硝子戸の中 の商品レビュー
「不愉快に充ちた人生…
「不愉快に充ちた人生をとぼとぼ辿りつつある」漱石が、硝子戸の中から静かに世間を眺めて綴った随筆集。落ち着いた美しい文章で、しみじみします。
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漱石晩年の随筆ですが…
漱石晩年の随筆ですが、則天去私の真情に達した静かで穏やかな日々の暮らしが綴られます。
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画家は眼と頭脳を鍛…
画家は眼と頭脳を鍛えなければならないとセザンヌは言った。セザンヌのいう頭脳とは表現手段における論理を意味している。では作家における眼とは何か。身体の一つの器官でそれを表すには適当なものはないが、人間関係や普段の出来事を捕えるその力であることは間違いあるまい。本書はエッセイである...
画家は眼と頭脳を鍛えなければならないとセザンヌは言った。セザンヌのいう頭脳とは表現手段における論理を意味している。では作家における眼とは何か。身体の一つの器官でそれを表すには適当なものはないが、人間関係や普段の出来事を捕えるその力であることは間違いあるまい。本書はエッセイであるから小説に比べれば漱石のそういった力を伺い知ることができる。もちろん巧みな文章もユーモアも健在である。手元においてたまに読みたい。そんな本である。いつかまた私の視線にこの本が入ってきたら、読み直してみようと思っている。
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体を弱くし自宅の硝子…
体を弱くし自宅の硝子戸の中にて平静に暮らす漱石が周囲に起きた出来事を随想する。写真のこと、犬のこと、寄席のこと、床屋のこと、泥棒のこと、病のこと、人との付き合いのことなど。漱石の思想を感じることのできる一冊。
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晩年の随筆。筆者はこ…
晩年の随筆。筆者はこれを執筆していたころ、長く病に苦しめられていた状態にあって、心が弱っていたためか、死が絡んでくる話題が多い
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当たり前のことなんで…
当たり前のことなんですが、ああこの人は実在の人物なんだよなと改めて実感した1冊でした。この時代の文体というか、会話の言い回しなんかが好きです。
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20冊目『硝子戸の中』(夏目漱石 著、1952年7月 初版、2011年8月 改版、新潮社) 死の前年にあたる1915年1月〜2月に朝日新聞で連載していた、漱石最後の随筆。タイトルは漱石の書斎がガラス窓に囲まれていたことに由来するが、異なる位相から世情と自らの過去を俯瞰するかのよう...
20冊目『硝子戸の中』(夏目漱石 著、1952年7月 初版、2011年8月 改版、新潮社) 死の前年にあたる1915年1月〜2月に朝日新聞で連載していた、漱石最後の随筆。タイトルは漱石の書斎がガラス窓に囲まれていたことに由来するが、異なる位相から世情と自らの過去を俯瞰するかのようなその内容を言い表してもいる。 床に伏せることが多くなっていた漱石は、やはり自分の命が長くないと意識していたのだろう。「死」をトピックにしたものが多く、彼の心情が慮られる。 〈私は「そんなら死なずに生きていらっしゃい」と云った〉
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漱石のエッセイです。兄弟のこと、母のこと、自分のこと、友達のこと、飼い犬のこと・・・・・ 身辺に起きたことを語るその描写は、真面目に言っているのに妙におかしく思えたり。何だろう、このおもしろさみたいなものもあり。それだけでなく、さりげない優しさも文章全体にしみわたっています。 ...
漱石のエッセイです。兄弟のこと、母のこと、自分のこと、友達のこと、飼い犬のこと・・・・・ 身辺に起きたことを語るその描写は、真面目に言っているのに妙におかしく思えたり。何だろう、このおもしろさみたいなものもあり。それだけでなく、さりげない優しさも文章全体にしみわたっています。 人との会話の中で、自分の主張もするけれど、(それが結構おもしろい)相手への気遣い、思いやりが感じられるのです。メンタルを病んだことのある漱石だからこその温かみのある言葉。「漱石さんて、いい人なんですね」と声をかけたくなります。 他人の死を通して、自分の死を考える描写に、心に訴えかけるものがありました。49歳で亡くなった漱石の晩年の執筆であることから、目に見えない何ものかに、つき動かされているようにも感じてしまいます。 人生の夕暮れの物悲しさが漂う、アンニュイな雰囲気がありながら、木漏れ日が差し込むような明るさも合わせもつ、そんなエッセイでした。 硝子戸ごしに、外をぼんやり眺めている漱石、絵になるなあと思います。
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漱石さんの随想集。読者が訪ねて来たり、手紙を送ってきたり、漱石さんお困りでした。 暗くはないけど、うら寂しい雰囲気が漂っているのが良かった。 ある日、物事の整理ができないという女性が相談に来た。一度他所へ行ってリフレッシュしてみたらいいとアドバイスする漱石さんに女性は、こんがら...
漱石さんの随想集。読者が訪ねて来たり、手紙を送ってきたり、漱石さんお困りでした。 暗くはないけど、うら寂しい雰囲気が漂っているのが良かった。 ある日、物事の整理ができないという女性が相談に来た。一度他所へ行ってリフレッシュしてみたらいいとアドバイスする漱石さんに女性は、こんがらがっているのは物ではなく心の中だと。情報が入ってくる一方で処理しきれないらしい。 女性から見れば漱石さんの中身は整っているように見える。内臓の位置まで整っているように見える。(なるほど。何となくイメージできる笑) 漱石さんは、そういう悩みは自分のところではなくお寺へ行きなさいと。まともなアドバイスだと思った。 やっぱり漱石さんは情報を処理するのがうまいのでは?と思った。 2、3年前、新宿の漱石山房記念館に行って、原稿や様々な展示を見て数冊本を買ったものの、あまり読めていなかったので、数年ぶりの漱石さん読了でなんだか嬉しい!
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漱石がこれまでにあったことや考えたことを、つらつらと書き綴るエッセイです。 講演の謝礼の話は、拗らせていますねぇ。言わんとしているとはわからなくはないですが、本当に面倒くさい。こうして本で読む分には楽しいですが、実際相手にすると疲れるでしょうね。 岩崎弥太郎の話も面白かった。...
漱石がこれまでにあったことや考えたことを、つらつらと書き綴るエッセイです。 講演の謝礼の話は、拗らせていますねぇ。言わんとしているとはわからなくはないですが、本当に面倒くさい。こうして本で読む分には楽しいですが、実際相手にすると疲れるでしょうね。 岩崎弥太郎の話も面白かった。不愉快だといいながらも、どことなく友情を感じるんですよね。実際に所はどうなのかは分かりませんが。 ヘクトーや飼い猫の話は、漱石のツンデレ加減が笑えます。「文鳥」でもそうなんですが、動物に対してすら素直に心を開けないところが、ある意味かわいらしさを感じます。 「道草」を陰とすると、「硝子戸の中」が陽のような感じを受けました。自分の拗らせ具合を自虐的に書いていますので、一見暗くなりそうな話題も多いですが、不思議と楽しく読めました。
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