半生の記 の商品レビュー
2009年…太宰治生誕百年の年、 ボクは、太宰が入水自殺した玉川上水をたどり、 三鷹の禅林寺に墓参した。太宰の墓の前には、 森林太郎…森鴎外の墓がある。 太宰と鴎外…およそかけ離れた作家を つなぐかのように感じられるのが松本清張だ。 松本清張は太宰と同年の生まれ…しかし、 清張...
2009年…太宰治生誕百年の年、 ボクは、太宰が入水自殺した玉川上水をたどり、 三鷹の禅林寺に墓参した。太宰の墓の前には、 森林太郎…森鴎外の墓がある。 太宰と鴎外…およそかけ離れた作家を つなぐかのように感じられるのが松本清張だ。 松本清張は太宰と同年の生まれ…しかし、 清張が作家として世に出たとき、すでに太宰は亡かった。 清張が太宰を知らなかったはずはない。 しかし、太宰に関して書いたものをボクは知らない。 その一方で、鴎外を描いたものは数多ある。 その秘密を知りたいと思った。 折しも、今年…2012年は、鴎外生誕150年、清張没後20年にあたる。 清張が作家になるまでを知りたくて本書を手にしたのだった。 あとがきにこう記されている… -いわゆる詩小説というのは私の体質に合わないのである。 たしかに本書で、きらびやかな青春が描かれることもなく、 ドラマティックな成功譚が綴られるわけでもない…のだけれど、 だからこそ、清張作品の虚構が照射するものは、 真実をつまびらかにしているように思われてならない。 今年の夏…清張が鴎外に関して書いたものを読みながら、 二人の足跡をたどってみようと思う…清張が育ち、 鴎外が暮らした小倉…鴎外の出生地・津和野… ボクの旅の愉しみは、頭の中でまわりはじめてるんだ。
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仕事のため、読書会に出席できず、本日読了。とても面白かった。会のみんなはどんな感想を持ったのか、聞きたかった。
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「砂を噛むような」孤独で呪縛された半生を淡々と書いてます。終戦後の経済状況とかは今からだとなかなか想像しづらいですが、その孤独については現代のひとたちにも訴えるものが大いにあるんじゃないでしょうか。私も清張先生の孤独が手に取るようにわかる気がしました。
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昭和の大作家、松本清張が松本清張になるまでの半生。地位を確立してもなお、にじみでるコンプレックスに「人間・清張」を見る事ができます。
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これも「清張入門セット」。『西郷札』『半生の記』を読んでから『砂の器』を読もうよ。この入門セットを読んでおくとおもしろさが断然違ってくるはず!
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