山椒魚 の商品レビュー
辻原登の本の中で、井伏とコルタサル二つの「山椒魚」の読み比べを進めていたので再読。まだ、コルタサルな読んでないが。 今では、井伏氏の描く日常がピンとこないので作品を理解するのに苦労するものもあったが、この短編集はバラエティもあり、サスペンス風のもの、掛け合い漫才風のもの、動物も...
辻原登の本の中で、井伏とコルタサル二つの「山椒魚」の読み比べを進めていたので再読。まだ、コルタサルな読んでないが。 今では、井伏氏の描く日常がピンとこないので作品を理解するのに苦労するものもあったが、この短編集はバラエティもあり、サスペンス風のもの、掛け合い漫才風のもの、動物もの色々あり楽しめました。あまり名作だからと構えて読まないほうがいい。
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言わずと知れた名作。 特に山椒魚と屋根の上のサワンは国語の教科書でもお馴染みで懐かしく読んだ。 不思議な感じのする小説で、 小説というより詩のような印象を受けた。 とにかく感情を揺さぶられない。 例えば、電車から窓の外を見ているような。 気にしなければ何も思わないが、注目す...
言わずと知れた名作。 特に山椒魚と屋根の上のサワンは国語の教科書でもお馴染みで懐かしく読んだ。 不思議な感じのする小説で、 小説というより詩のような印象を受けた。 とにかく感情を揺さぶられない。 例えば、電車から窓の外を見ているような。 気にしなければ何も思わないが、注目すれば確かに感じるものがある。 現代小説には、この趣きのある著者は少ない。
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どこまでもイメージや象徴の世界に生きていたひとなんだと思う。なるたけ言わずに眼前に示したい、そんなことを目指していたように感じられる。 だから、書くということにかけて、非常にタイトで、文章に無駄がない。ヘミングウェイのそれと同じ匂いがする。そういう点で、太宰が絶賛したのは十分にわ...
どこまでもイメージや象徴の世界に生きていたひとなんだと思う。なるたけ言わずに眼前に示したい、そんなことを目指していたように感じられる。 だから、書くということにかけて、非常にタイトで、文章に無駄がない。ヘミングウェイのそれと同じ匂いがする。そういう点で、太宰が絶賛したのは十分にわかるし、大家であると思う。 けれど、どうしても精神に欠けているように思えてしまう。ことばからイメージを抽出しようしようと、うーんとうなっている姿は見えるが、生きてことばで考えてみようとは考えていない。ことばの存在を前提にしているため、彼は、それを不思議に思ったり、存在に思いを馳せる性質のひとではないのだと知った。 別にそれが悪い訳ではないし、物語を書くということで必ずしも必要だとも限らない。 けれど、非常に不自由だと感じてしまう。何を表現するかで頭を悩ますより、何が表現されているのか考える方がよっぽど生産的だと思う。 ただ、彼ほどの大御所にもなってくると、何を述べるかで、多大な影響を及ぼしてしまうというのもあったのだろう。
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20190611 名作に関しては、中学生の頃読み漁っていたが結局、何にも残っていない。読み直しの時期もあるのかも知れないが印象に残るように感じる。次は誰にしようか。
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「何たる失策であることか!」が滑稽で可愛らしい、山椒魚が主人公の表題を含む短編集。超生き生きとした老人、若しくは動物が異常に登場する。 がっつり心に残る話がある訳ではないけれど、読んでいる内に共感を覚える場面がとても多い。
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理由はうまく説明できないが今まで読んだ短編の中では一番好きかもしれない。山椒魚と蛙の関係、何を意味してるのか今一不明ですが....
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物語に余白があって、 その余白のことを想像してみることが楽しくなったのは 本当に最近のことです。 それまでは、はっきりくっきりしないのが もどかしくてむずがゆかった。 私の大好きな山椒魚という小説にも 読む人で色々な捉え方ができる小説です。 あの時こうしていれば、こっちの道を選...
物語に余白があって、 その余白のことを想像してみることが楽しくなったのは 本当に最近のことです。 それまでは、はっきりくっきりしないのが もどかしくてむずがゆかった。 私の大好きな山椒魚という小説にも 読む人で色々な捉え方ができる小説です。 あの時こうしていれば、こっちの道を選んでいれば。 穴倉になんか入らなければ。 人は出来なかったことを嘆いて生きていくけど、 それだけでは息さえできない。 カエルがどんな気持ちで 「今でも別におまえのことはおこってはいないんだ」 と言ったのか、もっともっと この人生で考えて考えて 答えをだしていきたいと思います。 「掛持ち」もこの短編集の中で好きな一つです。 人には同時に一面だけでなく 二面三面と色々な顔をもつ生き物。 高校の友達と大学の時に知り合った友達とを 引きあわせて一緒に遊んだ時に感じた 居心地の悪い感じを思いだしました。 「大学ではそんな感じのキャラなんだ?」的な視線を感じて あぁ恥ずかしいと思っていたあの時の気持ち。 私は今までその人の性格がその人の人生や役割をつくっていくと思っていたけど、 それは逆で人は与えられた役割の中に順応して性格や 人生が形成されるのかもしれない。 囚人と刑務官が実験で役割交代をしたら その人たちの性格が反転してしまったように。 性格を人は重視して一番大事な判断材料のように扱うけれど、 もしかして、本当はそんなに自分たちが思っているほどには 大した物ではないのかもしれない。 そう思えると、私には最後に主人公がふっと肩の力がぬけた理由が見えてきた気がします。
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ダメだ、、、僕には文学は無理!! (^_^;) 『文学作品の楽しみ方』はわかったけど、 その楽しみ方が『僕には楽しくない』のがわかった。 これは決して、 「この作品が面白くない」と言っているのではなくて、 単純に『合う、合わない』の話です。 なので、評価はしてないです。 もっと...
ダメだ、、、僕には文学は無理!! (^_^;) 『文学作品の楽しみ方』はわかったけど、 その楽しみ方が『僕には楽しくない』のがわかった。 これは決して、 「この作品が面白くない」と言っているのではなくて、 単純に『合う、合わない』の話です。 なので、評価はしてないです。 もっと言うと、評価出来ないのです。 だって、僕は文学の本質の分かってないから。 僕がひとつだけ言えることは、 昔の作品のわりには文語体なので読み易かったし、 短編集ってのも取っ付き易かった。 文学作品の入門編としては良いかも? まぁ、そう思った作品だからこそ、 僕は不得手なのがよく分かったけど。 (^_^;)
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言わずと知れた、超有名な作品。 教科書にも採用されたらしいが、多分習っていないので読む機会がなかった。 表題作『山椒魚』は、改変前のもの。 蛙の気持ちになってみると、いよいよ自分の命が尽きようとしているとき、怒りの感情が沸いてこないのも頷ける気がする。 ずっと二人で岩屋の中にいて...
言わずと知れた、超有名な作品。 教科書にも採用されたらしいが、多分習っていないので読む機会がなかった。 表題作『山椒魚』は、改変前のもの。 蛙の気持ちになってみると、いよいよ自分の命が尽きようとしているとき、怒りの感情が沸いてこないのも頷ける気がする。 ずっと二人で岩屋の中にいて、悪態ついて過ごしてはいたけど、自分がいなくなった後、1人取り残される山椒魚の哀れさを思うと、自分の境遇よりもなお悪いのではないかと思ってしまう。 閉じ込められて初めて、その孤独や不安を痛感し、いたずらに飛び回って見せて煽るのではなかったと後悔もしたかも知れない。 いずれにしても、面白かった。
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解説で「井伏鱒二は無用人」としての自覚があるって書いてあって、なるほどなと思いました。 作品自体は50年くらい前のものとは思えないほど、読みやすい…のだけど、これも解説の言葉だけど「飄々踉々」としてて、掴み所がなかなかみえない作品で、読んでみないと伝えられない感じです。
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