが、 個人的にあまりハマらなかった。さて、安倍工房、ほかの作品に手が伸びる日が訪れるのか?
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終始ジメジメと体に汗と砂がまとわりつくような感覚がずっとあった。不気味で息苦しくて、自分も砂の中に閉じ込められているように思えるほど、没入感があった。読んでいて気持ちが悪い。まんまと騙されていくら砂を掻いても出られず、やっと出れる時が来たのになぜか砂穴にとどまってしまうのはまるで労働に追われている現代人を見ているようだった。
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近現代の文学小説って難解で読むのに時間がかかるイメージがあったので気を引き締めて挑んだが安部公房は比較的読みやすく、推理小説のようにスラスラと内容が頭に入ってきた! 最初は砂への文句ばかり言っていた主人公が最終的には女の肉のシワに固まった砂に愛着すら抱いてたのが「ナントカ蝿は適応力がある」等の付箋回収だったり、エディプスコンプレックスをチラつかせていたり(ラストの探究心や女を母親とみてるような当たり散らかし様)構成の綺麗さに驚いた! また、主人公と同じように困惑するような設定なのに、主人公が現実的な公務員であることから妙に写実的で面白かった!後味残る、また読み返そう
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とにかくハラハラして一種の冒険小説のようにどんどん読んでしまった。ただそこには「砂」という物質に着目したユニークな視点から現代の生き方を照らし合わせるという巧みな表現もあるように見えた。世界でも人気な理由がわかる。分析したい本
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砂の中に閉じ込められた世界だとしても生きるため、欲しいもののために働く。 地上の世界に戻れても何も変わらない。 生きるとはそういうことだという皮肉を込めたメッセージを本作品では感じた。
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20数ヶ国語に翻訳された名作!だそうですが、私には難解でわけがわかりません。 読み終えた後、口の中が砂だらけでジャリジャリ、後味悪し・・ 『飛ぶ男』もイマイチ謎だったので、悲しいかな安部公房は私には高度すぎるのかも。
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本作『砂の女』は20カ国以上の国に翻訳された国際的にも高く評価された名作です。 ストーリー自体はあくまでシンプル!ふと迷い込んだ砂丘で、理不尽にも穴の中の家に閉じ込められた主人公。砂の壁に囲まれた穴から脱出すべく奮闘するも・・・という物語です。 前回の記事で紹介した『箱男』はストーリーが難解で、問題作と言われるほどの奇作でしたが今作『砂の女』は非常に読みやすいです。 ただ、阿部公房らしい不条理な世界観は健在です。 文学の国際性ということを考えることになったこの作品は私にとっても貴重な読書となりました。これは楽しい読書でした。
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ストーリーとしては面白くて展開が気になって読み進めてしまう!ただ、裏表紙に書いてあるテーマ?(人間存在の象徴的姿の追求)についていくのは難しかった。 高校時代に読んで二十年ぶりに再読。
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ずっと抵抗を感じながら読み進めていたのに、結末を知ってから読み返すと全てが自然な流れに感じるという不思議な小説。 砂が積もる一方で男の本質は露になり、表面的には苛立ちを覚える一方で本質的には心が洗われ生活が満たされていく。 環境や経験から得る思考はまだ顕在的なもので、それに反して潜在的に作用することもあるのかも。砂の下から水が湧いてくるように。
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