黒い雨 の商品レビュー
原爆投下後の個人の日記という設定だが、被害の描写が克明で頻繁で、なかなかストーリーがすすんでいかない。肉体への被害は多種多様に描かれているが、決して十分な生活とは言えないだろうが、食事したり出勤したりする人がいたことは意外だった。 こんな兵器があと何発、日本に落とされるのだろう。...
原爆投下後の個人の日記という設定だが、被害の描写が克明で頻繁で、なかなかストーリーがすすんでいかない。肉体への被害は多種多様に描かれているが、決して十分な生活とは言えないだろうが、食事したり出勤したりする人がいたことは意外だった。 こんな兵器があと何発、日本に落とされるのだろう。
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日記形式で、主人公の体験が描かれている。 広島の原爆投下から終戦までが詳細に描かれている。 悲惨な状況が伝わってきて読んでいて痛々しかった。 原爆症についても、被爆直後ではなく時間が経ってから症状が現れるということも改めて身に染みた。 「夕飯は美味しかった。主食は麦飯七割にフスマ...
日記形式で、主人公の体験が描かれている。 広島の原爆投下から終戦までが詳細に描かれている。 悲惨な状況が伝わってきて読んでいて痛々しかった。 原爆症についても、被爆直後ではなく時間が経ってから症状が現れるということも改めて身に染みた。 「夕飯は美味しかった。主食は麦飯七割にフスマ三割の混合だが、副食は石炭統制会社へ土産にしそこねた罐詰の牛肉である。こんな甘美な味のものを僕は絶えて久しく食べたことがない。重厚な感じの鼈甲色の肉、とろりとした琥珀色の汁、唾液を誘出させるその匂がたまらない。手拭で頬被りをしなければ頬が飛んで逃げそうだ」(p226) という描写が当時の食糧事情をよく表している。 頬被りをしなければ頬が飛んで逃げそうだという表現に主人公の喜びが手に取るようだ。 多くの人々が同じような苦労をした戦争、そして原爆。 二度と同じ過ちを犯してはならない。 そのためには、当時あった出来事を忘れないことである。 読んでいて決して楽しいものではないけれど、時々戦争に関する本を読もうと思う。
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2度目の広島訪問を前にして、それをより意義あるものとしたくて手に取った。 戦時下の淡々と進んでいく日常生活を破壊した原爆。しかしその中にあっても日常を生きる他ない、生き残ったものたちの現実が描かれていた。 戦争を直接は知らない私は、東日本大震災の惨事やコロナ禍の窮屈な生活と絡めて...
2度目の広島訪問を前にして、それをより意義あるものとしたくて手に取った。 戦時下の淡々と進んでいく日常生活を破壊した原爆。しかしその中にあっても日常を生きる他ない、生き残ったものたちの現実が描かれていた。 戦争を直接は知らない私は、東日本大震災の惨事やコロナ禍の窮屈な生活と絡めて読んだが、戦争は人為的に引き起こされるもの。なぜそれを止めることができないのか。歴史から学べない人間の愚かさを思った。
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戦時中という非日常の中で日常を営んでいる所に落ちる原爆。 姪のお見合い成就の為、当時の有り様を日記に落とし込む形で再現している。 正直、現実味がわかないくらいの出来事が現実に起こっていた。 そして現代でも起きないとは限らないという潜在的な危険が世界にはあるってことを改めて思い出...
戦時中という非日常の中で日常を営んでいる所に落ちる原爆。 姪のお見合い成就の為、当時の有り様を日記に落とし込む形で再現している。 正直、現実味がわかないくらいの出来事が現実に起こっていた。 そして現代でも起きないとは限らないという潜在的な危険が世界にはあるってことを改めて思い出した。 仮に今この様なことこ起きたとき、生き残るのは難しいなと思えるくらいには平和ボケしてる自分を認識した。
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生まれ育った街が燃えても、家族や友人や恋人が死んでも、淡々と生活を続けねばならない市井の人たちの描写がこの出来事の悲惨さを強調しているようで辛く、休み休み読んだ 夏に繰り返し読むだろう
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梅雨が明けて夏が来ると読みたくなる、いや、どこか「読まなければ」という義務感に駆られて繰り返し読んでいる一冊。 声高に「反戦」や「No moreヒロシマ・ナガサキ」を訴えるのではなく、淡々と、市井からの目線で1945年8月の広島を描いているところに、静かな凄みのようなものを感じ...
梅雨が明けて夏が来ると読みたくなる、いや、どこか「読まなければ」という義務感に駆られて繰り返し読んでいる一冊。 声高に「反戦」や「No moreヒロシマ・ナガサキ」を訴えるのではなく、淡々と、市井からの目線で1945年8月の広島を描いているところに、静かな凄みのようなものを感じる。
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原爆投下直後の広島の様子が克明 正常性バイアス? 淡々と現実を受け入れている 当時の人々の様子 読んでて苦しいけど引き込まれる ブックオフ妙興寺店にて購入
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原爆が広島に落とされた日から月日が経っても苦しめられている人々の事を改めて思い知らされる。 目を背けたくなる描写はあるが、多くの戦争を知らない人々に是非読んでもらいたい。
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日常の底にいつも沈められている、人間の狂気は正義ですらある。 僕らが立っているこの大地のすぐ下には、いつ起き出すかわからない猛獣を飼っているようなものだ。 手懐けていた家畜はいつのまにか手に負えぬ代物になっていて、飼っていた人たちだけさっさと逃げる用意をしていて、なにも知らない...
日常の底にいつも沈められている、人間の狂気は正義ですらある。 僕らが立っているこの大地のすぐ下には、いつ起き出すかわからない猛獣を飼っているようなものだ。 手懐けていた家畜はいつのまにか手に負えぬ代物になっていて、飼っていた人たちだけさっさと逃げる用意をしていて、なにも知らないひとたちが逃げ遅れる。 エネルギーや核兵器の問題は誰も解決できなくなっている。文明は繁栄と平和で作り笑い。 正義の戦争より不正義の平和の方がましじゃ とはよくゆうたもので。 それもそれでがんじがらめになってます。 以下、ネダバレですが、核兵器をつかえる立場の人には必ず読んでほしい。 そしてこの本を核兵器のボタンの横において置くこと。 ↓↓↓↓ (子供は)柘榴の実の一つ一つに口を近づけて、ひそひそ声で「今度,わしが戻って来るまで落ちるな」と言い聞かせていた。その時、光の玉が煌めいて大きな音が轟いた。同時に爆風が起こった。塀が倒れ、脚立がひっくり返り、子供は塀の瓦か土かに打たれて即死した。
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後世に、絶対に残さないと行けない作品。 戦争は絶対に起こってはいけないことを、特に若い人たちにこの本を読んで、感じてほしい。
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