大黒屋光太夫(上) の商品レビュー
安定の吉村昭。今回も淡々とした筆致に引きこまれている。経緯も結果も知っているのに、先が読みたくてしょうがない。
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江戸後期にロシアに漂流した大黒屋光太夫の生涯を描いた歴史小説。遭難時の切迫感ある状況描写など吉村昭らしさをふんだんに感じることができる。 劇画の舞台に引き込まれる、というイメージなのか。
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江戸時代の18世紀末、伊勢の国から江戸へ向かう予定であった大黒屋光太夫一行は嵐にあり、アリューシャン列島のアムチトカ島に漂着。同島はアメリカが1960年代後半から 地下核実験を行った島である。 当時鎖国下にあった日本に 帰るにも帰られず、また島をでるにもでられす、 次々と仲間たち...
江戸時代の18世紀末、伊勢の国から江戸へ向かう予定であった大黒屋光太夫一行は嵐にあり、アリューシャン列島のアムチトカ島に漂着。同島はアメリカが1960年代後半から 地下核実験を行った島である。 当時鎖国下にあった日本に 帰るにも帰られず、また島をでるにもでられす、 次々と仲間たちが死んでいく中 光太夫らはペテルブルグのエカテリーナ2世に謁見をゆるされ、約10年後に帰国する。 同じ題材を取材した井上靖の「おろしや国酔夢譚」と比較して読みたい本である。 吉村昭晩年の作だが漂流のほうが人間がよく描けていたと思う。
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主人公達が帝政時代のロシアに漂着する。 仲間の病死やロシア女性との結婚しそうになったりする困難な中、日本への帰郷の念を改めてもつ主人公 光太夫に尊敬する。 当時のロシアに、遭難した日本人を保護・集約し、教師として雇用し、日本人学校を開校している事に初めて知りました。 アメリカほど...
主人公達が帝政時代のロシアに漂着する。 仲間の病死やロシア女性との結婚しそうになったりする困難な中、日本への帰郷の念を改めてもつ主人公 光太夫に尊敬する。 当時のロシアに、遭難した日本人を保護・集約し、教師として雇用し、日本人学校を開校している事に初めて知りました。 アメリカほどの積極的でないにしても貿易開始を目指す一つの材料として、インフラ整備をしているロシアの先見の明に驚く。 にしても仲間が凍傷により足を切断せざるを得ないぐらいのロシアの寒さは、想像を絶します。
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映画化もされていましたね。江戸時代ロシア領に漂流し、生還を果たすまでの物語。 シーホルトの娘、についで吉村さんの本の中ではお気に入りです。 異国で病に倒れた者、帰国が決まる直前にロシア正教の洗礼を受け鎖国政策の日本に帰れなくなった者、帰国の船に乗ったにも関わらず上陸直前に船の中で...
映画化もされていましたね。江戸時代ロシア領に漂流し、生還を果たすまでの物語。 シーホルトの娘、についで吉村さんの本の中ではお気に入りです。 異国で病に倒れた者、帰国が決まる直前にロシア正教の洗礼を受け鎖国政策の日本に帰れなくなった者、帰国の船に乗ったにも関わらず上陸直前に船の中で病に倒れた者。 様々な運命に翻弄されながらも、奇跡的に生還を果たした主人公。 それぞれが持つ、強い郷愁。それに共感を覚えました。
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