砂の女 の商品レビュー
砂の中に閉じ込められ…
砂の中に閉じ込められる男と、男をひきとめたい女。設定の異様、不気味さの中に、不思議にエロスが滲み出ているように感じました。
文庫OFF
おすすめです
今となっても時代の古さを全く感じさせない、圧倒的な筆力。世界中で読まれている作品。綿密な風景描写が創り出す、非現実の世界。そこに生きる人間存在の象徴。読み終えて、奇妙な喉の渇きを覚える……衝撃作。
abtm
いろんなところで、変わった話で面白い、とおすすめされていたので、気になって読んでみることに 昆虫採集が趣味の教師の男が、砂穴の底に落ちてしまって出られなくなり、脱出を試みるもうまく行かず、穴の底で暮らし続ける女と過ごす日々が描かれていました ありえない設定ですが、自分なりに頭...
いろんなところで、変わった話で面白い、とおすすめされていたので、気になって読んでみることに 昆虫採集が趣味の教師の男が、砂穴の底に落ちてしまって出られなくなり、脱出を試みるもうまく行かず、穴の底で暮らし続ける女と過ごす日々が描かれていました ありえない設定ですが、自分なりに頭の中で風景をイメージするのが面白いと感じながら読み進めました 穴の中の劣悪な環境、男が極限に何度も追い込まれますが、その時のカラダや心境の状態、ある意味何を考えてるのかよくわからない、なぜか穴の中に固執する女に対する男の怒りや気遣い、さまざまな欲望、研究者としての一面、部落の異常な状況、いろんなことが複雑に絡み合って、ありえない設定ながらもありえそうな描かれ方で、確かに面白かったです ただ、ちょっと精神的にしんどい時期に読んだこともあってか、疲れました
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とにかく独特な表現が多く読みきるのに大変な小説だった。 特に好きな場所は砂からの脱出を図る男の気持ちの変化で、はじめはあんなに必死に運命に抵抗していた男も全て曝け出されて自尊心を徹底的に壊された結果、人間ではなく終盤、見せ物みたいな行為ですら許容してしまってしまう。 この時点で男と女の自尊心の差が逆転してしまい女が拒絶してしまった事すらよくわかっていないのが、あんなに部落での生活に対して不満をぶつけていた男のあり方がかなり皮肉めいていてかなり好き。 最終的には男の現実からの逃避という根っこにあった欲望がうまく部落とかみ合った感じで終わった。 うまく何が言いたいか読み取れなかったためもう一度チャレンジしたい。
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男の心境の変化が生々しく、全然他人事じゃない!と感じて恐ろしかった これからの人生、ここは砂の中ではないか?と常に自分に問いたいし、逃げることを諦めたくない……でも本当に、逃げるなんてことできる?
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凄まじき傑作! これを映像化しようと思ったことも凄いと思う こんな理不尽な状況に陥ったらと想像すると震える 追い詰められた人間の心理描写が生々しい
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めちゃめちゃ面白い。相当好きかも。、 カフカの城とかに似ている気がした。 ――罰がなければ、逃げるたのしみもない―― 意味わからんけど、最後なるほどと。表現の面白み、読み応え、おかしみ…ものすごい好きだった。 難しそうだけど、意外とミステリーとかサスペンス的な感じだからすいすい...
めちゃめちゃ面白い。相当好きかも。、 カフカの城とかに似ている気がした。 ――罰がなければ、逃げるたのしみもない―― 意味わからんけど、最後なるほどと。表現の面白み、読み応え、おかしみ…ものすごい好きだった。 難しそうだけど、意外とミステリーとかサスペンス的な感じだからすいすい進む。 変な話、策を練って頑張って脱出しようとするってシンプルな話だから、相当読みやすい。もちろん、それだけじゃないけど。
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※このレビューにはネタバレを含みます
砂穴の中にある家で、女と暮らさざるを得なくなった男の話。 最初はこの理不尽に対して足掻きなんとか脱出しようと試みるが、徐々に砂穴の生活を無自覚に受け入れていき、最後は水が砂穴で確保できる事に気付き、蒸留装置の製造を生きがいにしてしまいます。 我々の日常生活でも、如何ともしがたい理不尽は大なり小なりあるわけですが、その理不尽から逃げられないと気付いた時点で、その中でやりがい、生きがいを見つけて、やっていかないと精神的に生きていけない…、そんな話だと、解釈しました。 しかし、読後にまず感じたのは、自分も砂まみれになったような気分。外に出たわけでもないのに、部屋の掃除して、シャワー浴びたくなったよ(笑)
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とりあえず砂まみれの気分 物語の先が気になって豊富なメタファーまでは考える余裕がなかった 「100分で名著」を買ってあるので、こちらを読んでからまた再読する
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誰もが知らず知らずに砂の穴で砂かきをしているかのような人生を送っている。そして、砂の上の生活に思いを馳せるが、それは幻想でもあり、今ある生活の中から幸せを見つけることが大切である。とも解釈できるのかな? 何んともいえないザラザラとしたような読後感であった。
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